訳してみた。Don’t let metrics undermine your business
https://hbr.org/2019/09/dont-let-metrics-undermine-your-business
Don’t let metrics undermine your business
パフォーマンス指標数値を戦略に紐づけることは過去数十年間の間に認められたベストプラクティスになった。戦略は定義上抽象的ではあるが、指標数値は、戦略に形を与え、我々が戦略を容易につかみやすくなる。指標数値により、フォードモーターのかつての戦略“品質最優先”は、シックスシグマパフォーマンススタンダードに翻訳され、アップルの“Think different” やSamsungの”Create the future” は新商品の売上総額にリンクする。戦略が組織という建物を作る設計図であるなら指標数値はコンクリートであり、木材、壁、レンガになる。
しかしこの組織構造には、隠れた罠がある。会社は簡単にその戦略を見失い、代わりに戦略を代弁するはずの指標数値に厳密に焦点を当てるようになる。この問題の最たる例は、ウェルズファーゴの例である。今では悪名高きクロスセル戦略の元、社員たちが顧客の同意なしに350万の預金とクレジットカード口座を開いた事件である。
この破滅的な件による損害は甚大であり、依然としてこの件の財政的損失の全体像は見えていない。最初の罰金1.85億ドルに加え、顧客への払い戻し金610万ドル、最終的には2002年までにさかのぼる損害を補償せよとの集団訴訟(1.42億ドル)ウェルズファーゴは新規顧客を得るために厳しい向かい風に直面している。2017年4月第一四半期の報告のなかで、クレジットカード申し込みが前年比42%ダウン、当座預金口座の開設35%ダウンを報告した。一方更なる問題も明らかになってきた。不正なローンの組み換え、手数料、不適切な自動車ローンの例、などの問題だ。そして2017を通してその他の誤った行動も浮き彫りになった。2017年の第四四半期には、32億5千万ドルの見込み支出を将来の訴訟の費用として確保する必要に迫られた。2018年2月連邦準備制度理事会は、ウェルズファーゴにガバナンスとリスクマネジメントが強化されるまでいかなる増資も認めない判断をくだした。これに引き続き4月には消費者金融保護局、通貨監督庁からの10億ドルの罰金の支払いも決定し、これにより8億ドルの追加訴訟見込み金を増額する必要に迫られた。消費者金融保護局と通貨監督庁の発表ではウェルズファーゴのアクションは担保ローン費用と自動車ローンのみに言及している一方で、その政治的なメッセージの内容は、罰則の厳しさは部分的にはもともとの虚偽口座スキャンダルへの世論の憤慨から派生している事を示唆している。ウェルズファーゴの長期に渡る困難において、スキャンダル以降陣頭指揮にあったCEOのTimothy Sloanは2019年3月辞任した。
これらの壊滅的結果は、劣悪な戦略をもったことによる当然たる単純な帰結なのであろうか?精査した結果ウェルズファーゴはクロスセル戦略など決して持っていなかったことが示唆されている。ウェルズファーゴはクロスセル指標数値を持っていたのだ。2016年の第三四半期決算発表において、ウェルズファーゴは、 “長期に渡るリテール銀行の関係という戦略に焦点を当てることとクロスセル指標数値の最善な提携” という事に言及している。つまり、ウェルズファーゴは、顧客との長期の関係性を築くという戦略を持っていた(現在もそうである)。経営陣は、クロスセル指標数値を計ることでこの戦略の達成度を知る意図であった。厳しい皮肉ではあるが、指標数値に焦点をあてることで、多くの価値ある顧客との関係を壊すことになってしまった。
ほぼすべての組織において、戦略が数字に乗っ取られるということがウェルズファーゴで起きていたように日々起きている。心理的に戦略を数値目標に置き換える – surrogation (指標と目標のすり替え) – 傾向は広く行われていることがわかっている。そしてそのすり替えは会社の価値を破壊する。
指標と目標の罠
