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直前期 頻出知識の総整理(化学分野)

化学分野は、水溶液、気体、物の燃え方、状態変化などから出題され、計算問題やグラフを読み取る問題も多く出題されますが、正解するためには正確な基本知識が求められます。
そして、化学分野に苦手意識がある多くの受験生が、知識の整理ができていないのが現状です。

言い換えると、入試に出る重要ポイントを正確に暗記しておくことで周りに確実に差をつけることが可能になります。
今回の記事では、化学分野で出題されやすく間違えやすい内容をコンパクトにまとめておりますので、是非ご活用ください。

水溶液の特徴

・透明であること(色がついていてもOK)
 ※牛乳などは該当しません。
・容器内の濃さが均一であること
・時間が経過しても、一度溶けたものが水と分かれないこと

物を早く溶かす方法

・温度を上げる
・かき混ぜる
・物を細かくする

溶解度

溶解度は、ある物が100gの水に溶ける最大の量を重さで表したものです。
・固体
の多くは、水の温度が高くなるほど溶解度は大きくなる。
 ※食塩は、温度が上がっても溶解度はあまり変わらない。

気体は一般的に、水の温度が高くなるほど溶解度は小さくなる
・水温が一定であれば、水に溶ける量は水の量に比例する。

ガスバーナーの使い方

1:ガス調節ねじ・空気調節ねじが閉まっていることを確認。
2:ガスの元栓を開く。
3:マッチに火をつけてから、ガス調節ねじをゆるめて点火する。
4:空気調節ねじを開き、青い炎にする。
 ※ガスバーナーの消火は、点火の逆です。

顕微鏡の使い方

・顕微鏡は、直射日光の当たらない水平な台に置く。
接眼レンズを最初に取りつけ、その後に対物レンズを取り付ける。
 ※対物レンズを先に取り付けた場合、接眼レンズのほこりが落ちるおそれがあるから。
反射鏡で明るさを調節する。
・プレパラートをステージ上にのせ、顕微鏡を横から見ながら調節ねじを回して対物レンズとプレパラートを近づける
 ※対物レンズを先にプレパラートに近づけておくのは、接眼レンズをのぞきながら近づけるとプレパラートを割るおそれがあるからです。
・接眼レンズをのぞきながらプレパラートから対物レンズを遠ざけるように調節ねじをゆっくりと回してピントを合わせる。

顕微鏡の視野

・顕微鏡では上下左右が逆になるため、接眼レンズをのぞきながら見たいものを動かすときは、プレパラートを動かしたい方向と逆方向に動かす。
・顕微鏡の倍率を上げると観察できる範囲は狭くなり、暗くなる。
・顕微鏡の倍率=接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率

上皿てんびんの使い方

・水平な台の上に置く。左右のうでに同じ番号の皿をのせる。
・(右ききの場合はかるものを左の皿、分銅を右の皿にのせる。
・薬品などをはかる場合、左右に同じ重さの薬包紙をのせる。
・分銅はピンセット重い順に乗せ、軽い順におろす。
 ※分銅の上げ下ろしの回数を少なくするため。
・使用後は、2つの皿を一方に重ねる。
指針の振れ幅が左右等しくなったときに、つり合ったと考える。

電気の伝導性

酸性とアルカリ性の水溶液は電気を通す。
食塩水以外の中性の水溶液(砂糖水、アルコール水など)は電気を通さない。
※食塩水は中性だが、電気をよく通す。

水溶液①

水溶液    溶けている物質
①塩酸     塩化水素
②炭酸水    二酸化炭素
③酢      酢酸
④石灰水    水酸化カルシウム
⑤重そう水   炭酸水素ナトリウム

水溶液②

・酸性
 例:ホウ酸水、酢、塩酸、炭酸水

・中性
 例:アルコール水、食塩水、砂糖水

・アルカリ性
例:石灰水、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水
※石灰水
には水酸化カルシウムが溶けておりアルカリ性を示す。
※アルカリ性の水溶液は、アルミニウムをとかすが鉄をとかさない。

酸素

・二酸化マンガンオキシドールを加えると酸素が発生。
 二酸化マンガン自身は変化しない(=触媒
 ※触媒:自身は反応の前後で変化しないもの
・二酸化マンガンの代用品:生のジャガイモやレバーでも可。
・酸素を集めるとき、最初に出てくる気体は一度捨てる。
水上置換法(水に溶けにくいため)
・酸素自体は燃えない。
・空気中の約21%を占める。
・金属と結びついてさびをつくる。

