第12回 敬相 仙台支店のチームビルディング論 『 思いやりの心で、なにごとも誠実、丁寧に 』
みなさんこんにちは、(株)敬相 広報の寺門です。これまでお届けしてきた各営業所・部署の紹介も今回でついにラスト!ラストを飾るのは東北地方を担う「仙台支店」です。
ご登場いただくのは、支店長の山口 武(写真右)さん、そして営業係長の堀江 敬志(写真左)さんのおふたり。ここ仙台支店では、どのような「チーム」が生まれているのでしょうか。たっぷりとお話を伺ってきました。
“営業所”ではなく”支店”。呼称の秘密は仙台支店、独自の事業内容に
ーー 山口さん、堀江さん、よろしくお願いします。これまで各地の営業所に取材をしてきたのですが、そもそも仙台は“営業所”ではなく”支店”なんですよね?
堀江:そうなんです。あえて支店と掲げているのは、仙台支店では卸業も担っているからなんです。もうすでにご存知かと思いますが、敬相では主に「電気通信事業の工事」を行う企業様を相手に、そのお客様が必要な部品や備品、道具をお届けしています。
ただ卸業においては「電気通信事業の工事」の企業様だけでなく、さまざまな業界・業種の企業様を対象に機械工具類の商品を卸しています。
ーー 他の営業所とは、少し立ち位置が異なるということですね。取り扱っている商品の在庫管理・発送などはどうされているんですか?埼玉の商品管理センターに発注するのでしょうか
堀江:仙台支店では倉庫を有しているため、卸業務に関してはすべてこちらで管理しています。業務比率は卸が約15%、残りの85%はメインの「電気通信事業」のお客様といったところです。
「電気通信事業」のお客様は東北6県ですが、「卸業務」では東北に拠点を構える企業様だけでなく北関東や北陸地方にまで渡っており、広くお付き合いがあります。
ーー そんなに広域なんですね……。知らなかったです。敬相では全社をあげて、新規事業にも目を向けていこうとしていますが、仙台支店では具体的な取組みを行なっているのでしょうか?
山口:新しい業界・業種のお客様にもアプローチしていきたいという思いはもちろんあります。しかし、まだまだ現実的ではないというのが正直なところかもしれません。ただ、種を撒くような気持ちで、今、お付き合いのあるお客様に対して、少しでも敬相という企業に興味を持っていただくために「敬相オリジナル商品」のPR等は行うようにしています。
ーー いまお付き合いのあるお客様を大切にしながら、徐々に、というお考えなんですね。東北6県をカバーされているということですが、地域特有の商習慣を感じることはありますか?
堀江:私は東北生まれ・東北育ちなのですが、そんな私でも感じる「真面目」さがあると思います。一度、受注をいただくと、とても深く長いお付き合いを続けてくださるお客様が多いですね。
それにこの東北特有の気質は、うちのスタッフとの相性がいいと思います。うちのメンバーもみんな東北出身なので、お客様とのフィーリングが合うのでしょう。
山口:みんな誠実でとても真面目なんですよ。代表の櫛田さんには、冗談半分で「みんな元気ないなー!」と言われることもあるんですけどね(笑)。ただ、これも仙台支店良いところであり、個性として捉えています。
チーム制が引き出した、個々のポテンシャル
ーー みなさん誠実に取り組まれているんですね。一昨年にチーム制が導入されましたが、それによって変化はありましたか?
堀江:当初は心配していたんです。ただ実際にチーム制が導入されると、みんな自然に受け入れてくれて、業務効率も格段に上がったんですよ。長年、営業として個人プレーをしてきた私の方が戸惑っていたと思います……。
チーム制導入前から、仙台支店のメンバーはみんな主体的に業務に取組んでくれていたけれど、業務が縦割りになっていたことで、それがリーダーである私たちには、なかなか見えていなかったんだと思うんです。
ーー 毎日指導したり、細かくレクチャーしなくても、自然と「チーム」になっていったと。もともと個々が持っていたポテンシャルが発揮できていなかっただけなのかもしれませんね。ちなみに、チーム編成はどのようになっているのでしょうか?
