手札を増やすことに専念した2021年~来季の切り札を蓄えるラスト3試合に~
第35節セレッソ大阪戦、終了のホイッスルが鳴った瞬間、勝利の歓喜というよりも安堵感を覚える柏レイソルサポーターが多かったのではないでしょうか。
ルヴァンカップ決勝での敗戦から始まった2021年は想像以上に苦しいシーズンとなりました。一時は降格圏に入ることもありながら、最終的には残り3節を残した段階で、残留を確定させることができ、僕自身もとても安心しました。
そんな2021年ですが、ポジティブなことを挙げるとするならば、タイトルにもあるとおり、山札からドローし続け、手持ちのカードを増やせたことに尽きるでしょう。シーズン途中に、3人のFWが退団するという未曾有の事態にも関わらず、年代別の代表にも召集された佐々木、細谷両選手のブレイクや、大南選手の右サイドバックコンバート、古賀選手のセンターバック起用、3バックと4バックの併用など、チームのバリエーションは昨年と比較しても大幅に増えていると言えます。
来季の監督、選手の去就は不透明な状態ですが、なんにせよ、こうしたチームとしての成長が見られたことはポジティブに受けとめられます。
今季の成績に関して、柏レイソルに関係する全員が満足していないことはわかりきっています。しかし、終わったことはもう変えられません。来季の躍進に向けて残り3戦で何ができるか、が重要です。そこで、本記事では残り3戦でやって欲しい3つのことを挙げたいと思います。
①若手選手の起用
今季最大のトピックスと言えば、佐々木選手、細谷選手のブレイクではないでしょうか。
佐々木雅人選手はルヴァンカップ浦和戦でデビューを飾り、広島戦では負けはしたものの、好セーブを披露し続け、サポーターの心をぐっとつかみました。守護神、神スンギュこと、キムスンギュ選手の目覚ましい活躍で、セカンドキーパーになってはいますが、佐々木選手も、もっと実戦経験を積ませても良いはずです。
写真提供:ゆっこさん @yukaringogo34
それから、力強いドリブルと途中出場からチームの流れを変えられるジョーカー的な細谷選手の活躍も柏サポにとっては心強かったはずです。ネルシーニョ監督は現在、細谷選手をスーパーサブ的な起用の仕方をしていますが、先発で起用するオプションもあってよいはずです。
写真提供:ゆまさん @37rey22
まだまだ若い才能が眠っています。ルヴァンカップでの出場が中心だった鵜木選手、大嶽選手、山田選手、田中隼人選手らに実戦経験を積んでもらい、結果を残してもらって、来季の切り札の準備を始めていきたいところです。
鵜木選手は主に左のウイングポジションを主戦場にするドリブラーですが、3バックを採用していた時期はチームの中に適正ポジションがなく、なかなか難しい時期を過ごしていました。現在の4-4-2であれば、左のサイドハーフとしての出場を狙えると思います。
既に残留を確定させている状況で、試合経験を積ませるとともに、来季の切り札的存在に名乗りを上げて欲しいところです。
写真提供:ゆまさん @37rey22
大嶽選手は今季のルヴァンカップで積極的に起用されていた左サイドバックの選手です。現状、本職と呼べる左サイドバックは三丸選手しかおらず、若干、負担がかかっていることも事実です。三丸選手を休ませるという意味でも、来季のポジション争いを激化させる意味でも、その姿をリーグ戦で見たいところです。
写真提供:ゆまさん @37rey22
山田選手はネルシーニョ監督から、「手元で育てる」という評価をもらい、レイソルアカデミー出身者らしいボールのさばきを武器に昨季からルヴァンカップなど柄出場機会をつかんでいました。トップチームでは二列目ではなく、ボランチやインサイドハーフとして見られているということで、激戦区で戦う一人です。アカデミーのポゼッションサッカーの系譜をトップチームでも発揮し、ビルドアップの拙さの改善に一役買ってくれるはずです。
写真提供:ゆまさん @37rey22
そして、来季からのトップチーム昇格が既に発表されている田中隼人選手は、今期のルヴァンカップでデビューを飾ると、古賀太陽選手の代わりを十分に果たせることを証明しました。レイソルの補強ポイントだった左利きのCBとして、その実力を見せてサポーターの信頼をつかみました。今季終盤での起用はまだ難しいかもしれませんが、来季からはいきなり主戦力として見られてもおかしくない選手の一人です。
写真提供:ゆっこさん @yukaringogo34
②4バックシステムの課題修正
ここ最近、4バックシステムを採用しており、セレッソ戦でようやく勝ち点3という結果を残すことができました。今季初めは4バックで入り、うまくいかなくなった段階で3バックに変えることで持ち直し、そして、この段階でもう一度4バックに戻してきました。
さすがはネルシーニョ監督と言ったところで、ビルドアップに問題を抱えていた前半戦からは修正を加え、ドイスボランチの片方をDFラインに下げて、可変3バックでビルドアップを行うことで、前半戦の課題を多少修正してきました。
