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The band


俺たちは真面目に生きてきた

なのになんで世間の目は冷たいんだ

頭の中で音楽が鳴り止まない

誰か俺を止めてくれ


まさに破竹の勢いだった


メジャーデビューでも驚いたのに

まさかMステに出るなんて


それはディスコサウンドが返り咲くフェス界隈

鬱屈とした気持ちをキャッチーなメロディに乗せて

「真面目系クズ」を自称する彼らは

東京の片隅でこの世の終わりを叫んでいた


「40代で死にたい」


誰も理解できないだろうと思ってた

恵まれすぎた時代に生まれた罪を背負う私たちは

真面目に生きれば幸せが保障されてると思ってた


だけど大人になるにつれて募る

この疎外感はなんだ

未来に見放されてる感覚はなぜだ


今思えば心底うんざりしていたのだと思う

子供の頃描いてた社会人の姿と実際とのギャップに

味方で救いだったはずの音楽が

アイドルの握手券としてばら撒かれる茶番に


その気持ちは関西のインディーズバンドとして

くすぶる彼らの叫びと完璧にリンクした


売れてる音楽意味不明!

商業音楽オケ流し!

人数集まり大合唱!

チャートはウソばかり!


思わず心の底からつぶやいた


最高かよ。。

同期が売れていく焦燥感

親孝行できない罪悪感

天才にも量産系にもなれなくて

俯瞰で見てしまう自分にもうんざり


きっとみんな探していたんだ代弁者を

もしくは一緒に破滅してくれる先導者を


グラグラするこの感情は

CDやサブスクには収まらない

ライブじゃなきゃだめなんだ

君が叫んでくれるから

私は明日も生きていける


あのワクワクは間違いなく恋だった


あれから何年経っただろう


久しぶりに見る彼らは何も変わらず

あの頃の音楽を歌い続けていて

それが嬉しいはずなのに

熱かった胸の奥が鈍く痛んだ


"ロックバンドでありたいだけ"

"ロックバンドでありたいだけ"


ずっとそばにいてほしいくせに

変わり映えない日常は退屈で

傲慢な自分にうんざりするのに

刹那の刺激を求めてた

彼らが変わらないんじゃなかった

私が変わっただけだった


けどまた戻ってきては今日みたいに

また都合良く甘えてしまうだろう


私の永遠のヒーローは

今日も叫び続けてる


ライブハウスという世界から

ロックバンドでありたいと


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k村
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