PGマフィア伊東正明さんの伊東塾に参加したら目から鱗しか落ちなかった話(前編)
私の勤めるデコムという会社は「インサイト」を扱っている会社です。
インサイトとは何ぞや?という話は、以下の弊社代表・大松が書いた本を参考にしていただければ幸いです。
あまり日本のマーケティングでは評価されていない「インサイト」を高く評価し、かついろんなところで「この本良いよ!」と言って下さっている人たちの中に複数名のPGマフィアがおられて、その中の1人が伊東正明さんです。
なんやかんやのご縁を頂きまして、社内で伊東さん主催の勉強会が開催されました。内容は伊東さんが各地で実施されている講演がベースだったので、その内容の公開はNGだと思われます。したがって、その講演で書いた気付きメモを今回はnoteに書き残しました。
マーケティングとは「consumer is boss」
P&G名物経営者であるA.G.ラフリーの言葉。お客様が欲しいと言ったものを渡すだけでは芸が無い。それはマーケティングではない。
bossの言われたことだけをしている=ロボット。なぜそれを言ったのかを考えて行動して期待を超えていく。それがマーケティング。想像する!
ビジネス目標は消費者数目標に落とし込む
ビジネス目標=売上。
消費者数目標=何人(×購買頻度)。
人数で考えるのが大事。市場シェアみたいな言葉に騙されない。市場に何人いて、使ってくれるのは何人か。売上をどれくらい上げたければ、使ってくれる人を増やすか頻度を増やすしかない。
大事なのは"誰を狙わないか"。非戦略ターゲット+戦略ターゲット=100になっているか。
みんなSTP、ターゲットの絞り込みばかり気にしている。それで十分な消費者数を確保できるのか?
ペルソナは「平均」ではなく「象徴」
どんな顧客か?イメージの共有に使う。男性?女性?どーでもいい。
平均的な人を描くんじゃなく、象徴的な人を描く。重要なのは生き方・価値観を描けているか。だからインサイトが重要になる。
意思決定は論理性より合理性
必要のない情報は無視される。私に必要のない情報は頭の中に入らない。人は論理的に考えているようで、実は合理的な思考に偏っている。
論理的な思考=3%で合理的な思考=97%ぐらい。
このコンテンツのアイキャッチ画像、真ん中のある部分を青い枠線で消しました。さて、ここには何と書いているでしょうか?(正解はトップまで戻って下さいませ)
タバコを吸わない人には全く関係ないし、歩きタバコをダメだと思っていない人からしても全く関係ないでしょう。頭の中に入らない。
だから、ほんの3分前のことも答えられない。
しかしマーケティングとは、人間の頭の中にある。
論理的3%に選ばれることも大事だけど、合理的97%に選ばれる方が良い。みんな論理的を狙いすぎ。
認知と想起
認知とは、頭の中の引き出しに入っている状態。想起とは、引き出しの一番手前に入っていて直ぐ取り出せる状態。
人は一生懸命考えない。合理的。考えなくて良いことは考えない。自分に関係ないと思ったら情報は遮断される。
良い広告は、自分に関係あると思わせ、引き出しに入れて貰う必要がある。だからインサイトが重要。自分を捉えた広告は97%状態の脳を強く刺激する。
CAなんかAI使ってクリエイティブ生成とか言っているけど、全く全く本質じゃない。インサイトの無いゴミはどれだけ作ってもゴミ。CVR0.1%から0.3%みたいなことしてないでCVR20%狙うクリエイティブを考える。
定性とは"聞く"のではなく"見る"
定量とはファクトデータ。しかし、嘘の可能性も高い。
したがって見るべきは時系列の変化。横断面はクソ。
言っていることとやっていることは人によって違う。洗濯の話だから、洗濯だけ考えていると価値観が見えない。
発言と行動の捻じれに目を向けるのではなく、その人の価値観に目を向ける。だからインサイトが大事。
洗剤を扱う仕事であっても、働き方が変われば帰る時間が変わって家事が変わる。ある領域の変化が自領域に変化を与える。
差別化
猫も杓子も「差別化が大事」。嘘。顧客のために差別化しているのか?自社が有利になるためにすぎない。
製品戦略
①買って貰えない理由を無くす
②買う理由を作る
③競合を選ばない理由を作る
競合の強み(ここでいう②)を③で相殺し、競合に無い強みを②として作る。洗濯カスの話とかは有名。
②は技術である必要はない。