第5回 敬相 福岡営業所のチームビルディング論 『愛を持って仕事をする』
すっかり秋めいてきましたね。みなさん、こんにちは。(株)敬相 広報の寺門です。これまで5回にわたり弊社代表 櫛田のインタビューをもとに、敬相の経営論や人材育成論についてお届けしてきましたが、今回から新企画がスタート。
全国8カ所に展開する敬相の営業所から、敬相メンバーの生の声をお届け。とくに今、敬相がもっとも尽力している"チームビルディング”について、各営業所・所長はどのように考え、実践しているのか。加えて、各営業所独自の取り組みや地域特有の営業方針についても紹介していきます。
1回目の今回は、福岡営業所。所長の中島 信幸さんにお話をお聞きしてきました。
責任者が一番に行動することで、メンバーのチャレンジを後押ししていきたい
ーー 中島さん、今日はよろしくお願いします。福岡営業所の魅力をじっくりお聞きしていこうと思うのですが、まずは福岡営業所について教えていただけますか?
福岡営業所は、福岡県・博多区に拠点を構える営業所です。1999年に開設され、今年で21年目を迎えました。カバーエリアは中国エリアの広島・島根・山口の三県。それから九州全域、そして沖縄ですね。現在総勢13人体制※で事業に取り組んでいます。(※2020年9月現在)
ーー担当エリアが随分広いんですね!敬相では、通信インフラ以外の取引先開拓を進めていく動きがありますが、福岡営業所ではどのように取り組んでいますか?
これまでは私たちの営業所でも、通信インフラ事業に取り組むお客様とのお取引が中心でした。ですからまずは、既存のお客様に新商品や季節商品などをご提案することから始めたんです。今はさらに視野を広げて、建設会社やゼネコンなど、幅広い業界のお客様に対してアプローチをさせていただいています。
ーー 「新たな業界のお客様と取引していこう」という社の方針は、現場では多少なりとも戸惑いがあったのではないかと想像しているのですが……。メンバーの皆さんにはどのように伝えましたか?
急に新しいことを始めろと言われても、当然戸惑いますよね。ですから、まずは「お客様が使う備品を届けることが仕事」という認識を変える必要があると思いました。既存事業に依存することへのリスクと、新たな事業の必要性を福岡営業所のメンバー全員と共有した上で、まずは「所長である私が行動する」ことで、メンバーにはついてきてほしいと考えました。
ーー 実際に中島さんが、新しいお客様に働きかける背中を、メンバーに見せていくんですね。
そうです。まず私が、新しいお客様に営業をかける。そして、細かいプロセスと成果をみんなに共有するんです。結果的にマルだったら、どのようなプロセスを経て成功したのかを、バツだった場合も、失敗の原因をどう解釈したのかを伝え、今後のアプローチ策などすべてを共有しています。
ーー いい例だけではなくダメだった例も共有すると。責任者である所長自身がトライ&エラーを繰り返している姿を見せてくれると、メンバーの皆さんは挑戦へのハードルを下げられそうですね。
「新規開拓」とか「新規契約」と聞くと変に構えてしまったり、「自分にできるだろうか」と不安を感じるメンバーも多いと思うんですよね。
ですからまずは、契約や売上云々の前に「新しい業界の人と話をすること自体がこんなにも楽しんだ」と感じてもらいたい。なので営業スタッフ同士で商談内容を共有できるように、これまで以上にメンバー間での会話を大切にしています。事務所でも移動中の車内でも、とにかくたくさん喋っています(笑)。
ーー 所長さんとの距離が近いんですね。
せっかくの機会ですから、私と話をすることで仕事の楽しさや喜びを知るきっかけにしてもらえたら嬉しいですね。
携帯通信事業へのご対応は、敬相が長く取り組んできた業務ですから、ある意味慣れというか、ルーティーン化している部分があることも事実。ですから、新たなお客様とのコミュニケーションが良い刺激になり、メンバーのモチベーション向上につながることを期待しています。
ーー これまで取り組んできた仕事にも活かせるから、働き方も良い方向に変化していきそうですよね。
そうなんです。それに、このコロナ禍だからこそ、できる提案もありますよね。毎月決まった商品をお届けしていた会社に、マスクやアクリルパーテーションをご提案するチャンスも出てきています。
これまではオーダー頂いた商品を届けて終わりだった業務を「今、お客様が求めているものはなんだろう?」とメンバー 一人ひとりが主体性をもって想像し、提案するところまで意識改革していくことが直近の目標です。
当たり前を疑い、ミスをチャンスに変えていく
ーー 中島さんは関東圏から福岡営業所に異動されてきたと聞いていますが、福岡ならではの地域性など、違いを感じることはありましたか?