もちろん、指標数値は本来、レベルに応じて不完全であることを私たちは知っている。ビジネスにおいて指標数値の背景にある意図は、普通基本的には抽象的なゴールをとらえることにあり、ほとんどの場合意図しているのとは逆に失敗する。あなたのパフォーマンス管理システムは本来気に掛けるべきものに対する欠陥的な代替物の指標数値で満たされているかもしれない。
よくある例をここに提示しておこう。会社が戦略目標に“顧客を喜ばす”事を選び、この戦略目標達成の進捗を顧客満足度調査のスコア数値によって量るという例だ。顧客満足度調査はどれほど顧客を喜ばせているかという事について何かしらのデータをマネージメント陣に与える。しかし、いつしか従業員は“戦略”は、素晴らしい顧客体験をお客様に与えることというよりは顧客調査度調査のスコアを最大化することだと考え始める。
これがどのようにすぐに問題になるかは想像に難くないであろう、なぜなら実際には顧客を不満にさせながらも顧客調査度のスコアを上げる方法はいくらでもあるからだ。例えば、もしスコア10以外は、すべて失敗という定義のもと自分のカスタマーエクスペリエンスを10で採点するように促されたら何が起きるであろう?ネガティブなフィードバックは無回答になり、意図的な高得点になる可能性もあるだろう。そして高得点へと促すやり方も顧客満足度を下げる一因になるであろう。そして、顧客満足度スコアを上げるために、ポップアップするウィンドウ、“いかがでしたか?”と後で訪ねてくる電子メール、そしてできれば避けたい自動音声による電話アンケート、これらは皆、顧客を不快にさせる。また、これらの施策は、顧客の満足度を下げる傾向にある。しかし、指標が目標に入れ替わることで、顧客を満足させるという戦略にもかかわらず、顧客を喜ばせるという旗のものと、これら(顧客を不快にさせる)施策がとられてしまうのである。
指標と目標の入れ替わりは、指標数値と戦略の間に大きな乖離があるとき特に致命的である。乖離が大きければ大きいほど、潜在的なダメージは大きくなる。生産マネージャーの戦略的目標“高品質製品の生産”が厳格な精度の品質基準(ボールベアリングの直径は10ミリ誤差±0.0001ミリでなければならないなど)の指標数値で測れれば、指標数値と目標の入れ替わりはさほど問題にはならない。しかし、もし“高品質製品の生産”とう目標が返品の数で測られれば、生産マネージャーは、返品を減らすために別の方法を考え付くかもしれない。例えば、顧客と直接連絡をとり、懸念のある商品を返品ではなく調整するという申し出をし、返品数に数えられることを回避しようとするかもしれない。もしくは、意図的にちょっとした博打にでるかもしれない、つまり、品質の低下は返品の可能性を増やす一方、実際には品質基準を下げることは返品が増えるきっかけにはならないだろうと知りながら、認められた品質基準(もしくは安全基準でさえ)少しばかり緩くするかもしれない。さらには、一つの指標数値がより広範囲に使われる場合、例えば、複雑な製品の多様な部品を監督する複数のマネージャーのパフォーマンスなど、指標と目標の入れ替わりは、さらに大きなインパクトを与え、さらに深刻なダメージを与える。
ウェルズファーゴで起きたこと
いかにウェルズファーゴでは事がおかしな方向へ進んでいったかについては、いくつかの説明がなされている。もっとも広く受け入れられているものは、ウェルズファーゴの報酬システムに責任があるというものだ。前消費者金融保護局長のRichard Cordray (ウェルズファーゴへの初期の罰金決議に加わった)の言葉によれば、“そこで起きたのは…従業員が不正なセールスの実例を追求することを可能にした成果報酬システムを作り上げたこと”だと。
しかし、実際に成果報酬というアプローチが実際にウェルズファーゴ問題の根本原因なのであろうか?もしくは、さらに狡猾に忍び寄る病気のようなものの症状なのであろうか?ほかの要因としては困難なセールスノルマとそれらを達成しないといけないという絶え間ないプレッシャーの組み合わせであったかもしれない。実際、捜査過程の従業員は、不正の原因として成果報酬よりは圧力についてより多く証言している。さらに別の原因としては黙認するセールスのカルチャーがあげられる。内部調査によって明らかになった重要な発見の一つとして、10の低品質口座を売ることは、一つの良い口座を見つけるために認められるという経営思想を経営陣が支持したということがある。また内部調査により明らかになったのは、経営陣が顧客の必要としない製品を“ずれ”とし、一定量の“ずれ”はどんな小売業においてもコストとしてしょうがないものと考えていたことだ。しかし、再度言及するが、セールスの圧力と疑問視される社内カルチャーは、より浸透し、有害であった問題の単なる症状かもしれないのだ。
