
中学入試 社会で差をつける方法!
今回は、中学入試の社会に関する記事を掲載します。
対象としている層ですが、社会を苦手としているボリュームゾーン(偏差値45~55)の受験生を主に対象としておりますが、この記事を参考にして、是非、社会で偏差値60以上を目指してほしいと思います。そして、十分可能です!
今回、記事は長くなりましたが、その分有益な情報を詰め込みましたので、是非参考にしてみて下さい。
実際、近年の社会の入試問題を解いていると、偏差値60以上の難関校とボリュームゾーンと呼ばれる学校で出題される知識レベルに関しては、大きな差がありませんので、志望校に関わらずインプットすべき内容は膨大です。
そして、中学受験の社会は、学校によって出題範囲、傾向が全く異なります。
前回の記事で、過去問の重要性についてかなり詳しくお話ししましたが、社会に関しても志望校の過去問は必ずチェックしておいてください。
オーソドックスな知識問題ではなく「思考力・記述力」が求められている学校なのか、それとも語句の解答や選択肢の問題が多く、「知識量が合否の分かれ目」となる学校なのか、事前に必ず確認しておく必要があります。
中学入試における社会
中学入試の社会の出題は、地理・歴史・公民の3分野から構成されています。 また、近年起きた出来事を取り上げる「時事問題」も多くの学校で出題されており、大学入試レベルの高度な内容なども平気で出題されています。
最初の高いハードルは、知識を身につける作業です。
知識を効率的に身につけていく方法は、地理・歴史・公民の分野ごとに異なります。そして、知識は一度学習しただけでは身につくことはなく、繰り返し学習することを通じ、次第に完成していくものであるということを常に意識しておいてください。
それぞれの塾によってカリキュラムは異なりますが、学習時期は大体以下の通りです。
・地理:~5年生の1学期
・歴史:5年生の2学期~5年生の3学期
・公民:6年生の1学期
求められている能力ですが、志望校にもよりますが、ただ基礎知識を問う単純な基本問題から、思考力や判断力、表現力を問う問題、資料の読み取り問題まで幅広いです。
そのため、単純に知識を詰め込むだけでなく、その知識を応用して使えるようになることが重要です。
確かに、最近の中学入試の社会の問題は、大学入試改革の影響を受けて思考力重視の問題が多く出題されるようになっていますが、やはり「知識」は最も重要な土台であり、正確な知識なしでは高得点は難しいです。
これまで多くの受験生を指導させていただいた経験から、社会は、どの受験生でも点数を稼ぐことができる教科です。そして、最も伸ばしやすい科目であると考えています。
暗記がすべてではないのですが、他の科目と比べて暗記の割合が大きいのは事実です。そして、暗記科目は、努力に比例して点数を伸ばすことができます。
また、算数や国語の場合、当日出題される問題との相性もありますし、どれだけ得意でも、本番で失敗してしまう可能性が少なからずあります。
しかし、社会は大きく失点するということが少ないのが特徴です。
これまで上位層の生徒を見ていて、中学受験の合計点で高い点数をとる生徒は、社会の点数も安定しているケースが非常に多いです。
このことからも、中学受験を突破するには、社会の得点力を十分に身につけることが近道になります。
近年の入試の特徴
他教科の入試問題と同様、社会科の入試問題においても、知識自体を問うという従来型の出題は減り、「知識の活用力」を試すという流れが加速しています。
実際、出題傾向の変化は、「初見問題」の増加として表れています。
「初見問題」とは、多くの受験生が初めて目にする題材を、覚えてきた知識の活用によって考察し、試験場での対応力を測るという出題です。
2025年に出題された問題をいくつか紹介します。
【出題校:栄東中学(東大特待Ⅰ)】
高度な技術や知識を持つ外国人労働者を高い給与で雇うことは、海外への進出を考えている企業にとってどのようなメリットがありますか、考えて書きなさい。
(参考解答)
企業が海外に進出した際に、現地の企業や政府との仲介役としての役割を外国人労働者が果たしてくれるというメリット。
【出題校:大宮開成中学】
2024年7月から新紙幣が発行されました。近年、電子決済の普及が進む中で現金を持ち歩くメリットは何ですか。あなたの意見を50字以内で書きなさい。
(参考解答)
停電や端末のトラブルがあった場合でも、現金を持ち合わせていればすぐに対処できる点。
確かに、このような思考力を問う問題が増えているとはいえ、あくまで入試で合否を分けるのは、まず基礎的な知識・入試頻出知識が確実にインプットされているかどうかです。
しかし、近年の中学受験では、受験生全体のレベルが年々上がっており、基礎知識の暗記だけでは差がつきません!
