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第8回 敬相 東京営業本部のチームビルディング論 『 一丸となって、それぞれを助け合い、伸ばし合う』
みなさん、インフルエンザの予防接種はされましたか? 私、いまだに注射が苦手なのですが、今年はがんばって行ってきました。あ、こんにちは!(株)敬相 広報の寺門です。
私ども敬相(本社:東京 港区 芝)は、「電気通信事業」の工事に従事される企業様に対して、必要な備品や商品を迅速にお届けすることを主な事業としていることは、たびたび触れてきました。そして、これまでのnoteでは、福岡、大阪、名古屋、営業所の各責任者にお話を伺い、敬相が新たに導入をスタートした働き方、「チーム制」の成果や課題について紹介してきました。
取材で感じたのは、ひとつとして同じカラーのチームはないということ。各営業所のリーダーだけでなく社員(=メンバー)一人ひとりが、少しずつ、でも着実に、「チーム制」の本来の意図を理解し、仲間を思いやりながら、主体的に働いている現状を目の当たりにしました。
今回ご紹介するのは東京・港区 芝にある営業本部。お話を伺ったのは、営業本部・課長の久保田 春見(くぼた はるみ/写真左)さん、そして係長の志田 亮輔(しだ りょうすけ/写真右)さんのお二人です。業務量の多さゆえの悩みや、それを乗り越えるための工夫、そしてチーム制導入後の変化などを話してくださいました。
規模も量もケタ違い。 東京ならではの、葛藤と工夫
ーー 久保田さん、志田さん。まずは営業本部の紹介をお願いします。
久保田: 「電気通信事業」の工事を行う企業様様に対して、必要な商品をお届けするのは他の営業所と同じです。私どもはおもに東京、神奈川、千葉の3エリアをカバーしています。
志田:営業本部は総勢11名※おり、私がチームリーダーを務める4人編成のチーム「H-2」と、同じく5人編成の「H-3」。さらに久保田課長が動かしている「H-1」の全3チームです。(※2020年11月現在。チームに未所属の新人メンバー1名在籍)
久保田:「H-2」「H-3」の日々の動向や数字的な部分は私がチェックしています。
ーー 他の営業所と比較して、東京、神奈川、千葉とカバーするエリアとしてはコンパクトな印象です。それに社員数も多めですね。
久保田:私は東京に来る前は、仙台支店に勤務していました。地方と比較しても東京は、1件あたりの受注規模や予算など、どれをとってもケタ違いに大きいです。勉強になりますし得るものも多いです。
経済の中心地で通信という重要なインフラを担っているわけですからね。ただ、そのぶん業務量は膨大……。日々、みんな忙しく動き回っているんです。とくにこの年末にかけては、毎年大変ですね(笑)。
ーー お取引するお客様や予算も多い分、競合となる企業さんも多いかと思うのですが、敬相を選んでいただくために、工夫されていることはありますか?
久保田:敬相ならではの付加価値をご提供できるようにつねに気配りを大切にしています。私たちの仕事は、お客様から注文をいただき、商品を用意し、決められた日時までに間違いなく商品をお届けすること。
いたってシンプル。でもだからこそ、ふだんの仕事を普通にやっていては「ありがとう」に出逢う機会はなかなかありません。そこで工夫が必要になってきます。
ーー 櫛田代表がつねに発している「ありがとうに出逢うために、心を動かす」ですね。具体的にどんな工夫をされているのでしょうか?
久保田: 例えば注文書が届いた時。経験を積むと、長年お取引のあるお客様の場合、注文内容を見ただけで「あれ、この工事のこの工程で、次に必要なのはこの部材ではないはず。なぜこの型番なんだろう?」と、些細な違和感に気づけるようになります。そして「おかしいな?」と感じたらスルーせずに、すぐにお客様に確認するようにします。
するとお客様から「間違えて注文していました。事前に教えていただけて助かりました。ありがとうございます!」と、本当の意味で「ありがとう」と言っていただけるんです。もちろん先方のミスではなく、こちらの取り越し苦労だった場合でも「敬相さんってそんなことにも気づいてくれるんだ」と良い印象を与えられるのかなと感じています。
注文通りに仕事をするのは、プロであれば当たり前。お客様の満足度をどうしたら100%以上に高められるのか?それを考えるのが大切ですし、そのためには「気づく力」が必要になります。
ーー 先回りして、お客様の仕事をサポートすると……。
久保田:まさにその通りです。工事内容や必要な商材を、私どもが正確に把握していることは、お客様にとっても大きな安心感につながりますよね。
もちろんまだ経験の浅いスタッフが、いきなり私や志田のようにできるとは考えてないですよ。そして、こればかりは手取り足取り教えたからといってできるようになるスキルでもないと思っています。
「先輩の背中を見て覚えて」と言うと、なんだか古臭いと思われるかもしれません。でもお客様が心から感動して「ありがとう」と言ってくださる瞬間って、マニュアルには無いことを提供した時の方が、多いような気がしているんです。
ーー なるほど……。それは若いスタッフやこれから敬相に入ってこられる新人の方には、目から鱗かもしれませんね。
久保田:若い方は、ちょっと非効率だと感じるかもしれません(笑)。でも先輩のお客様との接し方、仕事ぶりを観察して「自分ならどうするだろう?」とつねに考えるクセをつけるだけで、成長のスピードは格段に上がると思います。
志田:気配りを育むという点でいうと、昨年から新たに導入された「チーム制」がかなり貢献していると思います。
ーー 志田さん、どういうことでしょうか?