山口:「S-1」と「S-2」の2チーム制です。私がリーダーを務める「S-1」は私を含めて営業が2名、そしてアシスタントスタッフが1名の計3名です。
堀江:私がリーダーを務める「S-2」は、営業2名、アシスタント3名の計5名のチームです。もちろんチーム制導入当初には、多少の混乱はありましたよ。営業とアシスタント、マンツーマンで仕事を進めていた時と比較すると、意思疎通の課題を感じることが多かったです。
ただ、同じ事務所で働いていれば、職場内で交わされている仕事上の雑談などが、自然と耳に入ってきますよね。そういった情報の断片に各々がより意識をむけるようになり、コミュニケーション面の問題は徐々にクリアになっていったような気がします。
ーー 各々が意識と行動を変えていったんですね。チーム制導入によって一番変化したことをあげるとしたらなんでしょうか?
堀江:具体的な成果としては、残業時間が大幅に減りました。以前は特定のメンバーに業務が集中してしまい、いつも決まったメンバーが残業しているという課題がありました。
しかし、チーム制によって、気軽に他のメンバーにサポートを頼めるようになったことで、みんなで手分けができるようになりました。加えて、体調不良などで欠勤したスタッフがいても、自然と周りがフォローに入るので、仕事を止めてしまう心配がなくなったんです。チームプレイによって、お客様にも安心していただける環境が整ったといいますか。
ーー「頼まれたからやる」ではなく「積極的にフォローする」という意識は素敵ですね。例えば、どんな場面で感じられますか?
山口:自分の担当外のお客様の連絡先ってすぐに出てこなことが多いと想うのですが、仙台支店の場合は、職場内をわざわざ聞いて周らなくても、「私、連絡先わかるので共有しますね!」と誰かしらがすすんで声を掛けてくれるんです。
メンバー 一人ひとりがつねに職場内の様子に気を配っていて、自分の担当外・業務外だったとしても、日頃の雑談の中から、キーワードをキャッチするようにしてくれているんだなと感じますね。
堀江:私自身も「自分じゃなければ出来ない」という思い込みを取り払うことで、業務全体がよりスムーズに動くようになりましたし、個々の能力の高さに気づかされています。そもそもみんな、私が考えていたよりもずっと高い能力を持ったスタッフだったんですよ。
今は、もっと仕事の幅を広げ、新しいことにも気軽にチャレンジできるような機会を作ることが、リーダーである私の責任だなと感じています。
”もっと良くしたい”というマインドを、みんなが持っている
ーー 山口さんは社歴も長いとお聞きしていますが、チーム制導入後、ご自身のスタイルに変化はありましたか?
山口:私は敬相に入社して約20年。なかなかの古株なんです。入社前はメーカーで営業マンとして働いていましたし、それなりに自分の中にセオリーみたいなものは持っていました。ただそんな私でも、今の「S-1」チームで一緒に働いている新人の営業メンバー 大山には、気づかされることが多々あるんですよね
ーー あれ?大山さんって女性の方ですよね。もしかして、女性の営業って、敬相としては初でしょうか?
