架空GWの日記(捏造)
GWなんてものはなく、いつも通りの生活を送っている。
川の上流のように流れていくTwitterのタイムラインを眺めていると、世間は休みなのだとより一層実感する。(僕が仕事中にTwitterを眺めている件については言及しないでくれたまえ)
仕事をしながらその様子を横目に見ていると、「18連休だ~」といっている人がいた(フォロワーじゃなくていいねで流れてきた)
18連休。
このご時世18連休ってどう過ごすんだろう。
世が世なら1週間海外に行くとか、ちょっとした旅行やアミューズメントに費やせるだろうけど、このご時世じゃ難しいんじゃないだろうか。
とはいいつつ情勢的には一応自粛期間ではあるが、いざ街に出てみるとなかなかに人が多い。1年間の「自粛フラストレーション」のせいでみんな言う事聞けない状態なのだろう。
そこらへんには深く触れないとして、GWといえど通常運転の僕は「18連休貰ったら何しよう」という妄想をするしかGWを楽しむ術はないのだ。
ここからは僕の架空GW(5月1日分)の日記を公開することとする。我ながらキモイ遊びである。
架空GW1日目
ルール
・自粛期間なので出来るだけ外には出ない
・実際にできることしか書かない
・本当にありそうな日記を心掛ける
こう見ると狂気じみた遊びだな。
5月1日の日記(捏造)
GWの幕開けにふさわしい晴れた朝だ。夏の兆しが見える朝日が射しこんできて目を覚まし、徐に時計を見ると
4:13
うそだろ。
せっかくの休みだというのに僧侶のような時間に起きてしまった。最悪である。しかも僕は二度寝が出来ない性分なので、一度目が醒めてしまったらもう活動開始のスイッチが押されてしまう。
どうにか休みなのだから怠惰に過ごしてやるぞと思って布団に入り目をつぶるが、薄い壁一枚挟んで向こう側は道路になっているため車の音や犬の吠える声が聞こえてきてしまう。眠ろう眠ろうとすると眠れないのはなんなのだろう。
30分くらい無の眠気と格闘して、結局諦めることにした。
時刻は4:50。始発で出勤するサラリーマンが起きる時間である。
仕方がないので窓を開けて朝日と春の風を室内に呼び込むことにする。いつも起きる時間より2時間も早い。何をしようか、と考えるが12畳の部屋の中で出来ることは限られている。
何事も形から入るタイプの僕は、素晴らしいGWは丁寧な暮らしを心掛けていこうと思い、徐にやかんに水を入れてコンロにかけた。
そう、珈琲を淹れようと思ったのだ。怠惰に過ごすのが叶わないのなら、徹底的に丁寧な暮らしにしてやるぞという意気込みを込めて、珈琲を淹れた。正直、珈琲は全く好きじゃないのだが丁寧な暮らしをしている人々は珈琲を飲んでいるイメージなので珈琲を抜擢した。本当に好きじゃないなと思った。
お供はボサノバジャズ。ふむ、途端に森の小屋で休日を過ごすおしゃれ人種になったような気分だ。僕の実家は北軽井沢に別荘を持っているので幼少期の夏は良くそこで過ごした。その近くにジブリ作品のような小屋カフェがあり、そこではよくボサノバが流れていた。僕は無意識にそれを思い出したのだ。
ふふん、なかなかいいんじゃないか?
