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松濤美術館「須田悦弘」展を見てきた

SNS の広告で見かけておもしろそうだったので行ってきた。
展示の仕方もよかったし、作品もすごかったし、見られてよかった。

展示

小さな作品が、景色に溶け込むようにそこここに飾られていた。
展示マップを見ながらじゃないと、見落としてしまいそうだった。
これは、すてきな手書きフォントの注意書き。

館内の案内

どうやって作ったのか、どうやって持ち運んだりするのだろうかと不思議なくらいに、薄かったり細かったり細かい造形だった。
この近くにあった『朝顔』も、あの薄い葉っぱや花びら、細い蔓まで作り込まれていた。

《木蓮》

今回は特にその場所にあわせた展示となっていて、いつもそこにあるかのような気持ちになった。植物がそんなところに生えてるはずもないのに。
展示ケースの隅や壁と床の境目から、自然と雑草が出てきてしまったかのようだった。
作品マップにあるから作品だとわかるけど、そうじゃなければただの雑草だと見過ごしてしまったに違いない。

壁の隙間に生える《ドクダミ》
コンセントカバーに生える《雑草》
コインロッカーに飾られる《枝》

古美術の修繕も、どこがあとから作られた部分なのか分からないくらいに溶け込ませていた。あえて修繕箇所がわかるように直すこともあるだろうけど、あそこまで馴染ませて直せるのなら、もうそれは直してるのではなくて本物だ。時が経って木にスが入ったようなあの感じすらも再現させているのだろうか。

《随身坐像》手と弓が須田氏の補作

建物の外でも、そっと作品が展示されていた。
知らなければ本当にあるとは分からないくらいに、そっと作品があった。
作品マップを持たずに、人が少ないときに探して歩き回っても楽しかったろうなと思う。

おわりに

建物もすてきだった。
真ん中に噴水のある池があって、1階から渡り廊下にも出れる。

階段の螺旋

"松濤" という地区は、高級住宅街らしく高そうな大きい家がたくさん並んでいて、内心そわそわしながら歩いた。
街並みも建物もすてきだった。

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