二酸化炭素

二酸化炭素の作り方3選
①石灰石にうすい塩酸
※石灰石の代わりに卵のからチョークも可。
②炭酸水素ナトリウム(重そう)を加熱
③炭酸カルシウムを加熱

下方置換法(空気より重いため)
・重さは空気の約1.5倍
・水に少し溶けて酸性を示す(=炭酸水)
・空気中の約0.04%を占める。
・固体はドライアイス

その他の入試頻出気体

水素 :最も軽い。
    :水に溶けにくい。
    :自身が燃える性質(可燃性)をもつ。

塩素 :黄緑色刺激臭あり。
    :漂白作用あり。
    :水道水やプールの殺菌などに利用

アンモニア:空気より軽い。
      :刺激臭
      :上方置換法
      :水に非常に溶けやすい

窒素:空気中の約78%を占める。

アルゴン:空気中の約0.9%を占める。

金属の酸化

酸化:ある物質が酸素と化合する反応

・鉄+酸素→酸化鉄
 ※酸化鉄は黒色の固体

・銅+酸素→酸化銅
 ※酸化銅は黒色の固体

マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
 ※酸化マグネシウムは白色の固体

中和

・中和とは、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせると、水と塩(えん)ができる反応です。
過不足なく反応した完全中和(中性の状態)と、どちらかが余ってしまう部分中和(一部しか中和されていない状態)の2つがあります。
・また、水溶液の温度は、完全中和の時に最も高くなりますが、電流は最も流れにくくなります。

物質の状態

・同じ体積で比べた水の重さは、4度のとき最も重い。※水の体積は4度のとき最小
・物質の状態が変わると体積が変わるが、重さは変わらない
・純粋な液体に不純物が混ざると、その分、液体の凝固点が下がる
 例:水の凝固点は0度。食塩水では凝固点は0度より低い。
・温度による体積変化
 気体>液体>個体
・水から氷になると、体積が約1.1倍増える。
 ※通常、物質が液体から固体になると体積は減る。
・氷を水に入れると、氷は浮く。
 理由:水から氷になると、重さは変わらず体積が増えるため、同じ体積あたりの重さは氷の方が軽いので、氷は水に浮きます。

湯気と水蒸気の違い

湯気:小さな水の粒目に見える
水蒸気目に見えない

燃焼条件

燃えるものがあること
新しい空気(酸素)があること
発火点以上の温度であること
 ※物はある温度以上でないと燃えださない。

ろうそく

ろうそく(炭素・水素)+酸素
二酸化炭素
※ろうには、炭素水素が含まれている。

外炎:最も温度が高い(完全燃焼)
    約1400度

内炎:すすがあり最も明るい(不完全燃焼)

炎心:気体のろうがある(燃えていない)。
 ※ろうそくは、芯が燃えているのではなく、吸いあげられた気体のろうが燃えている。

木の蒸し焼き

蒸し焼き
新しい空気(特に酸素)と触れないようにした状態で強く加熱し、熱により物質を分解する。
※特に重要なのは、「物質と酸素が触れ合わないようにする」という点です。

木ガスと呼ばれる気体が発生。木ガスは、水素や一酸化炭素を含んでいるため、燃える気体である。また、試験管から出てくると空気によって冷やされるため、白く見える。

黒い固体として木炭が残る。こちらは、ほとんどが炭素
 ※最後に残った木炭は、脱臭剤として利用される。

指示薬のまとめ

BTB溶液
酸性   :黄
・中性   :緑
・アルカリ性:青

リトマス紙
酸性   :青から赤
・アルカリ性:赤から青 

フェノールフタレイン溶液
アルカリ性:赤

ムラサキキャベツ液
・酸性   (強):赤
 酸性   (弱):ピンク
・中性     :紫
・アルカリ性(強):黄
・アルカリ性(弱):緑

ベネジクト液
があると、赤褐色の沈殿

塩化コバルト紙
に反応して赤色に変化

熱の伝わり方

・伝導:熱が物の中を移動していくこと。
 ※熱を伝えやすいもの:金属(銀、銅、金、アルミニウム、鉄)

対流:水や空気の動きにより、熱が移動していくこと。

放射:離れた物に当たりあたためること。
 ※途中に空気があっても素通りし、熱を伝えることができる

伝導と対流は熱を伝える物質が必要ですが、放射の場合は熱が直接伝わるため、真空中でも熱が伝わります。

水溶液と金属の反応

アルミニウム塩酸、水酸化ナトリウム水溶液共に反応し、水素発生。
塩酸と反応し、水素を発生。
塩酸、水酸化ナトリウム水溶液どちらとも反応しない。