志田:個々人の売上ではなく、チームでの達成度が重視されるようになったため、みんなが自ずと、メンバーをサポートしようという意識で考え、行動できるようになっているのかなと。
だから、社内で交わされる「ありがとう」の数が目に見えて増えているんですよ。しかも、敬相の理念だから「ありがとうって言わなきゃ!」「ありがとうって言ってよ!」ではないんです。みんな当たり前のように言っています(笑)。
久保田:今、志田が言ってくれた変化は私も感じています。敬相のメンバー同士で気遣いの心が生まれているため、先ほど申した「お客様に対しての一歩先のサポート」も、いずれもっと自然にできるようになると思って見ています。
気軽に発言しやすい空気感をつくっていく
ーー 少し気になったのですが、昨年の「チーム制」導入時から、すぐにそういった良い変化が起こったのですか?
志田:まず、私の場合ですが、学生時代からずっとサッカーをしたので、「チーム」で何かを成し遂げる喜びや難しさは知っていました。だから、その頃の経験も思い出しながら、意識と行動を少しずつ変化させていったように思います。とはいえ「個人の売上だけを考える」から「チームで達成していく」にチェンジさせていくのは大変でしたね。
あと、僕より若いメンバー達は、当初、心のどこかで「会社に対して、私が何か発言したところで、何も変わらない。意味がない」という固定概念があるように感じていました。
確かに、トップダウンでずっと動いてきてしまった組織だったので、若いメンバーが、そういったネガティブな感情を持ってしまったのは仕方がないことなのかなと……。でも、せっかくチーム制になったんだからその部分はなんとかしたいと考えました。
久保田:そういったことに関しては、志田やもう一人のチームリーダーが本当によくやってくれていて、頭が下がりますね。
ーー 若いメンバーに対して、志田さんはどういった働きかけをされていったのですか?
志田:主体的に発言したり、行動したりすることで、会社が変わっていくという事実を実体験を通して知ってほしい。そう考え、小さな取組みから始めていったんです。
例えば、打合せスペースであらたまって打ち合わせをするとメンバー同士でも少し緊張しちゃいますよね。なかなか発言ができなかったり、何か思いついても「こんなアイデアは言うほどでもないかな」「否定されたら嫌だな」などと消極的になってしまいます。
その点を踏まえ、チームメンバー専用のLINEグループを作成しました。雑談レベルで構わないので、誰もが、気軽に意見を発信できる「場」というか、「空気感」をつくりたかったんですよね。
また、普段はそれぞれがたくさんの業務を抱えているので、休憩や移動時間など、スキマ時間にそれぞれのタイミングでアイデアを発信できるのが、良いですね。全員参加のミーティングとなると、スケジュール調整や時間的な制約も出てきてしまいますから。
ーー 仕事量が多い東京ならではの工夫かもしれませんね。
志田:今では、チーム全員が意見を発信する習慣を身につけています。つい先日も、ふだん使っている「注文書のテンプレート」を、より使いやすく作り直してくれたメンバーがいたんです。その出来栄えが素晴らしかったので、私たちのチームだけで使用するのはもったいないと思い、敬相全体に共有して、社内の誰もが使えるようにしたんです。
久保田:そのメンバーからしてみたら「自分も含めメンバーの業務がもっと楽になればいいな」という心遣いですよね。小さな行動だったかもしれませんが、志田がそのメンバーの想いを汲み取り、社全体に共有してくれたことも嬉しかったです。
メンバーを信頼して、リーダーは見守り役に徹する
ーー それはすごい変化ですね。他にリーダーとして意識されていることはありますか?
