見出し画像

中学受験 世界遺産の最重要POINT

世界遺産に関する知識は中学受験で出題される可能性が高く、毎年、必ずどこかの入試で世界遺産に関する問題が出されています。
必ず押さえておくべき知識をまとめましたので、是非この機会に確認してみてください。

世界遺産

世界遺産とは、1972年にユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づき世界遺産リストに記載された、顕著な普遍的価値をもつ建造物や遺跡、景観、自然のことです。
現在、世界遺産の総数は約1200件です。
建造物や遺跡などの文化遺産、自然地域などの自然遺産、文化と自然の両方の要素を兼ね備えた複合遺産の3種類があります。

日本にある世界遺産

1993年に「法隆寺地域の仏教建造物群」、「姫路城」、「白神山地」、「屋久島」の4件が日本で最初の世界遺産として登録されました。
そして、2024年9月現在、登録されている日本の世界遺産の数は26件(文化遺産21件、自然遺産5件)です。

                                    (出典:HIS

2024年7月 新潟県の「佐渡島の金山」の登録が決定

インドのニューデリーで開催された第46回世界遺産委員会において、「佐渡島の金山」が世界文化遺産として登録されることが決定しました。
これにより、日本の世界遺産は計26件になりました。

                                  (出典:NHK

中学受験における世界遺産の出題例

これまでも多くの中学校で世界遺産に関する出題がありましたが、「佐渡島の金山」が世界文化遺産として登録されることが決定したこともあり、2025年入試では多くの出題が予想されます。
今回、「佐渡島の金山」が世界文化遺産として登録が決定したことにより、鉱山という括りで、石見銀山、足尾銅山、別子銅山などの出題が増えることも予想されるため、是非チェックしておいてください。

まず、これまでに実際に出題された世界遺産に関する問題を紹介します。

(問題1:開智中学・改)
「明治日本の産業革命遺産」のなかには、日清戦争後の1901年に操業を開始した官営(①)製鉄所が含まれています。
長崎県といえば、佐世保に海軍の拠点がおかれていたこともあり、三菱長崎(②)所が長年稼働していました。現在でも佐世保市では(②)業が盛んです。

(問)空欄に入る語を、それぞれ漢字2文字で答えなさい。

【解答】
①八幡 ②造船
※世界遺産関連の出題は、世界遺産単独で出題されることもありますが、他の知識と関連させて出題されることが多いです。

(問題2:開成中学)
鉛は鉄砲の弾丸に使うだけでなく、銀の生産のためにも必要でした。戦国時代の日本において多くの銀を産出し、現在は世界遺産にも登録されている銀山を答えなさい。

【解答】
石見銀山(島根県)

(問題3:浦和明の星女子中学)
世界遺産である「明治日本の産業革命遺産」の構成資産といわれているものが長崎県には複数あります。その構成資産として正しいものを、次のア~エから一つ選びなさい。
ア:出島
イ:旧グラバー住宅
ウ:大浦天主堂
エ:亀山社中

【解答】
イ:旧グラバー住宅
※少し難しいですが、大浦天主堂は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産の一つです。

(問題4:共立女子中学)
2018年に世界遺産に登録された大浦天主堂を含む関連施設は、世界遺産としてどのような名称で登録されていますか。
「長崎と天草地方の潜伏(  )関連遺産」の形にあうように答えなさい。

【解答】
キリシタン
大浦天主堂は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成遺産の一つです。

(問題5:白百合学園中学)
「信仰の対象と芸術の源泉」として、2013年に世界遺産に登録された日本の文化遺産を答えなさい。

【解答】
富士山
※富士山は世界文化遺産に登録されましたが、正式な登録名は、富士山 - 信仰の対象と芸術の源泉です。

間違える受験生が多発しますが、富士山は世界文化遺産です!
理由としては諸説ありますが、富士山の開発が進んでいたことやゴミ問題など環境の悪化も深刻だったため、自然遺産としての登録が難しかったという理由が挙げられます。

世界遺産関連の問題は他にも、世界遺産である「法隆寺」に関連させて、仏教を伝えた百済の国王の名前を答えさせる問題(出題校:開成中学)や、「ブナの原生林」というキーワードからその山地名を答えさせる問題(出題校:開成中学)も出題されています。

(問題6:ラ・サール中学)
世界遺産を登録する国際連合の機関名を答えなさい。
なお、解答は略称でもかまいません。

【解答】
国連教育科学文化機関(ユネスコ)

佐渡金山に関するPOINT

・場所をチェック!

・トキの繁殖地として有名
トキは、国の特別天然記念物にも指定されています。佐渡には500羽を超えるトキがいると推定されています。

世界ジオパークとしても有名
ジオパークとは、地質・地形から地球の過去を知り、未来を考えて、活動する場所のことです。
2024年9月時点で、国内でユネスコ世界ジオパークに認定されているのは、糸魚川(新潟県)、洞爺湖有珠山(北海道)などの10地域です。

・佐渡を江戸幕府直轄(天領)として開発。
当時、日本で最大の金の産出量を誇っていた佐渡金山は、貨幣の原材料となる金を供給することを通して、幕府の通貨制度や財政を支えました。
※江戸時代に入ると徳川家康が佐渡に着目し、以降260年以上続く徳川幕府の財政面を支えていきます。

最後に

世界遺産で新たに登録されたものについては、その年の入試において時事問題として非常に出題されやすいです。
新たに登録された世界遺産の名称などの単純な書き取りだけでなく、過去に登録された世界遺産と関連させた問題が出題されることもあります。

繰り返しになりますが、入試ではただ名称を聞かれるだけではありません。例として、沖縄の「琉球王国のグスク及び関連遺産群」という名称を答える問題はこれまでほとんど出題されておらず、実際の入試では、登録されている世界遺産の一つである「首里城」を答えさせる出題が目立ちます。
また、登録名称「日光の社寺」についても入試では、「日光東照宮」、まつられている徳川家康が出題されることが多いです。

このように、ただ世界遺産の名前を覚えるのではなく、特徴など関連知識を頭に入れておくことを意識してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?