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「フィードフォワード」の技術をマスターすると、マネージャーとして「やってはいけないこと」をやらなくなる

「会議」から、企業の生産性を高める」ことを生業とされているコンサルタントの方と先程お話したときのこと。

予算もメンバーがいないゼロの状態から新規事業立ち上げを成功させた経験があり、コンサルとしても、スタートアップのような小規模な企業や、1000人を超える老舗企業まで様々な企業をご支援されていて、面倒を見ている企業の平均成長率が160%というから凄腕なんだろう。

その方と「今の時代、マネージャーに求められるものとは何なのか」といった話となり、「フィードフォワード」というスキルの有用性について教えていただいた。

「フィードフォワード」とは、よく仕事で用いられる「フィードバック」という言葉の対局のアクションで、「すでに行われた行為やパフォーマンス」に対してではなく、「これから対処しようとしている未来と現在のギャップ」に目を向けてアドバイスをすることである。

フィードバックは性質上どうしても批判的な意見が増えてしまうことが多いので、「たとえどんな有益な内容であっても、誰もが素直には受け入れにくい」という特徴がある。
確かに、上司からならまだしも、部下からネガティブな意見を言われると、否が応でも身構えてしまう気持ちは多くの人に共通するのではないだろうか。

(注)たまに、恐ろしく柔軟に、どんな耳が痛いフィードバックをもするりと飲み込む大物タイプもいるが、これはレアケースだと思われる。

…ちなみに余談だが、正しいフィードバックは「解釈や主観や判断を交えず事実を伝える」ことがルールなのだが、そんなことはほとんど知られていないことも背景にある。

変わって「フィードフォワード」は「変えられない痛い過去」についてはいったん完全スルーし、「未来の達成したいことのみに目を向ける」ということで、ネガティブな感情が生まれにくい点が特徴である。
人は「将来に対して建設的なアドバイスをもらうこと」が好きな生き物なので、フィードフォワードは好意的な行為だと周囲には受け止められやすい。

図1

…といった違いが「フィードバック」と「フィードフォワード」には存在するので一応整理してみた。

自分自身の歴史を振り返っても、自分から積極的にアドバイスを求める人の共通点として、フィードフォワードが自然とできている人が非常に多いが、話した後のすっきり感や実践度合が明らかに違うのは歴然たる事実だ。


■そんな素晴らしさはなんとなく頭で理解しつつ、フィードバック型コミュニケーションに慣れた身にフィードフォワードを実践するのは難しい。

そこで、上で登場したコンサルさんに「フィードフォワード」を自然にやるためにはどうしたらよいのかと尋ねてみたら、

①メンバーから「どうすればよいか」聞かれたときに「対策」だけアドバイスできるよう一緒に考える
②「なぜ?」は厳禁 ※●クルート出身の方には異論噴出しそうだが。。
③①以外で自分から何かを指示したり・教えずに「1日最低1承認1メッセージ」を継続する

…これだけで自然と「フィードフォワード」やれるようになるとのことです。

「なぜ?」は突き詰めても答えがない禅問答になりがちで、アドバイスするうえで参考になりづらかったり、焦点が「なぜ?の深堀り」になりがちで、建設的になりづらいからとのこと。

また、「答えを知っている(と思っている)人」から見て、何かを試す人の方向性が間違っていることがわかっても、その試す人に指示して正しい答えにたどり着くより、自分が思う通りにやってみて間違いを自覚したほうがその後同じミスをしなくなる可能性が高まるからとのことです。
※無理やり自分がやりたいことを捻じ曲げると、必ず同じ方法を今後どこかでトライするので、その方向性が良くない場合、早く実際にやって失敗するほうが成長につながるとのこと。

VUCA時代はとかく「ルールが変わり、方法が見えない」時代なので、「why」が力を失いつつあり、「HOW」が求められる時代になった。

リーダーはメンバーを成長させる責任を負い、片やメンバーは成長と目標を達成する義務を負うが、まさにこのあたりを潤滑油としてフィードフォワードがつないでくれるわけですね。

ふと思ったのだが、下記記事にある「マネージャーとしてはやってはいけないこと」を上に書いたテクニック実践をするだけで全部やらなくなる、というところがすごい。

1. □メンバーの気持ちや状態を察知しない
2. □トラブルを報告すると、嫌な顔をする
3. □自分の作業を優先し、メンバーからの質問や相談などに時間を割こうとしない
4. □自分の発言やメンバーに依頼した事項の内容を忘れている
5. □顧客や他部門と調整する力がなく、先方に一方的に仕様や納期を決められてしまう
6. □立ち話程度で済む内容でも、やたらと会議を開きたがる
7. □話がとにかく長い
8. □思考や発言に論理性がない
9. □根拠(データ)のない解釈で物事を判断し、進める
10. □仕事の目的や成果物のイメージがあいまいなまま、仕事を依頼する(丸投げする)
11. □効率や生産性を優先し、モチベーションを上げることに関心がない
12. □感情の起伏が激しい
13. □メンバーの話を聞かない
14. □よほどのことがない限り、メンバーを認めない
15. □自分の手柄に執着し、チーム全体のことを考えない
16. □感謝や謝罪の気持ちを表さない
17. □人を傷つける破壊的コメントをする
18. □「いや」「しかし」「でも」で文章を始める
19. □責任回避する
20. □特定のメンバーを優遇(あるいは冷遇)する

https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1210/03/news002.html


恐るべし、フィードフォワード。

フィードフォワードはメンバーではなくマネージャーを成長させる最高の方法論なのかも。

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