山口:確かなことは言えませんが、そうかもしれませんね。でも、性別で区別するようなことはしていないですよ。それは私自身だけでなく、敬相という会社自体も。大切なのは本人のやる気ですよね。
もちろん重い荷物が持てないなどの体力的な部分で多少のハンデではありますが、気づく力や積極性など、良い面をたくさん持っているので、彼女の長所をもっと伸ばしていけたらなと考えています。
「“敬相の営業”はこうだから」という変なルールに当てはめてしまうと、せっかくの個性を活かすことができませんし、本人のやる気もどんどん削がれてしまうと思いますので。でも彼女は、親子ほど年齢が離れた私に対してもしっかりと自分の意見をぶつけてくれるので、頼もしいですよ。
ーー エネルギーのある方なんですね。
山口:積極性もそうですし、「敬相をもっと良くしていきたい」という意思を感じるんですよね。以前、大山が、東京本社へ研修に行ったのですが、そこで学んで、気づいたことを仙台に戻ってからすぐにリスト化してくれて、「仙台支店でもやってみませんか?」と発信してくれたことがありました。驚きましたし、嬉しかったですね。
会社を想う気持ちに立場は関係ありませんし、私たちも同じ気持ちですから、彼女の存在はとても刺激になっています。
私たちの武器は、丁寧さ。これからも私たちらしく等身大で
ーー 大山さんはじめ、仙台支店は積極的なスタッフが多く在籍していらっしゃるんですね。敬相の理念でもある「ありがとうに出逢うために」が実践されていると感じたのですが、あえて課題を挙げるとしたら、何かありますでしょうか
山口:課題というか、意識してやってもらっていることの一つに「確認の徹底」があります。繁忙期などはヒューマンエラーによるミスが起こりやすくなります。
でも人がやることなので、ミスは必ず起きるんですよ。それは仕方ないんです。ただ、ミスが起きないように注意・確認することは大切です。ミスが原因でお客様の負担を増やすことは避けたいですからね。ですから価格や納期などの確認は徹底するようにしています。
ーー 確かにミスがあると、お客様にも多大な迷惑をかける可能性が高いですね。ミスを防ぐために工夫されていることはありますか?
堀江:職場内の出入口に売上表を掲示して、毎日、退勤時に担当案件の数字に間違いがないかを各自で確認してもらっています。
山口:ケアレスミスを早期に発見できますし、最終的に私も確認するので、毎日ダブルチェックができますよね。
間違った請求書がお客様の手元に届いてしまうと、多大な負担をかけてしまいますし、敬相の信頼も一気に下がってしまいます。問題が起こってから慌てるよりも、日頃から簡単な確認を積み重ねることでミスを未然に防ぐことが重要だと考えています。
ーースピーディに商品を届けることにばかり目が向いてしまいがちですが、急がば回れということでしょうか?
山口:まさに。私は東京本社の総務経理課で、数年間、部長として働いていた経験があるんです。売上など会社の業績を左右する大きな数字とつねに向き合っていた経験から、数字の管理にいっそう気を配るようになったのかもしれません。
ーー それでは最後に。敬相全体では「チームビルディング」を浸透させていくために、昨年、社全体のスローガン“バトンリレー”が策定され、このnoteでも各営業所・各部署にオリジナルのスローガンをお聞きしています。仙台支店のスローガンを掲げるとしたら、どういったものになるでしょうか?
山口:【 思いやりの心で、なにごとも誠実・丁寧に 】ですね。
山口:チーム力を高めていくには、近道はないと思うんです。一つひとつの業務に実直に取組む。ミスが起こらないように確認を徹底する。どんなに忙しくても、お客様やメンバーに対して、思いやりの気持ちを忘れない。丁寧にひとつひとつ積み重ねていくしかないですからね。
堀江:私も、焦らずに、背伸びをせず、等身大でいいと思っています。櫛田代表に突っ込まれるほどに生真面目な東北の気質を活かして、みんなで地道に成長していきたいですね。
【広報部 後記】
一見、大人しく静かな印象を受けた仙台支店。ですが、おふたりのお話を聞いていくうちに、“思いやりの心”は敬相の営業所の中でもトップクラスのような気がしました。
さて、福岡から始まり、大阪、名古屋、東京(営業&企画・マーケティング課)、埼玉(営業&商品管理センター)、そして今回の仙台支店と、各地の拠点におけるチームビルティングを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
みなさんのチームでも、活かせる、もしくは参考になる部分が少しでもあったなら、広報 寺門としては嬉しい限りです!
次回は「特別編」をお届けする予定です!
一昨年より敬相がチームビルディングを推進するにあたり、アドバイザーとして力をかりている福富信也氏にお話をお伺いしてきます。「組織力」を高めることに特化した経営コンサルタントをされており、数々のスポーツチームや大手企業において、結果を出し続けている福富さんに、敬相のチーム力について客観的な視点でお話していただく予定です。楽しみしていてくださいね!