おもたい荷物
ふと気付く
僕は関東に行く時よりおもい荷物を背負っている。
5枚のシンバル、スネアドラム、キックペダル、誰にも負けない最強の自分らしい服。
「売れよう」というなんの脈絡もない若気の勢いさえも、重たいと思っていた上記の荷物から増えることなんてないと思ってた。
いまはそこに12リットル入るカレー鍋とその半分くらいの量の食材にキッチン用具、更に苦手な金勘定、普段使わない気づかい、それなりのこだわり、と持っていくものを数えるだけで、大変なことを好きこのんでやっているわけです。
これだけの量のパートナーを自宅から三ノ宮に運ぶだけで、人様が店をわざわざ持つ理由がわかった気さえする…
でもこの『おもみ』には素敵なお返しがある。
それは
わざわざ初対面の『顔の濃いカレー売り』に『美味しい』と言ってくれることだったり、それぞれの音の奏でられる空間で、まるで観客の最前線では出会えない『チルスポット』で音を嗜み、玉ねぎを焼いたりすることだ。
僕は好きな道を進み生きた。その先で、贅沢にも、もっと好きにやりたいらしい。
自ら増やしたこの荷物でどれだけの新しい世界を体験するんだろう…
これから先のカレー売りとしての人生に想い馳せながら、今日も重くて愉快な仲間達と一緒に家を飛び出し、帰って行くのでした。
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