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「日曜の夜ぐらいは…」第九話:大切な人を傷つけるのは許せない、守るために

サンデイズのオープンまで2週間ほど。4階にサチ(清野菜名)、若葉(生見愛瑠)、翔子(岸井ゆきの)、3階に市川みね(岡山天音)、1階に邦子(和久井映見)、富士子(宮本信子)が暮らし始めた。同じを暮らしを長年続け、視野の狭かった3人が違う暮らしを始めていた。

邦子がごめんねと言わなくなったことに、うれしそうな表情を見せるサチ。ごめんねと言いたくなる邦子の気持ちはわかるけど、何も悪くないんだから謝らないでほしい。そんな感情が現れた表情を見せながら家を出ていた第1話のサチを見ていたから、なんだか嬉しくなってしまう。みねを含めて朝ごはんを食べる若葉と翔子。幸せそうな雰囲気がありありと伝わってくる。

友情や家族の枠には収まらない関係が6人には気づかれ始めていることがわかる。今まで満たされない生活をおくっていたから、1人で抱え込まなくていいことがうれしい。身を寄せ合える相手がいることがうれしい。ちゃんとお互いを大切にしたい、大切にしている。そんな意思が伝わる日常。第1話とは対極のような日常が丁寧に描かれている。

そんな日常に対するノイズとして、サチの父親・博嗣(尾美 としのり)が、サチたちが住む団地のそばをうろうろしていた。サチから3万円をせびっていたことを知った邦子は、富士子の後押しもあって博嗣に再会する。

博嗣に対してヘルパーのふりをした富士子。ヘルパーだと名乗る富士子への態度が横柄で、博嗣の人間性を感じる。そんな博嗣に、邦子と目線を合わせて会話をしてほしいという富士子。博嗣への怒りに震えながらもうまく表現できない邦子を勇気づける。

同じ目線に並んだ博嗣の横っ面を引っ叩く富士子。懸命に生きてきたサチに金をたかる博嗣のことなんてどうしたって許せない。第9話まで、サチの父親の存在は、視聴者にとってもしこりの一つだっただろう。邦子がこれ以上ない怒りをぶつけてくれて非常にすっきりするシーンだった。

一方、サチと若葉、翔子、みねは翔子の誕生日をサプライズで祝っていた。少しずつ開店準備が進むサンデイズで、みねは3人の中にある心のしこりをちょっとずつほぐしていく。

サチは父親がたかりにくるんじゃないか、若葉は母親がお金をとりにくるんじゃないか、どこかで心配している。この幸せを脅かすんじゃないかずっと心配だった。翔子も自分が加害者なんじゃないか、幸せになってはいけないのではと思っている。3人の事情や歴史を踏まえた上で、この幸せを脅かす人を敵とみなす。ずっと味方だ。

第9話は、みねが語るこのシーンに全て詰まっていた。ずっと不安だった思いを掬い上げてくれる仲間がいる。安心できる。改めて3人には、何も恐れずに幸せな方へ歩いてほしい。


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ふるさわりょうこ
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