できる限り早い段階で基礎知識を正確に押さえ、思考力を要する問題などの演習に、「どれだけ時間を投入できるか」が難関校に合格できるか(偏差値58の壁を突破できるか)どうかの分かれ目になります。
受験生に求められている能力
①地理
まず最初に学習するのは日本地理です。
そして、つまずく生徒が多いのが、日本の河川や山脈、主要都市といった点です。
確かに覚えることが多い地理分野ですが、白地図に自分で書き込むと驚くほど知識が定着します。
日本の地理が頭に入っていると、歴史の学習の際にも効果を発揮するので、最初は確かにつらいですが、確実に身に付けてください。ここを乗り切れるかどうかが一つの勝負の分かれ目です!
そして、「地理」は3つの分野の中でも、特に差がつきやすい分野です。
その理由としては、以下の2点が考えられます。
①地理の学習終了後、再び学習するまで間隔があくため、覚えた内容を忘れてしまうこと。
②地形図の問題や統計資料など、「適切な対策をしたかどうか」で大きく差がつく問題が出題されること。
繰り返しになりますが、日本地図を暗記することが最優先です。具体的には部屋の壁などのよく目につく場所に日本地図を貼る、地図パズルを何回もやってみるなど、地図を頻繁に目にする環境を作り出すことにより、日本地理を頭に入れてしまいます。
また、「白地図トレ-ニング帳(サピックスメソッド)」や「中学入試 でる順過去問 白地図 合格への217問 四訂版」などを活用し、日本地図及び県庁所在地・山脈・河川などの関連事項をマスターすることが最初の関門です。
暗記をフォローしてくれる教材もありますので、後ほど紹介します。
また、知識のインプットですが、正確な暗記が何よりも重要です!
なぜなら、社会は「漢字指定の問題」が多いからです!
2025年に実際に出題された入試問題を用いてご説明します。
【出題校:攻玉社中学】
令和2年、熊本県人吉市の中心部を流れる河川が氾濫しました。市内の全世帯約5分の1に相当する約3,000世帯が浸水するなどの被害に見舞われました。氾濫した河川の名称を漢字で答えなさい。なお、この河川は、「日本三大急流」の1つでもあります。
(解答)
球磨川
どうですか?正確に書けましたか?
また、効率性を重視するため、頻出の「日本三大急流」もセットで押さえます!
<日本三大急流>
・最上川
・富士川
・球磨川
このような学習を続けていくことで、得点は伸びていきます。
②歴史
歴史は、まず以下の2点が重要です。
①時代の大きなイメージ(枠組み)をつかむ。
②因果関係を理解する。
①については、最も効率が良いのは日本史の「学習マンガ」を活用することです。
日本史の学習マンガは監修もしっかりしており、流れをつかむことが苦手な受験生にもおすすめです。
②そして、「因果関係」を理解することも重要です。
例えば、米騒動は入試でも超頻出です。
では、「なぜ米騒動が発生したのか?」という背景まで理解してこそ、記述問題などに応用が利きます。
<例:米騒動が発生した理由>
⑴第一次世界大戦中にロシア革命が起こります。
⑵この革命は、「全員が平等な社会をめざす」という社会主義の考え方です。
⑶日本やアメリカは、社会主義の広まりを恐れます。
⑷日本やアメリカは革命をおさえようと「シベリア出兵」を行います。
⑸日本の商人たちが、シベリア出兵を察知し、米の買い占めを行い、値段が一気に高くなります。
⑹富山県の主婦が米の安売りなどを求める運動をおこしたことをきっかけに、全国各地で暴動(米騒動)が発生します。
このように、因果関係を押さえることは非常に重要です。これにより暗記しやすくなりますし、多様な問題に対応できるようになります。
また、歴史は、紛らわしい名称も特に多いので注意が必要です。
一つ例を紹介します。
【出題校:2025・浅野中学】
日本における宗教の歴史に関係した文として適切でないものを、次のア~工の中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 奈良時代、唐から日本にわたってきた行基は唐招提寺を創立した。
イ 平安時代、唐に留学した最澄は天台宗を日本に伝えた。
ウ 鎌倉時代、日蓮は「南無妙法蓮華経」をとなえることにより救われるという法華宗(日蓮宗)を広めた。
エ 室町時代の浄土真宗(一向宗)の広がりを背景として、加賀の一向一揆が起こった。
(解答・解説)
ア
選択肢アですが、中国から仏教を伝えるために来日した鑑真が建てたお寺です。
大仏建立に貢献した僧である行基とまちがえる受験生が多いため、その点を狙った出題であると考えられます。
※紛らわしい知識が多いからこそ、正確な暗記が何よりも重要です!
