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定番商品紹介:イギリスから消えゆくベストビター

割引あり

備後福山ブルーイングカレッジのつくるクラフトビールはミッションとして

ビールの多様性を楽しめる

ことを大切にしています

で、定番1つ目のコンセプトは

バランスよく仕上げ、飲み続けられて喉で楽しむビール

です

代表的なビアスタイルで言えばピルスナーやペールエールがこれにあたると考えていますが私が選んだのはイングリッシュペールエールです

大きな理由は私がビールに目覚めた一つのターニングポイントがスコティッシュパブだったことがあります

そしてイギリスのパブで4日間とはいえパブリカンの仕事を教えてもらった経験からイギリススタイルのビターを定番にしようと決めました

名前を”ベストビター”にしたことにも大事な意味があります

私がイギリスでパブリカンの勉強をさせてもらったのが2004年

BATH の近くにある THE WELLINGTONです(2004年当時はTHE WELLINGTON INNという名前でした)

イギリスから帰ってきてPANGAEAを開店させた私はしばらくイギリスに行くことがなかったのですが2019年 世界一歴史の長いビールコンペティションIBC(International Brewing & Cider Award)に審査員として参加させていただくことになり15年ぶりにイギリスに訪れました

もちろんTHE WELLINGTONにも寄りましたがその時に衝撃を受けたのです

まずイギリスに着いて当たり前のようにビールを飲みます(勉強です)
その時にずっと気になっていたことが有りました
それはAmberAleという表記のビールを多数目にしたことです

イギリスの伝統的なビアスタイルにはAmberAleというものは有りません

AmberAleはアメリカ発祥なんです

アメリカでクラフトビールがブームになり、ベルギーのビールがアメリカに輸出されるようになった2010年頃からベルギービールが少しずつアメリカのマーケットを意識した限定品をリリースしだしたり、全体的に味がライトになっていったりという変化が起きてきました

私は2004年にベルギーを訪れ、現地で飲んだOrvalやHommmelなどに感動したこともあります
だから伝統的な味わいを少しづつ離れマーケット主導になっていくベルギービールを見ながらとても寂しい気持ちになっていました

その変革がイギリスにまで及んでいたことがとてもショックでした

そしてTHE WELLINGTONに着いたときに私が人生で一番感動したビールであるBATH AlesのGEMがBestBitterという表記からAmberAleという表記に変わっていたのです

2004年に私が飲んだ頃のGem


2019年に私が飲んだGem

このままではイギリスから、いや世界から”BestBitter”と呼ばれるビールが無くなってしまう!!

そういう危機感から私は定番クラフトビールの名前をBest Bitterに決めました

私のつくるBest Bitterがみんなに美味しいと思ってもらえればBest Bitterという伝統が消えずに残るのではないか

そのためには私のベストビターはいつでも美味しくなければならない

そういう想いでつくり続けているのが備後福山ブルーイングカレッジの
Old Days Best Bitter です

ちなみにOld Daysというのは私の中で”流行に流されず伝統的なビアスタイルを大事にしよう”という温故知新の気持ちを表す言葉でほとんどの定番クラフトビールにつけている冠詞です

ベストビターはペールエールモルト、クリスタルモルトとホップはフランスホップ、イギリスホップの2種類で仕上げています
興味がある方に向けて細かなレシピも記しておきます

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