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オールドメディアは信頼されているのか?約13000字で定量/定性で分析した

 今年の世相を映した言葉や話題になった言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」が2日発表された。大賞はドラマ「不適切にもほどがある!」を略した言葉「ふてほど」が選ばれた。
 同作は宮藤官九郎さん脚本のコメディー。阿部サダヲさん演じる主人公が1980年代から現代にタイムスリップし、昭和と令和、それぞれの時代に生きる人の価値観や悩みを描いた。現代で「不適切」とされるような主人公の言動が反響を呼んだ。

「今年ほどメディアの信頼が墜落した年はありませんね」と年末に言い続けて、いよいよ79年目に突入しようとしております。

今年は主に選挙報道をキッカケに、メディアに対して「偏向報道」「報道しない自由」などの言葉が飛び交い、テレビや新聞は「オールドメディア」と揶揄されました。2024年の流行語大賞は、誰も言ってなかった「ふてほど」が選ばれましたが、それに被せて「不適切報道(ふてきせつほうどう)」がネットでバズりました。

オールドメディアに対する信頼は、特に報道に対する信頼は、どこまで堕ちるんでしょう。

筆者自身は、右足のくるぶしまでメディアとニュースに浸かった人間なので「偏向報道」と言われると「右利きだから身体が左に偏るんですよね」と反省しきりです。

一方で、偏向報道といった「どぎつい言葉」は、学生時代に2ちゃんねるに浸っていた友人の口から聞く程度です。彼は何かあったらすぐ「マスゴミ」って言う。家族・友人の口から、そういう表現を聞いたことがありません。

信頼は墜落しているのだけれど、それは関係者かメディアが嫌いな人の範囲に限った話であって、大半の人は何とも思っていない(どうでもいいと思っている)のではないか、と思うのです。

ただし、それは私の確証バイアスかもしれませんし、「そもそもお前友人少ないだろう?」と指摘されたら返す言葉もございません。

そこで、インターネットリサーチのFreeasyを使って、(オールド)メディアに対する信頼度について、じっくり調査してみました。

<調査条件>
セルフ型アンケートツール「Freeasy」を用いて調査を行った。
調査日は11月23日。
対象は全国に住む15歳以上79歳以下の男女10,000人。そのうち、有効回答と認められる8,553人で集計を行っている。年代別は以下の通り。
15歳~19歳:470人
20歳~29歳:1,052人
30歳~39歳:1,147人
40歳~49歳:1,448人
50歳~59歳:1,610人
60歳~69歳:1,973人
70歳~79歳:852人
※人口分布を考えた際、10代と70代が相対的に少ない点に考慮が必要である

メディアでニュースをチェックしていますか?

まず、メディアとの接触頻度を確認します。色んな観点がありますが、筆者の独断と偏見で「テレビ」「新聞」「X(Twitter)」「Youtube」「LINE」「ニュースアプリ・ニュースメディア」としました。

※本当は「YouTube」なのですが、筆者が表記を勘違いしてしまい、調査にかける際に誤って「Youtube」と表記してしまいました。なので「この数字は誤ってる!」と言われたら、謝罪するしかございません。

リアルとオンラインの棲み分けが難しいのがオールドメディアの特徴です。新聞なら「WEBサイトはどうなる?」「LINEニュースはどうする?」と判断が難しい。そこで、新聞社のニュースをLINEで見た場合は「LINE」、TV局のニュースをYoutubeで見た場合は「Youtube」で選ぶようお願いし、新聞については「紙、電子版」に限ることにしました。

「ここ最近(~3か月以内において)、どれくらいの頻度(回数)で「ニュース」をチェックしていますか?」と聞いた結果は以下の通りです。ちなみに、ニュースとは最近発生した政治や事件・事故・スポーツ・地域情報などの新しい情報・珍しい出来事を指すとしました。

ニュースのチェック頻度

圧倒的にチェックされているのは「テレビ」でした。「ニュースアプリ・ニュースサイト」「LINE」が続きます。「そこに載っている記事、大半は新聞社の配信なんだけどな~」とは思うのですが、まあ仕方が無い。

続いて年代別にチェックしましょう。

10代(n=470)
20代(n=1,052)
30代(n=1,147)
40代(n=1,448)
50代(n=1,610)
60代(n=1,973)
70代(n=852)

おーい、新聞、息してるか?

結果が返ってきた時、驚き過ぎて私の息が止まりました。10代~30代だと、月1回未満でもニュースをチェックしている割合は20%程度となりました。マジか。新聞の役割を「ニュースアプリ・ニュースサイト」が担っているんでしょうか。

年代別の頻度を見ると、以下のことが分かります。

  1. 「テレビ」はどの年代も半数以上がチェックしている。次いで「LINE」だった。(ただし「LINEでニュースを見ているか?」と「LINEで知り合いとメッセージ交換しているか?」を誤認している可能性が無くも無い)

  2. 「新聞(紙・電子版)」と「ニュースアプリ・ニュースサイト」は年代が高まるほどチェックする傾向が高まり、代わりに「X(Twitter)」は年代が高まるほどチェックする傾向が低くなる。今回の結果を見ても、年配(60代~70代)のデジタル化はほぼ済んでいると言って良い。(ただしインターネットリサーチに登録している時点でデジタル化していると言えるので、60代~70代全般がそうとも言えない)

  3. Youtubeは、年代が高まっても、X(Twitter)ほどチェックする傾向が低くならなかった。皆さん、何の動画チェックしているんでしょうか?

さて、この結果から言えることは「オールドメディアって揶揄するけど、テレビでニュースをチェックしてるやんけ!」「でも若者(10代~30代)は新聞見なくなったねぇ…」でしょう。「見てんのかい!」と突っ込んじゃいました。

「テレビ」と「新聞」の傾向の違いは、報道が偏っているから…ではもちろんなくて、月額料金の有無でしょうか。テレビ受像機としてのテレビは買い切りなので、1度機体を買えばそれ以降は無料(タダ)です。


メディアを信頼できますか?

もちろん、この接触頻度だけでは信頼度は判断できません。テレビをチェックしていることと「偏向報道」「報道しない自由」は両立するからです

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