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肥満論:序文

ダイエット・ジレンマ、ダイエットする程太る理由。
1) 肥満の原因は約7割が生来の遺伝であるのが定説。ところがその肥満者を自己管理のできない怠け者だ云々と馬鹿にするのは、黒人を肌が黒いと蔑視するのと同様に社会的差別。確かに不健康な肥満は改善しなければならないけれど、それ以外で肥満者が不利益を蒙るのは概して社会的差別が存在するから。つまり太っていること自体が悪いのではなく、太っていることを醜いと感じ蔑視する社会的価値観こそが問題なのです。この社会的偏見があるから逆に健康を害してまでも痩せることに血眼になる愚かな女性が増加し、まんまとエステを太らせている!

2) 食糧の豊富な森での生存競争に破れたにしろ、好奇心からにしろ、いずれにしても森から離れ草原に出たサルがヒトへと進化し飢餓を克服して生存を維持することができたのは、余分なエネルギーが生じたならすかさずそれを体脂肪として体に蓄えるという優れた能力、すなわち「太る」という能力を身につけることができたからであり、その体脂肪の備蓄があることによってヒトの活動範囲は拡がったのであった。

だからこそ脂肪は、たんぱく質や炭水化物と並びヒトの生存にとっては欠かすことのできない三大栄養素の一つなのであり、ヒトとして生きている限り、「太る」ということは全く自然な生理現象であり、むしろ痩せるということは生存を否定する不自然なことであると言うことができる。

3) もっぱら体重を減らすことを目的になされるような勘違い‘ダイエット’の一環として、食物を摂取しないようなことをして自らを‘飢餓’状態に追い込めば追い込む程、ヒトは却って太ろうとするのであり、そのような間違った‘ダイエット’をすればする程、太る体質を形成しているのだということを認識すべきである。

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