志田:いえいえ、逆に、私たちリーダーの方が助けられてばかりなんですよ。若いメンバーは、みんな情報感度が高いし、頭も柔らかいです。私が思いつかないような意見もたくさん出してくれます。
最近では、メンバーがアイデアを出してくれて敬相の広報グッズが完成したんですよ。クリアファイルで、デザインもそのメンバーが考案したオリジナルですよ。
ーー お客様が来訪された際にお渡しすると、使い勝手も良いので、喜んでくださっていますよ。あとこのクリアファイル、私も愛用しています(笑)。久保田さん、若いメンバーが積極的に動かれている今の現状をどう捉えていますか?
久保田:先ほど志田が「みんなが発言しやすい空気づくりを」と言っていましたが、本当にそれが実現しているので、驚いているんです。
そして私が今、売上を中心とした営業本部 全体の舵取りに集中できているのは、積極的に仕事に取組んでくれる、みんながいるからできているんです。だからこれからも見守り役に徹したいですし、どんどん自由にやってほしいですね。
ただ挑戦には失敗がつきもの。たまには臆して行動できなくなってしまうこともあると思います。そういった時は頼ってほしいですね。責任を取るためにリーダーがいますから。
ーー ここ東京でも「脱・トップダウン」は着々と進んでいるんですね。
久保田:意識、行動が変わり、良い意味で「チーム制」にみんなが馴染んできているのかなと。チーム力が上がったので、それを数字としてより還元していかなきゃいけないと考えています。既存のお客様を大切にしながらも新しいお取引先の開拓にも注力していくことが今後の目標ですね。
志田:先日、みんなで雑談していたときに、自然な流れで「自分の家族や友だちに自慢できる会社にしたいんです」とあるメンバーが何気なく言ったんですよ。すごくないですか? 一人ひとりが敬相という会社に興味を持ち、もっとこの会社を良くしたいと考えている。それが本当に嬉しかったんですよね。
「チーム力」をフルに活かして、より良い組織へ
ーー それでは最後に。チームビルディングをより浸透させていくために、社全体のスローガン『バトンリレー』が策定され、これまで取材させていただいた営業所の皆さんにも、オリジナルのスローガンを考えていただきました。東京 営業本部のスローガンを掲げるとしたら、どんなものでしょうか?
志田:【 一丸となって、それぞれを助け合い、伸ばし合う 】ですかね。
久保田:とても良いですね。
志田:自分一人で完結する仕事は無いなと、チーム制になってから改めて痛感しています。サポートしてくれるメンバーがいて、久保田課長がいて。チーム外でも、配送をお手伝いしてくれる方々、ドライバーさん。そして、総務・経理、企画開発部、商品管理センターのみなさんがいてと、敬相の中だけでもたくさんの人に助けられながら、仕事ができているんです。
そして、その延長線上にお客様がいる。そう考えると、お客様に対してのサポートやフォローの仕方など、色々見えてくる部分も多くて。決して、一人で働いているのではなく、同じ目的を持った仲間と働いているんだという意識をつねに持つことで、独りよがりにならずに、より質の高い満足度をお客様に提供できるのかなと、最近、考えているんですよね。
久保田:少し別の視点からもお話させてください。東京はお取引するお客様が多いために、例えば、体調不良でお休みするメンバーが出てしまうと、それだけで大変だったんです。
それがチーム制の導入によって、誰が何をやっているかの透明性が高まったため、お互いをフォローしやすくなっているように感じます。「休みやすい環境」を作ることは、私のような責任ある立場にいる人間にとっては重要な課題だと感じています。当たり前ではあるのですが、これからも働きやすくて、休みやすい環境を整えていきたいですね。
日々、心身ともに健康でいられれば、心に余裕が生まれ、前向きになり、働くことももっと楽しくなるはず。そうするとその健全な気持ちから自然とメンバーやお客様に対して、「気遣いの行動」ができるようになると思うんですよね。
【広報部 後記】
東京 営業本部 久保田課長と志田係長にお話を伺って感じたのは、一歩引いて成長を見守る、あたたかなリーダーの姿でした。
若いメンバーからのアイデアを大切にして、実現に向けて背中をさりげなく押してくれる。お二人の人柄も、部署全体の雰囲気作りに良い影響を与えているんでしょうね。
さて次回は、東京本社に新設された「企画開発部 企画・マーケティング課」の方にお話をお聞きしてきます。敬相の中でも少し毛色の違う部署で働くメンバーとは!?ベールに包まれた全貌を紹介します!見逃せませんよ。