私は出身が埼玉県で、ずっと埼玉営業所にいたんですよ。福岡営業所に来たのは昨年(2019年)の7月です。
福岡営業所に来るときに周囲から言われていたのは、「九州の人は優しい」ということ。ですが、実際にこちらに来て感じたのは、優しいのではなく、言いたいことを直接本人に言わない方が多いということでした。
例えば、納期や商品に間違いがあった時、首都圏のお客様は「今日なければ困るので今すぐ持ってきてください」となります。こちらのミスですから、当然ですよね。
しかし福岡のお客様は「いいですよ。明日持ってきてくれれば大丈夫」と言ってくださるんです。ただ、よくよく話を聞いてみると、お客様が納期を後ろ倒しにして対応して頂いていた。そんな事実にたどり着くんですよね。
ーー ご要望をストレートにこちらに伝えるわけではなく、ご自身でなんとかしてしまうんですね。でも、お客様の優しい言葉を鵜呑みにしていると、「お客様の不満」が大きくなって、いずれ大変なことになってしまいそう……。
そうなんです。お客様の本音と建前のギャップに気づいてからは、「いいよ、大丈夫ですよ」と仰っていただいても、何時間かかっても必ずその日にお届けすることを徹底するようにしました。
「わざわざきてくれたの!?」と驚かれましたが、「でも今日持ってきてもらえなかったら、作業日を一日増やさなければいけなかったから、助かったよ。ありがとう」と言っていただけて。「やっぱりこういうことか!」と思いましたね。
これまで築いてきたお客様との距離感で、勝手に決めつけていた部分が多かったのですが、「本当にそうだろうか?」と改めてきちんと考え、こちらが柔軟に変化していくことが大切なんですよね。
チーム制の導入が、メンバーの個性を深く知るきっかけに
ーー 敬相では、チーム制が導入されましたが、チームビルディングによる働き方の変化はありましたでしょうか?
福岡営業所は現在2チームで動いているのですが、チーム制になったことで、まず私を含むチームリーダーが、社員(メンバー)一人ひとりの個性を的確に把握することが必要だと感じました。
ですから毎日働く中で、メンバーに対して少しでも違和感を感じたら「何かあった?」とさりげなく声をかけるようにしています。すると、「実は……」と本音を話してくれる機会も増えました。
コミュニケーションの積み重ねを通して、メンバーそれぞれの個性が以前よりもはっきり見えるようになった気がします。
ーー メンバーの成長を感じた具体的なエピソードはありますか?
これはトラブルの対処をしていた時の話です。営業スタッフから依頼された仕事に、サポートスタッフAさんが対応していたのですが、ちょっとしたミスがありトラブルになっていたんです。それを見かねたサポートスタッフBさんがヘルプをしてくれて、結果的に問題を解決することができました。
Aさんが問題を解決してくれたと思っていた営業スタッフは、Aさんに「ありがとう」と伝えたんです。そしたらAさんは「私はBさんに助けてもらったので、Bさんにありがとうと伝えてください」と営業スタッフに言ったんですよね。
一見すると些細な出来事かもしれません。でも、これこそがメンバー 一人ひとりにチームビルディングの意識が根付いてきている証拠だと思うんです。また、チーム全体で動くようになってから、営業所全体に「思いやりの意識」が生まれていると感じていたので、それが目に見えるカタチとして現れたのが「AさんからBさんへのありがとう」なのかなと。僕はこの話を聞いた時、ものすごく嬉しかったんですよね。
チームのみんなに愛を持って、仕事をしていこう
ーー では最後に。今期、敬相ではチームビルディングをより浸透させていくために、社全体のスローガン『バトンリレー』が策定されました。これは「ありがとうをつないで、渡していく」という意味が込められています。そんな中で、あえて福岡営業所のスローガンを掲げるとしたら何になるでしょうか?
【 チームのみんなに愛を持つ 】ですね。
上司、部下、同僚といった関係性の前に、みんな”仲間”なんです。仲間という意識があれば、先ほど言ったように思いやりや気遣いも生まれるでしょうし「愛を持って仕事」ができるんじゃないかなと。
愛があれば、営業所の雰囲気だって自ずと良くなっていくと思うし、メンバー同士で阿吽の呼吸が生まれて、仕事もよりスムーズに進むのかなと。時には、愛情を持った上で、叱咤激励もする。いろいろな気持ちを共有しながら、一丸となって成長していきたいですね。
9月には、福岡メンバーへの慰安の想いも込めて、阿蘇に行ってきました。今年はコロナ禍で敬相恒例の研修旅行が中止になってしまったので、せめて日頃頑張ってくれているメンバーのために何かできないかと考えて。コテージに泊まって、バーベキューをしたり、お酒飲んだりと、そういったカジュアルな慰安旅行です。
仕事を離れてプライベートの時間も共有しながら、結束を深めることができた気がします。櫛田代表も来てくれて、少々食べすぎ、飲みすぎてしまいましたが(笑)。でも今回の旅行のように、仕事も楽しみながら、みんなと一緒に成長していきたいですね。
【広報部 後記】
代表 櫛田からチームビルディングの話を聞いた時は、「そんなにうまくいくのだろうか?」と正直、少し疑問に感じていたんです(笑)。
でも実際、福岡営業所の現場で実践されている様子を知って、驚きました。こんなにも、代表 櫛田の想いが、所長や営業所のみんなにまっすぐに伝わって浸透していることに。中島さん、貴重なお話をありがとうございました。
次回は大阪営業所にお邪魔して、大阪営業所のチームビルディングについて所長の木村さんにお話を伺います。10月下旬 公開予定ですので、お楽しみに!
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