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湯澤規子著 『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか――人糞地理学ことはじめ』 読了

これはさながら、約一〇〇年前のウンコから私へ届いた手紙のように思えた。
(p081)

この一文だけでは「うん?」となること間違いなしですが、この文が出てくる第4章まで読んだら「うん!きっとそう!」ってなること間違いなしになる「どのようにして、今のウンコ観ができたのか」を解説してくれる本、『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか――人糞地理学ことはじめ(ISBN:9784480073303)』を読みました。

うんこブームでどうのこうのと思うなかれ、いたって真面目でためになる本。

いつからウンコは汚いものと見られるようになったのか、そもそも汚いのか?なぜ肥料として使われなくなったのか、それにまつわる下水整備のエピソード、そしてウンコを通じたいのちの循環など近世近代から現代までの変遷を紹介している本です。

しかし、ウンコがかつてのように農地に還れなくなったのは、ウンコが「汚い」からなのではなく、私たち自身がウンコに含まれる物質を変化させてきたせいなのである。
(p167)

目からウロコだったのはこの部分。
自分の想像と違う答えがポン!と出てくるとやっぱり読書は楽しいな〜と思います。

西洋人と日本人の宗教観、自然観のちがいで、人糞を肥料として使うことへの嫌悪感も違うのでは?という部分に「あー、なんかまた関係ありそうな別の本読みたくなるやつ…」と積ん読見ながら天を仰いだり

個人的に、シャワートイレのところを読んで、最初に売り出したのって今のLIXILではないのかと思い調べてみたら、国産初がLIXILで、その前にTOTO輸入してたのか〜とまた豆知識を増やしたり、

「おしりをトイレットペーパー以外で何を使って拭くのか」なんてそういや考えたこともなかったな!と自分の視界の狭さを知ったり、

とにかく(私が勝手に)横道にそれつつ楽しく通読できました。

著者さんの行動力とプロフィール写真も素敵なので、生き物は皆ウンコをするのだからこそ、是非一読あれ。

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