成果報酬、ノルマ達成への圧力、セールスカルチャーは、当時、ウェルズファーゴを通して採用されていたある仕組みの上ですべて結びついていた。事実、それはほぼどのような企業にも見出されるものなのだ。つまりパフォーマンス測定システムという仕組みだ。それにより日々のビジネスアクションをモニターし、組織レベルから個々人のレベルまでモニターするのだ。セールスに関する数値を厳密にトラックする仕組みなくしては、ウェルズファーゴでは成果報酬は存在しえなかった。顧客の口座数を計上する仕組みがなければ、一家計1口座という目標、それを達成するためのプレッシャー、それらを取り巻くカルチャーは存在しなかったであろう。元CEO John Stumpfの今や悪名高きマントラである、“8は素晴らしい”(目標は8つのウェルズファーゴの製品を一人の顧客に買わせること)は、この共通項目を基礎にしている。
本当のウェルズファーゴの問題の源は、指標数値計測にあった。ウェルズファーゴが積極的に毎日クロスセルの数を追いかけようと決めたとき、従業員は合理的にその数を最大化しようと反応した。金銭的な成果報酬、黙認カルチャー、激しい成果への要求といったもののなかに投げ入れられば、すべてクロスセル“戦略”を進めるという名のもと、不法にいくつかの不正な口座を開くかもしれない。
誤解しないでほしいのだが、我々は、指標数値の計測を悪いものと言っているわけではない。たしかに、それは悪いものではないし、いろいろなビジネスで普遍的なものになっている理由がある。つまり、指標数値の計測は、ビジネスにおいて成功するのであれば当然の如く整えていなければならない取り巻く条件・環境、その結果、もとになる戦略的な目標から意味あるものを見出す唯一の方法だ。指標数値がなければボンヤリとしすぎてほぼインパクトがない戦略というものに明らかに方向を示すのが指標数値だ。指標数値は、ふるまいと行動を調整するので、きわめて重要だ。しかし、ウェルズファーゴの件が示すように、本来ある指標数値の歪みが理解されていなければ、危険なものになり、正に欠陥のある指標数値が行動規範を決めてしまうがゆえに、その歪みは増幅される。
指標数値と目標のすり替えに対する防御
指標と目標のすり替えを防ぐため、まず、初めにどのようにそれが起きるかを理解しなければならない。指標と目標のすり替えに関して二つの最近の研究がある。一つは、fMRIを使って脳内の血流を計測することにより人はどのように意思決定をするかというよりよい理解の研究であり、もう一つは、ビデオゲームを使ったビジネス以外での指標と目標のすり替わり関する研究である。これらは、指標と目標のすり替わりがどこにでもある無意識なバイアスであることを示唆している。つまり、指標数値が示されるときはいつでも、人は指標と目標のすり替えをする傾向にある。ノーベル賞受賞者のDaniel Kahnemanとイエール大学のShane Frederick教授は、以下の3つの条件が指標と目標のすり替えにみる代替の類を生み出すのに必要だと仮定している。
1. 目標もしくは戦略がかなり抽象的
2. 戦略の指標数値が具体的ではっきりしている
3. 従業員が少なくとも無意識化で、指標数値を戦略に代わるものとして認めている。
複数の研究がどのようにこれらの条件が結び付き、指標と目標のすり替わりを生み出すのかを示す後押しをしている。これらの知識は、問題と闘うための手段を提供してくれる。燃焼に必要な熱、燃料、酸素が取り除かれることにより火が鎮火されるように、指標と目標のすり替えは、それに必要な主たる要素のいくつかを取り除くことにより抑えることができる。以下その方法について述べる。
戦略を作った人間を指標数値策定に巻き込む
