【小説】プロットが迷子になるのを防ぐ方法
小説を書くにあたって、まずはプロットを作る必要があります。
ストーリーの大まかな流れ。キャラクター設定についてのアイデア。この小説で書き表したいテーマ、など。
しかしプロットの段階でアイデアがまとまらず、なにが書きたいのか、そもそもこのアイデアはおもしろいのか分からなくなってしまうことがあります。
今回はそのようにプロットの段階で迷子になってしまったときの抜け出し方についてお伝えします。
あなたがいちばん書きたいものはなにか
プロットづくりで重要なのは、物語の中心を明確にすることです。
自分が書きたいものをひとつだけあげるとしたら?
それを考えてみましょう。
「可愛い女の子たちの青春物語」
「権力を求めた男の栄光と破滅」
「読んだ人が癒される物語」
このようにひと言で書きたいものが絞れたら、それを書くために必要な設定やストーリー、キャラクターだけを考えていきましょう。
この時点で余計な設定は盛り込まないようにしましょう。物語をとにかくシンプルにすることが重要です。
物語を複雑にする設定やキャラクターは、この段階では入れないようにするのがプロットで迷子になるのを防ぎます。
あなた自身が何を書きたかったのかを見失わないために、まずは物語の中心を明確にしてあなたが書きたいストーリーの本質を構築するのです。
ストーリーの本質は主人公を中心に考える
ストーリーの本質は主人公を中心に考えましょう。
小説とは主人公を成長を描くのが基本です。ですので「主人公がどのように成長するのか?」を整理したものがストーリーの本質と言えます。
主人公の成長に関してはこちらの記事で詳しく書いています。
https://note.com/jyagarc/n/neb80fbfc8445
自分の作品について以下の①から④を埋められれば、主人公の成長、ストーリーの本質を明確にできたと言ってよいでしょう。
①という状態の主人公が=主人公の現状
②を経験することで=経験すること
③を学び=学ぶこと
④の状態になる=成長後の主人公
これをまとめることで「主人公がどのように成長する物語か?」を言語化することができます。
例を書いてみると、
①恵まれない家庭に生まれ、12歳ながら自分の人生に絶望していた主人公・トオルが、
②先天性の難病を抱えながらも、自分の夢に向かって懸命に生きるヒナタと出会い、
③ヒナタの姿から、自分がどんなことも家庭や人のせいにして努力せずに諦めてきたことに気づき、
④ヒナタの夢を応援しながら、自分も小さいころの夢だった野球選手を目指して努力することになる。
このような感じです。イメージ湧きますでしょうか?
他のアイデアを考えるのは、主人公について整理できてから
さきほどの①から④は、物語において主人公だけにフォーカスしたストーリーのまとめです。
もちろんこの作品を書くなら主人公やヒナタ以外にもキャラクターは登場します。しかし物語の本質をまとめるのであればこれだけで充分です。細かなストーリーや他のキャラクターの設定は必要はありません。
小説のプロットは主人公の成長を物語の中心としてうえで、
「主人公とヒナタの出会いをどのようなシーンにするか?」
「主人公の友達としてどのようなキャラを登場させるか?」
など、細かな肉付けを考えていくのです。
「主人公の友達は男の子1人と女の子1人で、幼馴染み3人組にしよう」
「主人公には高校生のお姉さんがいて、お姉さんはアニメオタクにしよう」
「主人公の担任の先生は筋肉ゴリゴリの熱血先生にしよう」
これらのアイデアは作品をおもしろくするために必要ですが、①〜④で出した物語の本質ではありません。
本質である主人公の成長についてまとめる前にこのようなアイデアを出していくと、自分が何を書きたかったのか迷子になってしまう可能性が高くなります。
まずは主人公の成長とそれを促すキャラクターやイベントを考えることに集中して、細かなアイデアを出すのは自分が書きたい物語の中心をはっきりさせられてからにしましょう。
まとめ
プロットを考える段階で迷子になってしまう原因のひとつに、自分が書きたいものが明確でないことがあります。
書きたいものを明確にするには、以下の4つを考えてみましょう。
①主人公の現状
②経験すること
③学ぶこと
④成長後の状態
これを埋められると、ストーリーの本質である主人公の成長について整理することができます。
小説のアイデアを考えるのは楽しいですが、主人公の成長について整理できるまではあまり考えないようにしましょう。
プロットが迷子になりやすい人は、ぜひ①から④を中心にアイデアを考えてみてください。
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