世界ため息選手権
は〜〜〜〜〜〜
思わずため息をつく。深い深いため息だ。
それを見ていた後輩がニヤリと笑い
「いいため息をつきますね」と声をかけてきた。
後輩の顔を見ながら、さらに深いため息をつく。
は〜〜〜〜〜〜
負けじと後輩もため息をつく。何だ、こいつは。仕事は出来ないのに、なかなかの「ため息的な逸材」だ。
だが、仕事ができないのは、こちらも同じ。
は〜〜〜〜〜〜
負けじと、さらに深く深くため息を吐く。
は〜〜〜〜〜〜、は〜〜〜〜〜〜、は〜〜〜〜〜〜
ため息の無限ループだ。
そう、この無慈悲な世界では、ため息を吐くことがなんと多い事か!!
世界はため息で溢れている。
それは、まさしく地獄だ!!
もういっその事、世界ため息選手権でも開いたら、優勝できるのではないか?そんな事も時々思う。
だが、油断はできない。世の中にはため息の強者達がわんさと存在する。ところで、わんさって何だ。
犬🐕か?
世界ため息選手権の考察してみる。
会場は豪華で、数千人の観客が期待に満ちた顔で席を取る。中央には大きなステージが設けられ、その上には一人ひとりのため息の深さ、長さ、哀愁度を測る専用の装置が設置されている。
出場者は各国から選ばれしため息のプロフェッショナル。彼らは日々の生活の中で様々な経験を経て、ため息の技術を磨いてきた。競技はシングルスとタッグ、そして団体の3部門がある。
シングルスでは、それぞれの出場者がステージに上がり、自らのため息を披露する。装置がそのため息の深さや長さ、哀愁度を計測し、得点が出る。観客はその美しさや感動度に涙を流すのだ。
タッグでは、2人の選手が協力して連続的なため息を披露。タイミングやハーモニーが求められる。
団体部門では、各国のチームが一斉にため息を吐く。この部門はまるで合唱団のように、緻密なコーディネーションが要求される。
そして、最後には各部門の優勝者が、グランドチャンピオンを目指してため息を競い合う。
観客たちは、その美しいため息の競演に酔いしれるのだ。優勝者には、「ため息神」の称号とともに、賞金が贈られる。まさに、ため息が出るほどの額だ。
また、特設ブースでは「ため息の体験コーナー」が設けられ、老いも若きも息の深さや長さを測定して楽しむ。
世界ため息選手権は、一大イベントとしてオリンピックを凌ぐ競技となるだろう。
そんな事を考えながら、家に帰るとヨメは何故かわたしの顔みて、誰よりも深くため息をつく。
文学的に書くとこんな感じだ。
そのため息は、マリアナ海溝のような深さと広がりを持っていた。息の1つ1つが、10,984メートルもの深さを持つチャレンジャー深部のように、心の底から引きずり出される感情や思い出を伴って、ゆっくりと、持続的に外に放出される。その深さと重みは、一瞬の感情ではなく、長い時間の中で蓄積されたものを感じさせた。
失礼極まるとはこの事だ。
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