これにより指標と目標のすり替えを減らす手助けをすることができる、なぜなら、戦略を施行しようとする人が加わることで本来抽象的である戦略というものをよりよく理解することができ、そして指標と目標のすり替えが起きるのを避けることができる。特に戦略を伝える責任のある役員、シニアマネージャーをこのプロセスに巻き込むことが重要だ。我々の一員であるBillの研究によれば、単に戦略について人々と話すことは十分でないということが示唆されている。つまり、役員室によんで戦略の概要説明をし、建物の周りに戦略をスローガンのように掲示してもだめである、ということだ。戦略とそれにかかわる指標の作りこみから関わる人を巻き込まないとダメなのだ。
Billの調査の一つ、Intermountainヘルスケアという組織での経験が良い例であろう。Intermountainヘルスケアの目標は高品質の治療を低コストで提供、することである。この手の価値をベースにした治療が凌ぎを削る例の一つが腰痛である。ほとんどの腰痛は自然と数週間でなくなるということがわかっている。治療と手術はたしかに助けになるが、それらもまた痛みを伴い、高額なコストがかかる。データによればひとたび腰痛を感じた患者への理想的な対応は “待つ”ことである。それで、Intermountainヘルスケアは最近医師の参画とアドバイスにより、不必要な介在を減らすことを目標にした戦略を作り上げた。この戦略の成果を測るため、Intermountainヘルスケアは、腰痛の患者に医師がX線やMRI、さらに突っ込んだ診察、治療を進める前に少なくとも4週間待つかどうかという事を追跡することを始めた。この指標数値の危険なところはもちろん、医師が高品質治療を低コストで提供するという目標よりも患者を待たせることが目標だとみるようになってしまうことである。しかし、Intermountainヘルスケアの医師たちがこの戦略を練ることを助けたので、この手の指標と目標のすり替えが起きる可能性は極めて低い。また医師たちが戦略とその指標の展開とトレーニングに深く参画しているので、他の医師たちに指標と目標のすり替えが起きないように手助けができる。事実、Intermountainヘルスケアの執行役員であるNick Bassettは、“当然、医師たちが目標の設計に係ることにより、彼らは、よりよく目標を理解し、理解したときに、特殊な指標であるにもかかわらず、彼らは、取るべき正しい行動を選択するということを幾度となく証明してきた”
と言う。IntermountainヘルスケアのBrett Muse医師、彼は、戦略の開発と展開において多くの役割を担ったのだが、も同意している。彼は言う、 “私が医師たちと直面し、データを投げつけても、彼らは興味を示さない” と。 しかし、代わりに医師たちの前で彼は“治療の品質について問題がある、この問題について対処しようじゃないか。ところで、我々の状況を知るために見るべきいくつかのデータがここにある”と発言する。
指標数値と成果報酬との結び付きを緩く
成果報酬と指標数値ターゲットを結びつけることは指標と目標のすり替えを増やす傾向にある。成果に対する報酬の不幸な側面の副作用だ。人がもつ金銭的な動機を利用することの他に、このアプローチは指標をより見やすくし、それは、さらに従業員が戦略を犠牲にして指標に焦点を当てる可能性が高くなることを意味する。
どのようにこの問題を回避するかを考えるにあたり、再度Intermountainヘルスケアの腰痛指標を見てみよう。もし経営陣がありきたりのことのみをやり、コストのかかる検査や治療を腰痛患者に勧める前に医師が4週間まつことを患者に要求するたびに医師に少量のボーナスを払うと伝えていたなら、不必要な介在を減らして指標を最大化するという真の戦略・目標から善良な医師たちを遠ざけることになっていただろう。しかし、このプログラムを監督していた人々は、報酬と指標を結びつけなかった。なぜなら、彼らは、ほとんどの医師たちがすでに高価値な治療を施すということに自ら動機づけられていたことを認識していたからだ。加えて、彼らは、医療的な介在をする前に4週間待つ患者の率を80%に設定した。これは、ほとんどの患者たちは腰痛が自ら癒えるまでに4週間待った方がいいと意味する一方で、いくつかの例外、例えば診断に訪れる前にすでに1か月が経過していた患者などには、早急な治療が保証されるべきといった例の患者もいることを思い出させるものとして機能した。ターゲット目標は指標数値の元来の不完全性を反映し、医師たちの注意を本来の戦略・目標に引き戻した。
