読書スタイルの話
スランプである。
毎度毎度かけないかけないと愚痴ばかり綴って申し訳ないと思っている。
さて、もう8月に入りいよいよ2021年も折り返しという実感がわいてきた。
去年から疫病の類による弊害は衰退するわけでもなくだらだらと自粛ムードが漂っているなか、オリンピックが始まった。まあ、僕の家にテレビはないので全く情報は入ってこないのだけれど。時事ネタなのでちょっとだけ触れてみた。
ここ最近というと僕は文章でお金をもらえるようになった。有難いことにご紹介いただいて執筆している。だから毎日文章自体は書いているが体感としては「誰かの文章」なのだ。それは書ける。ただ、僕自身の言葉を、僕として作品を、と思うとどうにも筆が進まないのだ。よくあることなのだ。仕方がないのでインプットすべく、色々な本を読んでいる。
僕の読書スピードはかなり速く、2,3時間あれば300ページの文庫本は読み切れる。集中力さえ続けば1日で4冊くらい読んでしまう事だってある。そんな読書事情なのだが、本を読むうえで大切にしていることがある。
それは「環境」だ。
どこで本を読むか、場所によって読む本を変えるというスタイルをとることが多い。
というのも僕は本の中にぐっと入り込んで読むことが多いので、その本の世界観にあった場所が好きだ。家で読むことがあれば公園のベンチで読むことがある。主人公に合わせて、河原に行ったり、読書のために電車に乗ったりもする。
例を紹介しよう。
蝉の声が聞こえる夏は「姑獲鳥の夏」を読みたくなる。最適な読書環境は、京極堂の古本屋を彷彿とさせる実家の和室だ。
夏の終わりには「魍魎の匣」を読みたくなる。これは、電車の中で読みたい。できれば武蔵小金井から相模湖にいく電車が望ましい。
「人間失格」は墨田川が見える河原に寝ころびながら読みたい。秋口がいいだろう。
そんな感じで、本の中身とリンクさせて、読書環境を選んでいる。
読書環境を変えることで、本に五感全てで触れられる。夏の匂い、川の匂い、本の匂い、雨の匂い…あとは蝉の声、喧騒、川のせせらぎ、電車の走行音…細かいことだが、それらを全身で享受することによって、もうずぶりと本の中へ入ってしまうような感覚が僕は好きなのである。
現実との境目があいまいになる経験が好きなのだと思う。実体験なのか、本で読んだのかわからないくらい、リアルに本の内容を体験したいと思っている。だから、出来るだけ本の中に入り込める環境を好む。
読書スタイルを整えるの、おすすめです。