「産直」って、何?どんな仕組み?の疑問を産直経営者がご紹介。
2回目の更新となります。
前回の記事(初投稿の記事)でもちょっと触れましたが、
「産直」とは?
あまり馴染みのない方に向けて。
「産直」という言葉。元々は「農産物直売所」を略したものです。
そんな風に言っても全然ぴんと来ない方は結構多くて、「道の駅みたいな感じですよ」って伝えると、「ああ、農家さんが直接野菜を納品するような感じの!!」って、わかってくれる人が多いです。
そもそものルーツとしては、農家さんが自分の育てた青果物を「直売」する場として、生産者組合のようなものから誕生したと聞きます。(どこが”日本初”が調べたけど正式には出てきませんでした)多分、1990年代頃から始まったものかと。情報曖昧ですがご容赦ください。。
今では至極当たり前のようにも思えますが、「市場」や「農協」を頼らずに自分たちで農産物を販売するというスタイルは当時の日本では”超”がつくほど斬新で画期的だったはずです。
しかも当時(当初)は生産者同士で当番制にして、店番も回していくというスタイルが主流だったそうで。生産者が、流通を省略して販売(小売)までやるわけですから、ある意味”二刀流”です。
そして全国各地でその動きは拡がり、磨かれ、
しだいに店舗の管理運営(つまりは小売業としての業務)などは生産者の手から離れ、商品の取り扱いも農産物に限らず地元の業者が製造する惣菜・調味料・肉・豆腐・花・パン・菓子・酒…etc に拡充されていき、今の姿になりました。
各地JAが主体となった産直が大半を占めていますが、僕らのような個人経営の産直も小規模なものから大規模なものまであります。
(ちなみに過去のデータでは、平成21年の時点で全国に約15,000店とかあったそうです。農水省調べ。)
「産直」の販売形態(ビジネスモデル)も多様化。
あと、ちょっと販売形態の話もしておきます。
「産直」では基本的に「委託販売」という販売形態を取ります。
○生産者 店舗に販売を委託する
○店舗 販売を行い、販売手数料をもらう
例えば、キャベツ農家さんの場合
キャベツを収穫→産直に配送→自分で価格設定&陳列
ここまでが農家さんの仕事。
そして僕ら店舗がお客さんに200円でキャベツを販売したとして、
仮に販売手数料が”20%”だとすると
200円のうち、
・農家さんの手取りが160円
・店舗は40円を販売手数料としていただく
大体、こんな感じになります。
「え、仕入れてないんだ?」とよくお客さんに驚かれますが、
今でも主流はこの「委託販売」。
店側は仕入れてないので、売れ残ってしまったら生産者さんが損をする形になっていますが、そのかわり価格も納品数も自由というメリットがあります。(これが契約とかになると大変なわけで小規模農家さんには負担になりますし、市場出荷も好きな時に好きなだけ持って行っても思うように収入は得られません。)
しかしながら、「委託販売」以外の選択肢もかなり増えてきた今日この頃。「産直」は全国各地に激増し、今ではスーパーの中にも「産直コーナー」なるものができたことで、競争は激化。
各店舗、あの手この手で「仕入販売」にしてみたり、店側が集荷に行ったり、野菜の袋詰めまでやったりして(他にもいろんな方法で)良い商品を集める努力(というか生産者の獲得競争)をしています。
ちなみにうちの店(喜多野安心市)では、
今年から自然食品を多く取り扱う大阪の問屋さんと契約を締結し、「地産地消」の考えから少し域を出て、全国各地のこだわりの食品や調味料を仕入れて販売するという決断をしました。
もう、半分「産直」とは呼べない店ですが、お客様は大変喜んでくださっていて。これからも新たな販売形態を模索していこうと、日々実験中です。
最後少し話が逸れてしまいましたが、、
そんなこんなで「産直」というものを僕なりにご紹介してみました。
今後、さらに話を広げて色んな角度から
「販売」「マーケティング」「店舗運営」「マネジメント」などなど
僕の実体験を踏まえて記事にしてみたいと思います。
僕自身は「販売の代行」のみならず「販売支援」の立場で日々携わっていますので、もし販売に関してお悩みのある方がおられたらコメントなどお気軽にいただければ意見交換させていただきたいです。
長文になってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。ではまた次回。
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