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こんにちは、あかりです。

赤福餅の回で察した方も多いかと思いますが、私は大学で茶道部裏千家に入っています。赤福餅の回はここから見れると思います、多分。できなかったら、自力で探してください。投稿日は今年の4月1日です。

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「茶道」という言葉を聞いた時、皆さんは何を思い浮かべますか?やはり最初にパッと出てくるのはお茶とお菓子でしょうか。お菓子美味しいですよね。種類が豊富で、その季節ならではのお菓子もあったりして。見た目も綺麗で見るのも食べるのも楽しくて、すぐになくなっちゃうのが少し寂しいです。お抹茶は流派によって少し点て方が異なるのですが、裏千家の表面が泡でふんわりと覆われているお抹茶が出されるとテンション上がります。時には泡が吸いきれないこともあるくらいふわふわに点っていておいしいんです。毎週お稽古中においしいお菓子とお茶をいただくことができるのは、とても幸せなことだと思います。飲み終わった後にお茶碗を拝見する時間も楽しく、お茶会などでは初めて見る模様に出会うことも。知っているお茶碗が出てくるのもまた「ここにもいた!」と嬉しくなります。

でも、茶道を始めてからは他にもう一つ楽しみができました。水屋仕事です。水屋とはお茶室の裏側にある作業場みたいなところで、使ったお茶碗を清めたり、お菓子を用意したり、お湯を沸かしたりする場所です。お道具を収納しておく場所でもあります。いわば裏方みたいなものですね。私はこの水屋仕事が大好きで、最近は暇さえあれば水屋に入り浸っています。勿論お稽古に支障のない範囲で。

大学の水屋の通路たった二、三人が座っているだけで通りづらくなる程に幅が狭く、一度に入る人数はどうしても限られてしまいます。「立って作業すればいいじゃん」と思うかもしれませんが、蛇口の位置的に正座して作業せざるを得ません。何より貴重なお道具を立ちっぱなしで扱えません。特に陶器類のことを考えると、怖すぎて無理です。万が一の時責任が取れません。

そんな水屋なので、お稽古中は一人で黙々と作業することがしばしばあるのですが、これがお茶とお菓子をいただいているときと同じくらい至福の時間なのです。私は元々一人で黙々と何かをしている時間が好きで、自宅でもたまに部屋に籠ってひたすらプラモデルを組み立てていることがあります。一人の空間は心が安らぎます。和気あいあいとお稽古をするのも楽しいですが、心を落ち着かせるという点では断然水屋。静かな空間で一人黙々とお茶碗を清めるあの時間は私にとって心の拠り所みたいなものなのです。さらに、一人の空間は自分を見つめ直すのに最適な場所なのでお稽古で先生が仰っていたこともここでよく考えています。友達とお道具を使って作法の復習をするのも勉強になりますが、教えを頭の中で咀嚼するときは一人のほうが集中できる気がしてついつい水屋にこもりがちになってしまいます。

なにより水屋はすごく贅沢な部屋です。水屋にいれば、「清める」という名目でお道具をじっくり観察できるからです。

お客さんも、お道具を見ることはできます。でもそれはお茶室にいる間だけで、一度外に出てしまえばもう見ることは叶いません。でも、水屋にいれば何度でも見る機会はやって来ます。お道具は水屋にしまうので、わざわざ見に行かなくても向こうから来てくれます。これを贅沢と言わずしてなんと言いましょう。特にお茶会を開くときは、普段のお稽古では使われないようなお道具を趣向に合わせて取り合わせるので、お茶室が終わるまでそれらのお道具が見られると思うと、ラッキー以外のなにものでもありません。

だから私はきっと来週のお稽古でも水屋にいることでしょう。入り浸りすぎないように気を付けながら。

それではまた。