広辞苑で遊ぶ
60年ぶりくらいに、中学生の時の『広辞苑』の遊びをしてみた。
テレビドラマ「舟を編む」で、挿絵の検討会でカッパが徳利を持っているのは何故なのか、という場面があった。当時の日本酒のTVコマーシャルでカッパの動画CMを見ていたので、当時は違和感はなかったのでは。その絵を現在も使う事については如何なものか。などの辞書作りの一端を知った。
その動画、原画のギャラリーを覗いたら、清水崑氏の懐かしい絵があった。確かによく見ていた。いつの間にか二代目の小島功氏のカッパにかわっていて、お母さんカッパが妙に色気があった。
そのカッパで遊んでみた。これが中学生当時の遊び方で、『広辞苑』を通して辞の苑が広がった。
1)かっぱを調べる
2)上記の「約」の意味や使われ方に疑問を持つ。「略」でも良いのでは。
③の「まわり」はなぜ平仮名なのか。平仮名の使い方は、何回も先生に聞いた覚えがある。
3)「つづめる」とか「つづめ」という言葉は初めて知った。自分が使っている「ちぢめる」とか「ちぢめ」とは違うのか。
「約音」とは何か。
他動詞、下一段活用って何。先生に聞きに行く。
普段使ってる「ちぢめる」は、自分達の方言で、一般的にあまり使われていないのか。そういう事も聞きに行った。
『広辞苑』の面白さは、大百科事典などのように分冊になっていないので、一冊の辞書の中を泳ぐように遊び回れるのが良い。一つの単語の前後を読んで、疑問を感じたらそれを即調べられる。
どうしても分からないこと、語釈の中で「が」や「は」などの格助詞の使い方で疑問を感じた事や、この部分の説明ではなぜ平仮名にしてるのか。こういう疑問は中学生の特権として、国語を教えている先生に聞きに行ける。
あらためて『広辞苑』で遊んでみると、中学生だから、まだ学校に通っていたから恵まれていたと感じた。
一つの単語を調べて、その前後も読んで、また調べて、それでもダメなら何時でも聞ける環境があった。先生にも分からないことがあると、どこかで必ず調べて教えてくれた。今よりも余裕の有る、良い時代だったのかなあ。
などと、懐かしく思い出してる。
あの当時、今も使ってしまうのだが、本のページをめくることを「くくる」と言ってて、それがどの辞書にも載ってなくて、物を纏めるとか纏めて縛るとかばかりで、方言なのか聞いたけど・・・あの答えは何だったのでしょうかね、先生。