③公民
地理や歴史は、旅行や戦国時代の戦いなどに興味がある生徒にとっては苦労なく学習できる科目です。
しかし、公民に関しては興味があるというお子さんはほとんどいないでしょう。
なぜなら、公民は社会の仕組み(税金・選挙・財政・地方自治など)に関する分野です。社会の仕組みに関心がない(縁がない)お子さんにとっては興味そのものが持てず、さらに用語自体も難しいものが多いので苦手とする受験生も多いのです。
そして、「公民分野の出題は少ない」と思われがちですが、時事問題、地理、歴史に絡めた総合問題を作りやすいのです。
公民を学ぶ上で大切なことは社会問題への関心です。時事問題への対応は、普段使用している教科書・テキストだけでは対応しきれません。そのため日頃からニュースに接し、時事問題に対する慣れを作っておくことも大切です。
実際、試験本番では、「ユニバーサルデザイン」「バリアフリー」「ノーマライゼーション」など、実際の社会で頻繁に耳にするカタカナ用語に関しても、正確に理解しておく必要があります。
また、「公民」は数字に関連する出題が多いです。
例えば、内閣不信任決議の可決に関連する数字です。
「内閣不信任決議が衆議院で可決された場合に、内閣は10日以内に解散か総辞職をしなければならない。」と憲法に明記されています。
また、被選挙権の年齢は頻出です。
被選挙権が25歳となっているものを挙げてみます。
衆議院議員、市町村長、都道府県議会議員・市町村議会議員です。
一方、被選挙権が30歳となっているものは参議院議員、都道府県知事です。
これらは本当に頻出です!!
そして、数値を正確に暗記しておかないと試験本番では絶対に得点できません。
参考までに2025年の問題を紹介します。
【出題校:慶應義塾中等部】
2024年10月1日に( ① )会で自由民主党(自民党)の石破茂氏が首相(内閣総理大臣)に指名されました。直後に衆議院が解散され、同月末に衆議院議員総選挙が行われました。
総選挙の結果、小選挙区から( ② )名、比例代表から( ③ )名の議員が選ばれました。その後( ④ )会が開かれ、11月11日の首相指名選挙で石破氏が再び首相に選出されました。
空欄に当てはまる用語を答えなさい。
(解答)
①臨時 ②289 ③176 ④特別
小学生には選挙はなじみが薄いです。しかし、入試では頻出です!
そして、他の分野に比べ、公民では、数字(かなり細かい点も含む)が問われることが多いです。そのため、公民分野では、難関校、中堅校問わず、細かい点まで正確に押さえておかないと得点に結びつきません。
今回の、小選挙区から289名、比例代表から176名というのも受験生には常識の知識です。また、今回の問題では、国会の種類に関しても正確に押さえておかなければ正解に辿り着けません。
※知識を正確に押さえておかないと、「残り2つの選択肢で悩んだ挙句、間違えて失点」ということが頻繁に起こります。
入試では1点が合否を分けるので、日ごろから意識して、入試頻出事項に関しては、特に正確に暗記することを心がけてください!
繰り返しになりますが、正確性が合否を分けます!
