【浅草】コニャックの伝道師に逢おう バー探訪記 BAR DORAS 20230624
名古屋に住む私の尊敬する先輩が東京にいらっしゃるということで一緒にバーに行くことにしました。
この先輩がいらっしゃらなければ私はこんなにバーにはハマっていなかったでしょう笑
それくらいつながりの深い方です。
浅草付近にお泊りになられるということもあり、ピンときたバーが一軒。
バー好きな先輩であれば喜んでくれるのではないかと思いチョイスしました。
そのバーは浅草は浅草でも観光客の方は訪れることが少ないであろう花川戸エリアにあります。
(隅田公園の近くなのでもしかすると見たことがある人もいるかも?)
BAR DORASについて
隅田公園沿いの青い扉が目印。
「DORAS」とはゲール語で「扉」を意味しており、多くのお客様をヨーロッパへの旅へいざなっています。
オーナーバーテンダーの中森 保貴さん(以下、中森さん)は日本で一番コニャックに詳しいバーテンダーと言っても過言ではない逸材。
自ら現地に行って買い付けを行っており、ここでしか飲めないボトルを求めていらっしゃるお客様もたくさんいらっしゃいます。
DORASにはヨーロッパのお酒にしか置いてありません。ですので、バーボンを楽しみたい方やジャパニーズウイスキーがお好きな方には不向きなお店です。
しかし、ぜひとも一度はDORASでヨーロッパの風を味わっていただきたい!
バーボンやジャパニーズウイスキーしか飲まないとかはもったいないです。
ウイスキーもいいですがやはり個人的なおすすめはコニャック。提供してくださるコニャックの詳細はもちろん飲み方に至るまですべて中森さんが丁寧に教えてくださいます。
正しい飲み方をすればコニャックは本当においしい。
私もここでコニャックのすばらしさを知ることができました。
ちなみに中森さんは「旅するバーテンダー」としても有名。
中森さんが執筆した書籍を読んでDORASに訪れる方もいらっしゃるとのこと。(Amazonでも購入できます!)
お店でも購入することができるので、コニャックの魅力に気づいてからこちらの書籍を購入するのもありかなと思います。(私は買いました笑)
本日のコニャック2種
DORASに行くといつも中森さんに何杯、何を飲みたいかを伝え、あとはおまかせにしています。
それくらい信頼のおけるバーテンダーです。
今回はコニャック2種とカクテル1種をいただくことに。
先輩も同じ構成でいくことにしました。
「どれくらいコニャックを飲まれているか確認をさせてください。ポールジローは飲んだことありますか?」
中森さんはコニャックは順を追ってじゃないと楽しめないと考えている方です。
お客様とのコミュニケーションをしっかりされています。
私は何度かDORASに訪れていることもあり、今回はファン・ボア地方のコニャックをいただくことに。
これまではグランドシャンパーニュ地方のコニャックをいただいていました。
こちらが一番スタンダードで、コニャックの魅力が分かりやすいと言われています。
コニャック飲みはここから。先輩にはグランドシャンパーニュ地方のコニャックが提供されていました。
一方、ファン・ボア地方はグランドシャンパーニュに比べて熟成年数が若いコニャックが多く、香りの開き方が異なります。
「かわいさんは結構数飲んできていますからね。今日はちょっと違ったものを提供させていただきます。」
中森さんにそう言っていただけてとてもうれしかったです。
2種類いただいたうち写真を撮り忘れてしまった2つ目のコニャックが個人的には気に入りました。
アルコール度数が高くより旨みを感じやすいものでした。
DORASにはここでしか味わうことのできないコニャックがたくさんあります。
本当に特別な体験ができる空間が広がっています。
だからこそお酒に真摯に向き合える状態でなければならない。
正直、ちょっとお酒が好きくらいの生半可な気持ちで行くバーではないと私は思っています。
コンディションをしっかり整えた時にいただくコニャックは本当に最高なのでぜひ皆さんにも極上の体験をしていただきたいです。
黒糖を使った生チョコレート
今回は黒糖を使った生チョコレートの話を中森さんとさせていただきました。
実は以前DORASを訪れた際に中森さんに種子島で私が購入してきた沖ヶ浜田の黒糖をお土産でお渡ししていました。
種子島というと皆さんどうでしょう?やはり宇宙センターや鉄砲伝来の地というイメージが強いでしょうか?
黒糖と言うと奄美や沖縄の印象が強いかもしれませんが、実は種子島も黒糖の一大産地なんです。
りんかけ堂の衛星りんかけも種子島のお土産の定番商品として有名です。
3000円のふるさと納税で返礼品としていただくことができるプランもあるようなのでぜひ皆さんも試してみてください!
少し脱線しましたが、種子島の黒糖の中でも沖ヶ浜田の黒糖はレベルが違うんです!
