ベトナムハティン省カンロック県トゥオンロック村のタイナスについて

ベトナム首都ハノイの中心から車で南へ7時間かかる場所に、ベトナム中部ハティン省カンロック県トゥオンロック村というベトナムで有名な"タイナス"(タイナスは、東南アジア料理で使用されるナスのいくつかの品種の名前)を大量に栽培する地域がある。

夕方、午後4時から5時頃にこの辺りに来ると、地元で"ソンフー"と呼ばれる"畑"は売り手と買い手でにぎわい、一袋一袋をトラックに積んで、各地に運送される。

目の前には緑のタイナス畑が広がり、木の幹の下では美味しい果実がさえずるようになっている。

村の人たちは、タイナスがいっぱい入ったバスケットへ喜んで収穫して積み込みながら、ソンフー畑のその場で商人たちに売っている。

昔は白菜やレタス等の野菜を栽培していたが、収穫量はとても少なかった。

そして、2012年までに、この村では、約2ヘクタールのタイナスを栽培してきた。

最初の試行栽培では、タイナスはここの土地と気候に非常に適していることがわかり、翌年にレタスと白菜の畑作からタイナスに切り替える動きが加速した。

現在、トゥオンロック村の全体で、46ヘクタールのタイナス栽培のソンフー畑が広がっている。

タイナスは、暑い夏を避けて、1月から5月までと、9月から翌年1月までと、年2回にかけて作付け、生育、栽培、収穫される。

商人たちからは、トゥオンロックのタイナス品種は販売しやすく、他の品種ほど硬くなく、美しい良性の色であるため、価格も高くなると言われた。

トゥオンロックのタイナスは、VIETGAP基準に基づいて、防腐剤なし、害虫なしで栽培されているため、お客様から信頼されており、その特長から価格が高くなって、大体、1キログラム当たり 1万3千ドン～ 1万5千ドンVD（日本円で約65円から75円ぐらい)で売られている。

また、この村の人たちは、タイナスから1ヘクタール当たり平均3億ドン～4億ドンVD（日本円で約150万円から200万円ぐらい）の収入を得ることが出来る。

この村の人たちのお話しを聴くと、以前は、子供を良い学校にに入らせるために、ほとんどの世帯の中で、母親か父親が地元故郷から離れて、出稼ぎ労働者として、ベトナム国内の北部または南部に移動して、会社従業員として会社勤めをして、月額の給与 4百万ドンから６百万ドンVD(日本円で約2万円から3万円ぐらい)で働く必要があった。

しかし今では、トゥオンロック村の人たちは、タイナス栽培のおかげで、故郷で、夫婦で子供を一緒に育てながら働いても安定した収入を得ることが出来るようになった。

タイナスのおかげで、同じ耕作地での収入増加による地域経済への貢献も出来て、さらにこの村の人たちが、ベトナム人たちが一番、幸せに感じている "家族、世帯が一緒に暮らす勤勉な毎日の生活を送ること" が出来るようになっている。

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