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合不合判定テスト対策について

本日は、多くの中学受験生が受ける模試である「合不合判定テスト」について詳しく解説します。

まず、中学受験公開模試としては以下の4つが有名です。
・SAPIXオープン
・四谷大塚 合不合判定テスト
・日能研 実力判定テスト
・首都圏模試センター 合判模試


合不合判定テストとは

四谷大塚が実施している約50年間の長い歴史を持つ首都圏随一の合否判定テストで、年間6回実施されており、過去の膨大な出題データの分析によって精選された問題が出題されるため高い信頼を得ています。

また、合不合判定テストは、希望した私立中学校で受験可能です。そのため、第一志望の学校を受験会場として選択することもできます。
これにより、緊張した雰囲気の中でテストを受けることができ、本番の入試に向けて良いトレーニングを積むことができます。

合不合判定テストの特徴

①正確な合格判定

受験人数も1年間で約8万人であり、合格判定の面でも非常に信頼できます。また、サピックスや早稲田アカデミー、日能研の生徒も受験するため、母集団の質が非常に高くなっています。
受験する学校により傾向が大きく異なる中学受験において、合不合判定テストの判定がすべてではありませんが、このテストを通して他の受験生との位置関係や克服すべき課題を明確に把握することができます。

②難易度が標準的

SAPIXオープンは難易度が非常に高く、一般的に利用できる公開模試とは言えませんが、合不合判定テストは基本から標準的な問題を中心に構成されており、学習成果を確認しやすい模試といえます。

確かに、御三家・最難関校を強く意識したサピックスオープンに比べると難易度は下がりますが、問題数が多く(特に算数)、解答スピードが得点を伸ばす鍵になります。そのため、時間配分を意識しながら解く練習や、実践的な感覚を養う目的としての受験も有効です。

ただし、最難関校から中堅校まで幅広く合格率を測るテストのため、志望校のレベルによっては不必要な問題も多く含まれるのも合不合判定テストの特徴です。
また、模試の結果ですが、SAPIXの偏差値に比べて6~7程度高く出る傾向があります。

③志望中学がテスト会場

希望した私立中学で受験可能であり、第一志望の学校を受験会場として選択することもできます。そのため、本番の入試に向けて良いトレーニングを積むことができます。

合不合判定テスト 各科目の特徴と対策

国語(150点/50分)

合不合判定テストの国語は、漢字・語句問題などの知識問題、そして読解問題から構成されます。
漢字・語句問題は適切な対策をすれば必ず得点できます。そのため、得点できれば他のライバルに差をつけることができますが、得点できないと差をつけられてしまいます。
また、読解問題は標準的なレベルの出題ですが、比較的記述量の多い問題が出題されています。70字程度の記述問題が3問程度含まれており、時間に追われて解くことになります。

国語という科目は究極、きちんと問題文を読めたら適切な解法で解ける科目です。したがって、本文に書かれている情報を効率よく集めたうえで整理できるかが得点の分かれ目となります。そして、情報を効率よく集めるためにも語彙力の補強は必須です!

また、合不合判定テストで出題された出典については、時間があれば図書館で借りるなどチェックしておくことをお薦めします。実際にその年の難関校の試験で出題されたこともありますので。

算数(150点/50分)

合不合判定テストの算数は例年、大問1で計算問題、大問2で一行問題、大問3~9で文章問題が出題されます。平均点は例年90点に乗ることはなく、70点後半~80点前半くらいという印象です。

大問1・2ではケアレスミスがないように見直しを行いながら、確実に得点することが非常に重要です。また、大問3・4についても基本的な問題が出題されるため、確実に解答する必要があります。

大問1から4までの全問正解を目指したいところですが、図形問題や文章題で難易度が高い問題が出題されることがあるため、時間配分を考えつつ、解けそうな問題から取り掛かるようにしましょう。
特に、大問2の小問集合に時間がかかる問題が含まれていることが多々ありますので、そこに時間をかけすぎず、飛ばしてしまうことも戦略となるでしょう。
大問7・8・9は全ての問題を解くことは難しいですが、(1)だけは解けることが多いです。
模試を復習する際は、まず大問5までの問題を最優先に
習してください。

理科(100点/35分)

合不合判定テストの理科は、これまで学習した単元すべてが試験範囲の対象となっています。
そして、難易度は結構高めです。また、計算問題が多く出題された回は総じて平均点が下がります。
理科は、物理・化学・生物・地学の各分野から満遍なく出題されます。不得意分野を作らないように、偏りなく全ての分野を学習することが、高得点を取るためのポイントになります。

また、理科は暗記でカバーできる単元もありますが、暗記するだけでは対応できない単元も多くあります。理科は、暗記で対応できる教科と思われがちですが、用語を覚えるだけでは近年の出題傾向には対応できません。特に近年は、長文の問題(リード文)をしっかり読み、掲載されたグラフや表を活用し解いていく問題が増加傾向にあります。そのため、暗記だけでなく原理の理解も必要になります。
社会と比べて平均点が低くなりがちですが、社会と同様できるだけ全問復習することをお薦めします。

社会(100点/35分)

合不合判定テストの社会は、これまで学習した単元すべてが試験範囲の対象となっています。
20~30字程度の記述問題も出題されますが、適切な学習をしていたら得点できる問題がほとんどです。
また、公民が4月から出題されることも特徴です。

もちろん暗記がすべてではないのですが、正直なところ、他の科目と比べて暗記の割合が大きいです。
基本的に暗記科目は、覚えたら覚えた分だけ点数をとることができます。
算数や国語の場合、問題との相性がありますし、どれだけ得意でも本番で失敗してしまう可能性が少なからずありますが、社会は大きく失点するということが少ないのが特徴です。

合不合判定テストにおいても語句を暗記していれば解ける問題が多いですが、資料を丁寧に読み取らなければ正解できない、単純暗記ではまったく太刀打ちできないパターンも出題されます。
また、本番の入試で出題される可能性が高い時事問題も出題されるため、復習が非常に重要になります。

最後に

合不合判定テストは、直近の入試問題の傾向・流行を反映し、最新の中学受験事情に合わせて問題が作成されています。
合不合判定テストは、数ある中学受験の模試の中でも特に精度が高く、志望校合格のための課題が明確になる業界最大手の模試です。

結果に一喜一憂するのではなく、テストの結果を受け、何が必要で何が不要かを見極め、入試本番までに克服しなければならない課題を明確にすることが非常に重要です。そして、それこそが模試を受ける最大の目的でもあります。

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