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年に1度だけ、会う友達。

友達にも色々ある。

ほぼ毎日連絡をとるような友達、週末よく会う友達、SNSではよく話す友達。それらに良し悪しも上下もないけど、ただ関係のあり方としてそういった違いは確かに存在する。

僕には、年に1度だけ会う友達がいる。会うのは決まって春、GW前、『名探偵コナン』の映画が上映する期間に1度だけ。初日〜3日目のどこか朝一の回で観て、観終わったら近くのファミレスでランチを食べながら映画の感想と近況を話して、13時くらいには解散する。そして、また1年後。LINEとかもしない。

そんな年に1度の付き合いが、2011年か2012年くらいから続いている。

決して仲が悪いわけではなく、その証拠に、毎年映画の時期が近づいてくるとどちらからともなく、連絡を取り合って会う日を決める。ただ、単にこのペースが僕らには合っているんだと思う。

この年に1度、というのはやってみると案外面白くて、1年もあるとお互いに何かしらの状況が変わっていたりする。

髪型を変えた。髪色を変えた。
太った、痩せた。
恋人ができた、別れた。
結婚した、離婚した。
仕事が変わった、職種が変わった。
などなど。

久しぶりに会うと、そういったただ「変わった」という事実だけが、文脈も、気配も、前触れもないところに情報としてまず飛び込んでくる。それから、その日に至るまでの物語を聞いていく。

何となくそれは、トップノート・ミドルノート・ラストノートと香りが変化する香水の楽しみ方に似ていて、まずは、目の前の変化に対して純粋に驚き、話を進める過程で少しずつ理解していく。そんな感じ。

けれど今年の春は、会わなかった。新型コロナウイルスの影響で、映画が公開延期となったから。もちろん、今年も「4月19日に観に行こう!」と連絡を取り合っていたのだけど。延期が決まってからは、いつも通り連絡をとっていない。

そんなことをふと思い出して、映画を観れなかった代わりにその友達との関係を今年に刻む手段として、今日このnoteを書いている。

次に会うのは、2021年4月。楽しみだな。

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