オブジェクト指向UIデザインを読んで - 本の概要まとめ -
先日ソシオメディア株式会社から発売されたオブジェクト指向UIデザインについてのまとめ記事です。
読んでみた所感を踏まえて概要をまとめようと思います。読んでみての満足度はめっちゃ高く、今後も何かあれば、定期的に読み直すような1冊だと感じました🤗
前提:読者である私はどんな人?
まず、今回本を読んだ僕自身の属性紹介をざっくりと。
- デザイナー歴約2年の事業会社のインハウスデザイナー
- 業務でUIデザインに向き合って1年半くらい
- デザインするものは, UI / web / CI / 広告など、事業と組織に関わるデザインであればなんでも
- 現在の主業務は自社サービス (SaaSのTo Bサービス)のUIデザイン / コーディング
- 前職では別SaaSサービスの営業・CSを担当
要はUIデザインは実務でやるけど、OOUIに関しては理解がそこまで深くない。
この本は誰におすすめできるか?
著者である上野さんがちょうど今日呟いていたが、まさしくこんな感じ。
個人的な経験も踏まえて特におすすめ、読んで欲しいなー感じた人は、To Bの SaaSサービスに関わるUIデザイナー / UXデザイナー / PdM / フロントエンドエンジニアの皆さんに是非ともお勧めしたい。なぜそのような方々にお勧めできるかは「この本の何がよかったのか?」の章で後述しようと思う。
各章の概要
これはあくまで、僕が読んで解釈した情報であるので、これが全てではないことを先に伝えておきたい。
### 1章 オブジェクト指向UIとは何か
📕概要
オブジェクト指向UIの概念・原則の導入 (オブジェクト指向とタスク指向を噛み砕きながら紹介)
### 2章 オブジェクト指向UIの設計プロセス
📕概要
- UIを設計する上でのスタンスの再認識 / マインドセットの導入
- オブジェクト指向UI設計のの基本ステップの紹介(オブジェクトの捉え方、モデル、インタラクションの設計、プレゼンテーションへの落とし込み)
### 3章 オブジェクト指向UI設計の実践
📕概要
- オブジェクト指向UI設計の具体的な手引き(オブジェクトの捉え方の詳細、ビューやナビゲーション/レイアウトパターンへの適用)
- タスクの扱い方
### 4章 ワークアウト基礎編
📕概要
1 - 3章の内容を踏まえて実践編の基礎
### 5章 ワークアウト応用編
📕概要
1 - 3章の内容を踏まえて実践編の応用
### 6章 オブジェクト指向UIのフィロソフィー
📕概要
改めてOOUIとはなんぞや?
モードレスについて
この本の何がよかったのか?
この本の良さを伝えるとした3点ある。
1️⃣ OOUIについて分かりやすく理解できる点
2️⃣ UIとは何かの再認識できた点
3️⃣ To Bサービスをデザインするデザイナーとして自分が何を意識すべきか再認識できた点
1️⃣ OOUIについて分かりやすく理解できる点
OOUIの概念を最初に理解する上で下記に紹介しているような著者である上野さんの記事や本を読んでいたが、僕には難解であったが、この本は具体的な実例や図解が多く、かなり理解しやすかった。
ユースケースからどうオブジェクトを抽出するのか、抽出したオブジェクトをどうUIへと組み立てていくのかを読んで学べるだけではなく、18問もの例題が実践編としていついているので、手を動かしながらの理解もできる。まじで素晴らしい。
2️⃣ UIとは何かの再認識できた点
ソシオメディア | OOUIの目当てより
UIとはユーザーとデータを結ぶ架け橋であるが、本書ではオブジェクト指向ってこういうことだよ。タスク指向ってこういうことだよ。と自分たちがweb上で行なっていることがオフラインの現実世界ではどうかを分かりやすく例示してくれることでユーザーにとってそのデザインはどう映っているのかを理解できる。
加えてCRUDという観点からUIを説明することで、要求からデータ構造を作ってどうUIに反映するのかというデータ観点からのUIの組み立ての理解ができる。
僕はこの本を読んで大いに反省した。今までの僕はこんな感じ
この本を読んで雰囲気UIデザイナーを脱したい...!!
3️⃣ To Bサービスをデザインするデザイナーとして自分が何を意識すべきか再認識できた点
To Bの SaaSサービスに関わるUIデザイナー / UXデザイナー / PdM / フロントエンドエンジニアの皆さんに是非ともお勧めしたいと前述したがなぜか?
簡単にいうと
To Bサービスはその性質がゆえにタスクベースのUIになりやすい傾向があるからだ。
To Bサービスは実務をソフトウェアに落としていく過程で、業務を区分し、線型のプロセスでとらえるように考えてしまうが故に、タスクベースのUIになりやすい性質がある。
一方でwebサービスにおいて仕事がソフトウェアに変わっていくのではなく、ソフトウェアが仕事を作っていくような時代になってきていて、ユーザーが自由に創造性を持って取り組むような業務ツールを考えるのであればオブジェクト指向でUIを組んでいかないと実現できない
特に、どれだけ使いづけてくれるか?が重要なSaaSにおいて作業代行としての業務ツールは関わる人の疲弊をどんどん生み出してしまう可能性がある。
仕事を作業にしてしまうのではなく、仕事を仕事として、クリエィティビティを持った仕事を生み出すで、世の中はもっと主体的労働が増え、世の中のエンゲージメントが高まるんじゃないか。そんなことを感じた。
UIに向き合う1人としてOOUIは素敵な概念だと思う。
結びに
あまりこういう書籍サマリとか紹介ってしないんですが、とてもいい本でOOUIの概念広まってくれ!!!って思ったので紹介させてもらいました。
ワークアウト編の反復練習と日々の業務の実践で徐々に身につけていきたいと思います。