④記述問題への対応力
最近の中学入試の問題傾向の一つとして、記述問題の出題が増えているということが挙げられます。
そして、データや資料を読み取ったうえで理由などを記述解答する、「思考力を問う問題」が増えているのも事実ですが、従来から出題されている典型記述問題に関しては、2025年も多くの有名校・難関校で出題されています。
いくつか例を紹介します。
(例1)【出題校:2025年・久留米大学附設】
地租改正は国の収入を安定させるために行われたが、地租の改正がどうして国の収入の安定につながるのか。40字以内で説明せよ
(解答)
地価の3%を税として現金で納めさせ、不作の場合でも政府の収入は安定したため。
(例2)【出題校:2025・慶應義塾中等部】
「明治日本の産業革命遺産」に登録されている官営八幡製鉄所(福岡県)は、なぜその場所に開業したのか、燃料や資源の観点から30~50字で答えなさい。
(解答)
石炭の産地である筑豊炭田に近く、石炭の調達に便利であったため。
(例3)【出題校:2025・フェリス女学院中学】
一般的に、選挙で勝利した政党は与党として政権につき、そうではない政党は野党になります。多数決では野党の意見は通りませんが、それでもなお野党には重要な役割があります。この役割とは何か、説明しなさい
(解答)
与党の政策に対する批判や提言を行い、少数意見も政策に反映すること。
頻出の記述問題は、ある程度限られているので、塾の授業でも必ず触れています。日ごろからの演習を通して、即座に解答できるようにしておく必要があります。
1点が合否を分ける中学入試において、このような典型的な記述問題での失点は許されません。
典型的な記述問題については、塾のテキストなどで万全にしてください。
⑤時事問題を背景とした出題
公民は時事問題と絡めて出題されることが多いと最初にお話ししました。
時事問題といえば日々のニュースで話題になっていることですから、ニュースを見ているお子さんとそうでないお子さんでは大きな差がつきます。
できれば、毎日少しでも良いのでニュースを見るようにしましょう。子ども向けニュース番組もありますから。
現在、世の中で何が起こっているのか、興味をもつだけでも大きな差が生まれます。
ここで、2025年に出題された時事に関連する問題を紹介します。
どの問題も出題が予測できていた標準的な問題ですので、どの学校で出題されたとしても落とせない問題ばかりです。
【出題校:2025年 ラ・サール中学】
2024年7月、イギリスで総選挙が行われ,与党が敗北し,勝利した野党の党首であるキア・スターマー氏が,新たな首相に就任しました。スターマー氏が率いる政党が政権をとるのは14年ぶりとのことです。この政党の名前を漢字3文字で答えなさい。
(解答)
労働党
【出題校:2025年 淑徳与野中学】
日本と海外を比較する際に用いられる経済指数があります。日本の指数は、2023年にドイツに抜かれ、世界4位に後退しました。その指数とは何ですか。漢字5文字で答えなさい。
(解答)
国内総生産
【出題校:2025年・早稲田実業】
路面電車の走っている都市は少なくなりましたが、2023年8月に、関東のある都市で75年ぶりに新しいLRT(次世代型路面電車)が開通しました。その都市名を答えなさい。
(解答)
宇都宮市
【出題校:2025年・フェリス女学院中学】
トラックによる輸送の一部を鉄道や船に置きかえることが推進されています。このことを何といいますか。
(解答)
モーダルシフト
【出題校:2025年 慶應義塾中等部】
2024年にはアメリカ大統領選挙も行われました。大統領候補は、大統領への返り咲きを狙う( あ )党のトランプ氏と、初の女性大統領を目指す( い )党のハリス氏でした。候補者は各政党の州大会を経て、直前の夏に開催される全国大会で政党から正式に発表されます。法律に基づき、選挙は「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」に実施され、州ごとに数が決められた( う )を合計で270人以上獲得した候補が勝利します。
(解答)
あ:共和 い:民主 う:選挙人
時事対策の授業は、塾でも実施されると思いますが、各出版社から毎年秋頃に時事対策本が出版されますので、こちらも是非活用してみてください。

お薦めの参考書・問題集
インプット用教材
・社会コアプラス(サピックスメソッド)