雰囲気酔いをし始めて僕は調子に乗って料理でもしようかと思い立った。キッチンに立ってみると、いける気がした。
初めに言っておくが僕は全く料理が出来ない。ココアをレンジでチンして爆発させたり、野菜炒めの加減がわからなかったので全て炭にしたこともある。
僕が目を付けた料理は、お手製ミートソースパスタである。
理由は、冷蔵庫の中にある食材でできそうだったし、ボサノバカフェで出てきそうだからだ。
幸い、数年前に買ったトマト缶が残っていたし、何となく買って1週間くらい過ぎた玉ねぎがあった。
レシピを見ながら頑張って作っていく。
トマト缶を煮詰めているとき、なんだか嫌なにおいがした。味見をしてみて卒倒するかと思った。
腐っている。
まあいけるか、と思ったトマト缶はとっくに賞味期限が切れていた。僕は全く普段料理をしないせいで賞味期限という概念がない。家に食べ物があることの方が少ないせいでトマト缶の存在なんて忘れていたくらいだ。
食料を一気に失った僕は、既にゆでてしまったパスタに醤油をかけて泣きながら食べた。
こんなの普段と変わらないじゃないか!(僕は普段、パスタに醤油をかけて食べている)
悲しくなったので、大人しくベッドに戻ることにする。
僕のベッドは赤い。
とにかく赤い。シーツも掛布団も毛布も全部赤い。そんな赤い海の中でぼんやりと映画が見たくなってAmazonプライムを開いた。
新しい何かを摂取するよりも昔見た懐かしい映画を見たくなって、マイリストのなかに眠っているコレクション達を吟味していく。
以前から言っているように、80年代くらいの作品がとにかく好きなので今はそういうモノを求めているようだ。
LEONを見ることにした。
~~~~~数時間後~~~~~~
見た。
やっぱり最高だよLEON…話の内容もキャラクター設定も舞台背景も全部大好きだ~~~~~~~~~~
感化されやすい僕はすかさず冷蔵庫の中の牛乳を飲み干した。
現れてくれないかな~殺し屋。殺し屋と一緒にすごしてみてぇ~~~~
素晴らしい作品の前では言葉など不要である。
愛をこめて、僕は一杯の牛乳を飲もう。
時刻は12時。やっと昼時である。さて、ちょうどお腹もすいてきたことだし何か作ろうかと思ったがキッチンが悲惨な様子を呈していたのでやめた。
僕は朝の「丁寧な暮らしをするぞ」という意気込みをすっかり忘れていつも通りの怠惰な気持ちになっていた。
徐にウーバーイーツを開く。
お気に入りの韓国料理屋のタッカルビ丼を食べたくなってしまったのだ。
最近Kpopにハマったせいで韓国料理を食べたい欲が唐突に現れる。本当に単純なので推しと同じものを食べたいのだ。
注文すると、あと30分ほどかかるとのことだ。
この空腹の30分がきつい。ちょっと減ってきたな~という時に頼んでおけばいいものの馬鹿なので空腹値が最大限まで振り切れた時に頼んでしまう。要領が悪い。
さっきまで殺し屋とニューヨークにいたはずなのに、僕はもう韓国に飛んでいる。げんきんな奴だ。
待ち望んだタッカルビ丼が届いた。甘辛のソースがかかった鶏肉とチーズが奏でるハーモニーは素晴らしい美味しさである。
ここのお店のタッカルビ丼が一番好きかもしれない。
朝食べていた貧乏パスタが惨めに思えてきた。やっぱご飯は誰かに作ってもらうに限るな…
そんなこんなでもう13時である。
時間がありすぎるというのもなかなか考え物だな…
やりたいことも特に思いつかないまま部屋の掃除を初めてみた。今まで時間がないというのを言い訳に全く動かしていなかった箪笥を移動させてみたり、なかなかできなかった網戸の掃除をしたり。
充実した休日感が出てきた。
なかなかいいぞ!
しかしオタクはターン制でしか動けないため、1挙動につき1休憩が必要である。1時間ほど掃除をして、またすぐベッドへと戻った。
気が付くと部屋が暗くなっていた。
そう、寝落ちしたのである。
哀しいことに、約4時間ほど昼寝をしてあっという間に夜になってしまっていた。ちょっと休憩したら夕飯の食材でも買って何か作ろうかなという意欲はあっけなく散った。もうこれは神が料理をするなと言っているに違いない。そう思うことにした。
睡眠とは案外体力を使うもので、僕の行動ターンは4時間の睡眠で使い切ってしまったようだ。もうベッドから降りる気がなくなった。
便利な時代になったもので、スマホ一つあればなんでもできてしまう。仕方がないので集中しなくても楽しめるYoutube動画の巡回を始めることにした。
電気もつけずに暗い部屋でスマホの明かりだけを見ているとニートの毎日はこうなのかなとか思うが、それはそれで最高だ。
家にいるのが苦ではないし、一人遊びのバリエーションも豊富なので引きこもりには向いているなあと、つくづく思う。
そんなことをしていたらもう22時。風呂に入って寝るとするか。
夕飯を食べる気力も失ったので、あきらめることとする。
実際の日記
朝4時に起きて仕方なく芸能人のラジオを聴きながら起床。
Youtubeを3時間見てから準備を開始。
仕事。
帰宅。
就寝。
無。