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まだ見ぬ故郷へ

寒暖差のはね返る1日が終わり、
日が暮れていた。

西へ目をやると鮮やかで温かいグラデーションが、今日もその土地に眠り、生を営む者達を祝福するようにゆっくりと陽を連れていく様を再び眺めていた。

2022年11月5日
ぼくは美作市で開催されるウンカイナチュラルキャンプに真舟とわwithヒュードロドンとして参加するため、故郷の岡山は大芦高原に辿り着いた。

故郷といってもイベントの名を聞くのもはじめて、美作市が岡山の何処かも知らず、旅路が進んでいた。

目的地に着くと自然の空間に広がる音響と心地よくキャンパーによってクラフトされた森林、そこへゆったりと佇むように屋台が建ち並んでいた。

空気を吸って【念願のビール】を求め活気に溶け込んでゆく

『おつかれっす!乾杯!』

思えば長い道のりであった。

以前の自分にこのようなご褒美のような時間が来ることを教えてあげたかったくらいに、僕の心は踊り、喜び、哀愁を受けとめた。

歓喜の美酒を胃に染み込ませ、焚き火台にまっかな熱が入る頃、ふと西の空を眺める。

「あぁ、知っているなぁ。」

その景色は産まれた地でしかみられないとばかり思っていた、しかし視界に広がるのは、あの頃のまま。

僕らはありあまる時間を団欒に注ぎ込み、また次の旅へ向かう準備をはじめた。

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