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場末のディサービス(3人は仲良し)

つるちゃんの様子がおかしくなったのは何時ごろからか・・・・・
少しずつ認知症が進行していったように思う。最初の頃は 簡単な物忘れ
ディサービスの日を間違えたり、つるちゃん専用の冷蔵庫に同じ食品が
いくつも並んだり 笑って過ごせるようなことだったのに・・

ある日 つるちゃんが「純子先生 私 もう死にたい」と言ってきた
いろいろ話を聞いて キィパーソンのお嫁さんに連絡してみると
最近長男さんの家から 次男さんの家に引っ越しされたとのこと
長男さんは早くに他界されお嫁さんやお孫さんと生活されていたのだが
事情があって次男さん家族と生活されるようになったらしい

つるちゃんなりにストレスを感じたのだろう
よく歳をとってから引っ越すのは良くない 環境の変化は悪いとか
言われているが 確かにそういう ケースは多かったように思う。

つるちゃんが顔に怪我をして来所された。
「つるちゃん 美人が台無しやわ〜 転んだん?」
つるちゃんは 恥ずかしそうに笑っていたが、お嫁さんから連絡があって
2階から飛び降りたそうだ 
老人性鬱と言われて薬が処方された。
来所されてからも 具合が悪くてベッドで休む日があった。ただつるちゃんは
オロナミンCが大好きで 具合が悪くなるとオロナミンCを飲むと
元気になって ディサービスのスケジュールをこなされていた。

つるちゃんが胸痛を訴えたので もしかして心臓?と思い 看護師と
相談して救急車を要請した。
救急隊員がつるちゃんを救急車に乗せて 暫くすると 呼ばれた

「この方 今週これで3回目です。ご家族に連絡してください」と言われ
救急車から降ろされた。
後にも先にも救急車から降ろされたのは つるちゃんだけだった。
とりあえずご自宅にお送りして ご家族から話を聞いてみた

おばあちゃんは死にたいと言って お醤油を飲もうとしたり 洗剤を飲もうと
したりする 家族としては もう面倒を見きれないと話されていた

つるちゃんと仲良しのあやちゃんはご主人が亡くなられ 息子さんが帰って
きたりで家の中がゴタゴタしていて お休み中

うめちゃんは足の手術 リハビリと長期入院になっていた

ディサービスでの環境も変わっていた
つるちゃんを取り巻く環境が少しずつ変わって 寂しかったのかもしれない
大好きなパチンコも行っている様子がなかった
お嫁さんが 疲れている様子なので ショートスティを利用されることを
お勧めした。

つるちゃんが「死にたい」と言ってきた時に
もっと寄り添って 話を聞いてあげればよかった 悔やまれます。
ショートスティが増えて つるちゃんは入所になった。

その人らしい終わり方が できたらいいのに・・

利用者さんに 人生はどうだった 長かった?って聞いたら 
ほとんど方が「あっという間だったよ」って言われていた

 笑顔で話される方が多かった

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