3バックと4バックの二刀流ができるというのはチームにとって大きなことです。しかし、その可変4バックも安定した結果を残しているかというと、そうではありません。
新たにフォーメーションを試すよりも、残り3試合で4バックを継続し、その課題を洗い出し、また精度を高めていく必要があるでしょう。
③コンディション・連携の向上
今季もけが人に悩まされました。明確なアナウンスはありませんでしたが、ドッジ選手も怪我だったようですし、大谷選手に至っては、かなりの重症でした。
大谷選手、瀬川選手らは試合に出られる状態であるか微妙なところではありますが、前節出場していたドッジ選手は(信じられないことに)まだ本調子ではないそうで、残り3試合でコンディションを上げて欲しいと思います。また、上島選手も脳震盪からの復帰プロトコルを既に完了しており、SNSでは出る気満々でしたので、試合に出てもらいレイソルでの初ゴールにも期待したいところです。
怪我とは少し変わってきますが、今期加入の武藤選手、アンジェロッティ選手、エメルソンサントス選手なども試合の中で周囲との連携を深めて欲しいところではあります。
今季途中加入の武藤選手は質の高い動き出しと献身的な動きでチームのクオリティを一段階引き上げてくれましたが、まだレイソルでのゴールはありません。セレッソ戦でも惜しいシーンはあっただけに残り試合で決めてくれるような、そんな予感はします。
写真提供:ひろつさん @HRotsu_Tech
アンジェロッティ選手の起用法などもまだ最適解を見つけられていないような印象を受けます。競り合いに強いタイプというより、周囲と連携しながら、テクニックを見せていくタイプで、ボールが収まる選手との併用が必要ではないかと思っています。
エメルソンサントス選手は神戸戦で出色のパフォーマンスを披露して、サポーターからの評価をひっくり返してくれましたが、最近の試合では出番がありません。言葉の壁の面もありますし、レイソルの中での4バックの経験値を積んでおく必要は間違いなくあるでしょう。
写真提供:タイスケさん @g1200221
勝手にスタメン案を提示してみる
さて、ここまで残り3試合のポイントを書いてきました。予想するなら自由だろう!ということで、最後に自分なりのラスト3試合のスタメン案を提示したいと思います。
ネルシーニョ監督にもぜひパクって欲しいところです笑
まず、個人的に最も重要視したのは、疲労がたまっているであろう選手をメンバーから外すことです。古賀選手、三丸選手、キムスンギュ選手、大南選手などは継続的に出ており、疲労から怪我等の心配もされます。途中出場というのは十分に考えられるところですが、先発からは外した方が良いのではないかと思っています。
ここまでで言及しなかった選手で言うと、仲間選手と川口選手をスタメンに加えました。
川口選手は大南選手ほどのスピードとフィジカルはありませんが、サイドから”水を運べる選手”で、クロスとビルドアップの上手い技巧派サイドバックとして4バックで試してほしい選手です。今季の出場は多くありませんが、ビルドアップの問題を抱えるレイソルにとって、必要になるであろう選手の一人です。
写真提供:仁さん @reysol_world
仲間選手は32節の清水戦で戦線復帰を果たしました。徐々に出場時間を増やしているところで、引き続き、起用して欲しいところです。今季は2ゴールのみと、仲間選手の実力から比べると物足りない結果となっています。ゴールやアシストなどの結果を残して、シーズン終盤を良いイメージを持ったまま終えて欲しいです。
写真提供:Reyさん @rey24x1000
出場可能であれば、瀬川選手や、大谷選手、イッペイ選手などもベンチから起用して欲しいですね。
クリスティアーノ選手や、神谷選手、サヴィオ選手など、現在、主力のアタッカー陣はスーパーサブ的役割を期待しつつ、ひとまず来季に向けて怪我のリスクを回避することを優先しても良いと思っています。
本来であれば、田中隼人選手も加える予定でしたが、ユースでの活動もあり、本格起用は来季からなのでは?という結論に至り、いったん保留とさせていただきました。
さて、いかがだったでしょうか。思いがあふれて非常にボリューミーな記事になってしまいました。笑
とりあえず、今季は残留を確定させ、来季もJ1で戦えることになりました。来季は、最低でも今季より良い成績で、そしてタイトル獲得も狙っていきたいところです。今年の頭のルヴァンカップでの悔しい記憶も新しいですが、再びあの舞台に立って、今度は勝利で飾れるよう、残り3試合で来季に向けて希望を持てる要素を少しでも増やしてほしいです!
本記事より、Twiterで募集した選手写真を使わせていただいております。特に謝礼等あるわけではありませんが、ご協力いただける方は私のTwitterアカウントまでご連絡をよろしくお願い致します。最後になりますが、写真を使わせていただいた方、ありがとうございました!
また、次回の記事でお会いしましょう!!!
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