ベトナムの多様性と統一性について㉝ハティン省ブークアンの貧困と水害からの脱出〜詩情溢れるガンチュオイ湖〜
ハノイの中心部から車で南へ約7時間、美しく詩情あふれるハティン省ブークアン区のガンチュオイ湖に到着する。
チュオンソン山脈のふもとにあるブークアン地区は、かつて国内で最も貧しい 62地区の ひとつであった。
20 年以上前に、この山がちの国境地区は、ハティン省で、最も辺鄙へんぴで、最も貧しい 12 のコミューンという位置付けで、貧困脱却政策に基づいて設立された。
貧困の原因のひとつは、その住民たちの生活基盤の未成熟さ、困難な地形、貧弱なインフラが原因のひとつだったが、ほとんどの場合、自然が厳しすぎることが原因。
ブークウアン地区の人々は次の要因も共有して感じていた。木も作物も、牛も豚も鶏も、家屋も大洪水、水害で何も残らなかった。
嵐と洪水は、毎年、ブークアンの森に出没する幽霊のようなものだ。どんなに頑張っても自然には逆らえない。為す術はなかった。
ブークアン地区の住民は、見上げると大雨が降るたびに、大洪水が、いつも数時間後に襲ってきたと語った。 毎年3～4回の大洪水がある。大洪水は、すぐに襲いかかるようだった。人々は逃げることだけを心配してたが、とにかく、すべての財産を失った。
ここの家はどれも同じで、屋根の下には梅雨の時期に合わせて、隠れるための避難部屋が必ずある。貧困は、永遠に続く。
ベトナム政府とハティン省の2009年からのNganTroi - CamTrangグアンチゥオイカムチャン灌漑プロジェクトの建設が始まったとき......誰よりもブークウアンの人々が、最も幸せだったのは、おそらくそのような苦しみから解放されるのではという微かな期待だった。
サウザンド・トロイ川の氾濫を断ち、何世代にもわたって取り憑いてきた「幽霊」を追い払うことができるプロジェクトへの期待。
その期待は、特にハティンで、最大の灌漑プロジェクトに道を譲るために、自ら、故郷を離れることを余儀なくされたフォンクアンとフォンディエンの地区の600以上の世帯にとって、大きな決意に変化していった。
何千もの人々、トロイ - カム チャン、600 を超える世帯、20 の教会と礼拝所、2 つの地区であるフォン クアンとフォン ディエンの 3,000の墓地の移民プロジェクトを実施して、故郷を湖底地域に割譲するために、新しい土地に移動しなければならなかった。
地元の人々の犠牲と、プロジェクト実施者の努力と知性が、ガンチゥオイを新たな革命へと一大移転となった。
複雑な地質と地形にもかかわらず、困難な天候にもかかわらず、ブークウアンの人たちは ガンチゥオイ湖を最も包括的なプロジェクトに変えた。
ガンチゥオイ湖が、2017年 2月から貯水を開始。その後の数年間は、年間1億5000 万から2億5000 万 m3 の水が灌漑されている。
特に 2019 年 9 月の洪水では、ガンチゥオイが約 3 億 m3 の治水に参加したため、ブークウアン、フォンソン、ドゥックトォ地区の下流域全体が対象となった。
ガンチュオイ湖のメインダムの側には、国内で 3 番目に大きい灌漑用湖のために犠牲になった人々への感謝を記念する寺院が今も残っている。
ホー・サウザンド・トロイ、一大プロジェクトのおかげで、今日のブークアン地区は、まったく信じられない別の土地に生まれ変わってきた。
それは、新しい農村の目的地に到達する国の最初の国境の山岳地帯。この革命的な田舎の苦難と、苦難から、一歩一歩、絶えず変化し、突破口を開いている。
2016年から現在に至るまで、ヴークアン地区全体で12棟の共同文化住宅と洪水回避を組み合わせたものを建設し、多くの資金源から動員して413棟の洪水に強い家屋を建設してきたが、ガンチゥオイ湖のおかげで、大洪水は遮断され、めったに、洪水回避機能は、使用されてない。
自然災害の心配もなくなり、そのおかげで経済生活や田園建設も盛んな地区に生まれ変わってきた。
かつて浸水した地域は、現在、新しい農村地帯となっている。ガンチゥオイ湖からの水を運ぶ運河は、何十キロメートルにもわたって畑を通り抜け、洪水を排水し、灌漑用の水を提供しる。これは、人々が洪水を回避するのに役立つだけでなく、生産、投資、および経済開発における心の平和にも、美しく澄み渡って、役立っている。
ベトナム国の貧しい地区から、ブークアン地区は豊かな山岳地帯になり、ガンチュオイ湖のおかげもあって、新しい田舎の目的地に到達する最初の国境となった。
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