サピックス小学部の受験指導に基づき、有名中学で出題される社会全分野の頻出知識を「核(=コア)」として集約。
知識の確認・定着に最適な一問一答形式により、毎日くり返し学習すれば、有名中学に合格するための「知識力」が身につきます。
中受社会の問題集としてはかなり有名な本書です。SAPIXが出している本だけあって使用者が多いです。
しかし、初学者向けというよりは、塾のテキストを終わらせた受験生が語句を覚えているかを確認するために使うのに適しています。また、本書は一冊で全分野の内容を掲載しているので、長期休業期間の総復習用のテキストとして使用するのも効果的です。
しかし欠点としては、分量が多すぎる点(最後までやり遂げられない生徒が続出します・・・)、細かすぎる知識が掲載されており、志望校によっては非効率な面があることです。
使用する際には、この点も考慮してください。
・るるぶ地図でよくわかる都道府県ワークブック
日本地図や都道府県別の地図に名産品のシールを貼ったり、重要な地名をなぞり書きしたり、日本地理や都道府県に関するクイズに答えたり、お子さんが手を動かし、楽しみながら47都道府県について学ぶことができる楽しい仕掛けが盛りだくさんの1冊です。
覚えにくい日本地理の暗記の補助教材として参考にしてみてください。
・中学入試にでる順社会地理
中学入試の独自の分析にもとづき、頻出のテーマを“でる順”に掲載しています。
「要点+問題演習」の構成で、手軽に効率的な学習ができます。
スタディサプリ講師の監修による、難関校突破に必要なエッセンスも!
日常学習から、直前期の追い上げにも最適な1冊です。
同じシリーズで、歴史編も出版されています。
演習用(アウトプット用)教材
・中学入試超効率問題集社会 (シグマベスト)
「最新の入試データ×自分に合った勉強法」で最短ルートで合格をめざす問題集であり、頻出問題を効率よく演習できる問題集です!
単元ごとの復習や受験前の総まとめにもオススメです!
2024年に出版された書籍ですので、入試問題やデータが新しい点もおすすめできる点です。
・中学入試最高水準問題集社会 (シグマベスト)
難関校の問題を中心に徹底分析し、良問を厳選しています。
実際に入試で出された問題を使っているので、入試本番への対策ができます。
有名な最高水準問題集のシリーズではありますが、算数や理科に比べるとかなり取り組みやすいです。是非一度、本屋で手に取ってみてください。
社会を強化したい(得点源にしたい)ボリュームゾーンの学校の受験生にも十分おすすめできます。
ハイレベルな問題には、あらかじめ「難」マークが付けられていますが、基本的にはパスして構いません。
最後に
中学入試では、算数や国語の学習に時間を費やしてしまうため、社会にかける学習時間はどうしても少なくなりがちです。そして、直前期に詰め込もうとする受験生は少なくありません。
確かに、算数や国語に比べると配点が低いことも多いですが、適切な学習により、どの受験生でも点数を稼ぐことができる教科であり、比較的短時間で結果につなげることができる科目でもあります。
そして、社会は日常生活からも学ぶことができます。
そもそも、何のために社会を学習するのでしょうか。
それは、自分と「社会」とのつながりを「イメージ」としてとらえるためです。
小学生にとっては、家庭と小学校がすべてですが、その外側にはもっと広い世界、つまり「社会」が広がっています。
社会の学習で重要なのは、社会と自分との結びつきへの想像力をはたらかせることです。
社会では、テキスト以外も立派な教材になります。例えば、旅行先で地理(河川など)を学習することもできますし、授業で扱った内容を踏まえて旅行先を選ぶこともできます。つまり、実体験を利用して学習できます。
私自身、毎年その年の入試問題(全教科)を可能な限り解いていますが、高得点をとるには、やはり算数が最も難易度が高いです。
そして、教科別の難易度が違うのに、算数で1点とることも社会で1点とることも、総合点という点で考えれば同じ1点です。
だからこそ、社会では絶対に取りこぼしてはいけません!
今回の記事が、社会を苦手としているご家庭に少しでも役立てば、こちらとしても本当に嬉しいです。
これからも、皆様の合格に向けて定期的に記事を掲載していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
「X(旧Twitter)」でも知識問題を定期的に投稿しておりますので、是非知識の拡充に役立ててください。