人を変えようとすることはおこがましいこと
20歳の頃に、22歳の当時まだお付き合いもしていない主人が言った言葉でした。
「人を変えようとするのは、おこがましいと思う」
これは、すごく、刺さったんです。
本当に、そうだよなぁ。と。
一生懸命やろうとしない人にイライラしていた自分。
でも、その人はその人が決めたとおりに行動している。
それを、変えさせようとするのは、すごくおこがましいことです。
家族に対しても、こういうことをしてはいけないと思っていますし、まして特になんの関わりもない人に対してイライラするなんて、本当に、アホです。
「あなたがもっと謙虚になったら雇ってあげる」と言われたこと
とある零細企業の社長さんに、そう言われたことがありました。とてもびっくりしました。
言い方はもっと柔らかかったですが、結局、そういう話でした。
それまでとても楽しく仕事をしていて、前向きに話が進んでいると思っていたところ、雇用の話が現実味を帯びてきた途端に急に、変わる事を求められました。(長く業務委託として一緒に仕事をしてきた仲でした)
お互いの意見を交わして、結局、一緒に仕事をすることはなくなったのですが。
後から考えると、変わることを当然のように求められた時点で、無理だったなと、今なら冷静に考えられます。
当時はとても傷ついて、でも具体的に上手く言語化出来なかったのですが、改めてゆっくり考えると、私は、今のままではダメだと言われたことに、傷ついていたんだと思います。
もちろん私のパーソナリティに問題があったんでしょうけれどね笑
とにかく気持ち悪いと思ったのは、あの方は、私を、変えようとしてきた事。それをさも当然のことだと、何も悪びれることなく言ってきた事。
当人が全く、気が付いていない。
これはハラスメントの構造が出来上がっているなと思いました。
思えば、他の従業員の方にも当たり前にそういう行いをしていたことに、後から気が付きました。みなさんとても苦しそうでした。
色々なしがらみから仕事を辞められない(辞めないと決断している)人たちばかりだったのですが、ギクシャクしている空気が漂っていて、変だなとずっと思っていたんですが。
まあ、環境に不満を抱えてそれを隠そうともせず暗い空気を漂わせながらも辞めようとしない側も、どうかと思いますが。
とにかく狂った環境だったなぁと、思います。
もしどうしても受け入れられない欠点があったのなら、ただ断ればいいだけだったと思うんです。
でも、人のことを変えようとしてきた。人を変えていいと思っている。それが見えて、とても気持ち悪く思ったのです。
これを気持ち悪いと思える感覚は、無くしたくないなと思います。
「無理をしないでください」と言ってもらえたこと
そんなことがあった私ですが、その次の会社では、採用面接の段階で「無理をしないでください」と言ってくださる社長さんがいらっしゃいました。
なんと安心させてくれる言葉だろうと思いました。
この人は、変わることを求めてこない人だとはっきりわかる。素敵な方でした。
そこで初めて、ああ、私はこのままでも大丈夫だよねと安心すると同時に、何に傷ついていたのかをはっきりと認識しました。
自分を変えられるのは自分だけ
当たり前のことですが、他人を変えられる人はいません。(マインドコントロールは例外ですが)
他人の思惑で自分を変える必要なんかない。
ただ、他人の影響で、自分で自分を変えたいと思うことは、あると思います。
影響を他人から受けているけれど、結局、変えると決めるのは自分です。
自分のことを決められるのは自分だけ。
親でも子供でも夫でも奥さんでもない。会社の上司でも社長であっても、そんな権利はない。
私は、謙虚さにかけると他人に思われてしまう振舞いをしてしまう人間なのかもしれないし、その指摘は真摯に受け止めたいと思いますが、それを自分に反映させるかどうかは、私だけが決められること。
私も誰かにおこがましいことをしないように、戒めて生きていきたいと思います。