僕と夏と将棋とおじいちゃんと
”近所にいる将棋が強いおじいちゃん”というものに恵まれなかった小学校の頃の僕は、父親に車で送迎してもらい、隣の市の将棋教室に足繫く通っていた。同年代の子と将棋の腕を競うのはとても楽しかった。そんな僕に、初めて”近所にいる将棋が強いおじいちゃん”が現れた。もっとも僕の家の近所ではなく、祖母の家の近所だったが。僕が将棋にはまっているという話を聞きつけた僕の祖母がたまたま将棋ができる人物を見つけたようだ。それが祖母の家のすぐ隣に住むおじいちゃんだった。生まれる前に実の祖父が亡くなっ