複数指標数値の使用
Billの行った別の研究によれば、一つではなく複数の指標数値に対し報酬が支払われることで人は指標と目標のすり替えをする可能性が低くなるようだ。このアプローチは一つの指標により完全に戦略をとらえることは無理であるという事実にハイライトを当て、人が指標で戦略を置き換えること拒否するよう意識的にさせる。Intermountainヘルスケアでは、医師たちは多くの指標で評価されている(patient satisfaction, condition-specific quality metrics (such as average A1C levels of diabetes patients), health outcomes (such as hospital readmittance), preventive efforts (such as appropriately timed mammograms), and total cost of careなどの指標)。単一の指標が医療スタッフの報酬や貢献を評価するために使われることはない。複数の尺度は確かにパフォーマンス評価というタスクを複雑にする。しかし、これは人々を真の戦略に集中させ指標と目標のすり替えが起きないようにするために必要不可欠なのだ。
ウェルズファーゴ再び
ウェルズファーゴが依然、指標と目標のすり替えに弱いかどうかみるために、危機が生じたことにより取られたアクションを見てみよう。いえる限りでは、ダメージコントロールの努力のもと、ウェルズファーゴは正しい方向へ向かっているようだ。
まず初めに新しい経営陣は、スキャンダル以降顧客との信頼を強調している。2点目は、ウェルズファーゴは、クロスセルする従業員に対価を払う事をやめ、すべてのセールス目標を設定しなくなった。これは、やりすぎのように聞こえるが、ウェルズファーゴにとっては適切な施策だ。なぜなら、セールスノルマの達成への執着によってウェルズファーゴはがちがちに固められていたからだ。この問題に対処するためには、クロスセル指標とそれに関するすべてのものを忘れる必要がある。最後にウェルズファーゴはその戦略的目標の成功を測るために少なくとも12の顧客第一に関連した指標を利用し、単一の数字は全体像を示すことは決してないことを強調し、従業員が指標と目標をすり替えることのないよう意識するよう奨励している。
このようによい方向へ進んでいるにもかかわらず、ウェルズファーゴの歴史におけるこの出来事は、計測可能な自己負担コストと計りにくいが実際には高くつく評判を落とすというコストという2つの面で破壊的であった。さらにウェルズファーゴが完全復活に近いという事を示すものは依然ない。しかしながら、最低限でも、ウェルズファーゴがとった新しい歩みだしは、将来の経営陣、従業員にパフォーマンス指標数値は単に戦略を表現しているだけであって、戦略そのものではないという事を思いださせるであろう。
結論
多くのマネージャーたちが、指標と目標のすり替えは、戦略をダメにし、もしそれを阻止するためのアクションをとらねば、遅かれ早かれほぼ確実に自分が経験することで同じ認識に至るという困難な道を学ぶ。もしパフォーマンス指標数値をつかっているなら、指標と目標のすり替えはすでに多分おきている。単に指標があるだけというのは、かりに報酬が結びついていなくても、ある種の指標と目標のすり替えという行動を誘引するのに十分だ。であるので、どの指標が指標と目標のすり替えに弱いのかということを吟味し、どこでそれがもっとも損害をあたえるのかということを吟味する時だ。ウェルズファーゴの例が示すように、病を防ぐ方が起きってしまった症状を治癒するよりはるかに好ましいことだからだ。
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