三段登窯で加熱する伝統的な製法で作られる黒糖は数少なく、種子島島内ではこの沖ヶ浜田集落でしか作られていない品種のサトウキビを少し混ぜることで独特のコクと深み、そして絶妙な甘みの黒糖が完成させています。
このまま食べてもめちゃくちゃおいしい!!特に夏の暑い時期はミネラル補給にもなるので熱中症対策にもなっていいですね。
詳細はぜひこちらをご覧ください!
中森さんはこの沖ヶ浜田の黒糖を用いて生チョコレートを作っていました。
大きな黒糖の塊をつぶし、コニャックとブルターニュ塩を混ぜて完成させる生チョコレートは甘シャリ感が残る逸品です!
BAR DORASのブログにも取り上げていただいたので、ぜひこちらもお読みいただきたく思います。(黒糖の塊見るとびっくりすると思います笑)
今回特別にこちらの生チョコレートをいただくことができました!(もうなくなる寸前だったようですw)
これがマジでうまい…黒糖の旨みがしっかり残りつつも程よい塩味やコニャックの華やかさも感じるすばらしい生チョコレートだったのです。
これが食べれたのは本当に幸せでした。
ところで、そもそもなぜこの黒糖を使った生チョコレートの話になったかというと、実は今回一緒にDORASを訪れた先輩との出会いは種子島だったのです笑
先輩は長らく種子島にお住まいで、この沖ヶ浜田の黒糖の魅力を広める活動も行っている方です。
今回、中森さんにこのような形で黒糖を使っていただき、またひとつ沖ヶ浜田の黒糖のすごみを開拓できたという意味で、とても意義深いものになったなと感じています。
また、それを沖ヶ浜田の黒糖の魅力を広める活動も行っている方にも知っていただけた。
バーと通じて皆が新たな世界を知る交差点に自分がいるような気分になれてとても楽しかったです。
黒糖を使ったカクテル!
「せっかくなので…」
中森さんに黒糖を使ったカクテルを締めに作っていただくことになりました!
今回は卵黄を使ったフリップスタイルのカクテルにしていただきました。
卵黄には疲労回復効果もあるようで締めにはぴったりとのこと。
この時点で0時半は回っていたと思います。隣にいたお客様が、
「中森さんがこの時間から卵黄を使うってことはかなり気合が入ったカクテルですよ笑」
と笑みを浮かべながらおっしゃってくださいました。
ベースはラム。それもフランス語圏のラムです。
Rumのスペルはスペイン語圏だとHが入らないのですが、フランス語圏だとHが入り、「Rhum」になります。
こちらのRhum J.Mのホワイトをベースにしてくださいました。
(ネットではゴールドしか見つからないんですよね。ホワイトで驚くほどおいしかったのでゴールドであれば、、やばそうです笑)
スペイン語圏のラムとはまた違った少し落ち着いた印象がフランス語圏のラムにはあります。
ラムと卵黄とそして黒糖を加え華麗にシェイク。
完成したカクテルがこちらです!
まずいはずがない。。。本当に感動の一杯でした!
ラムのサトウキビ感と黒糖がマッチしているし、そこに卵黄が入ることでのおもしろさ。これまでに体験したことのないすばらしいお味です。
最後まで少し残してた中森さん特製の生チョコレートとの相性もばっちり!
こういったおいしいカクテルを飲むために自分はバーに通っているんだなと改めて感じました。
本当に感動!中森さんの技術とお酒への探求心には脱帽です。
まとめ
もう1時は軽く回っていたと思います。
いつもDORASに行くと不思議とこれくらいの時間になってしまいます笑
店内に流れるオペラが深夜のかわいを優しく包む。
お会計をいただきました。
ひとり約9000円です。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思います。
いただいたドリンクは3杯。高いと思う人がいても不思議ではありません。
しかし、本当に貴重でボトル1本買おうと思うと5万弱するようなコニャックも中森さんのお店では気軽に楽しむことができます。
(そもそも小売に回っていないボトルもたくさんあるんですよね…)
そういった貴重なコニャックを楽しむことができる、かつ最高のカクテルを中森さんに作っていただけることを考慮すれば、私は決してこの値段は高くはないと思います。
退店後、先輩も一言。
「いやあ、すごいバーでしたね。」
先輩にそう言っていただけて、かわいめちゃくちゃうれしかったです笑
誰かに紹介をして喜んでいただけるって本当に幸せな経験ですよね。
DORASを出ると東京スカイツリーが目の前に見えます。
このスカイツリーを見ながらDORASを離れていく帰り道も大好きです。
ヨーロッパにつながる扉は浅草にある。
皆さんもコニャックの伝道師に逢いに行ってみてはいかがでしょうか。