【懲らしめのムチ】 お尻100叩きの罰
「コラっ、危ないだろ!! 火事にでもなったらどうするんだ!?」
親戚の家を訪れていた9月のとある日曜日の夜、庭で従兄弟で小学生6年生のA君とその弟で4年生のB君と僕の3人で花火をしている時だった。背後からいきなりA君の父親のお腹に響くような怒号がこだました。
花火を始めた当初は安全を考慮して普通に楽しんでいたが、男の子にはよくある事ではあるが徐々に羽目を外し、火の勢いが激しい手持ち花火を庭に置かれていた木材に向けてバーナーで炙るようにしてイタズラをしている最中を目撃された。
幸いその木材に引火はすることなく、表面が焦げる程度で済んだが、僕たち3人はA君の父親からその場で軽いお説教を受けた。
「ごめんなさい、もうしません。」と僕たちは謝罪し、花火は数本残っていたが止めるように指示され後片付けをして晩夏の花火大会は終了した。
片付けが終わり、僕は2人と子供部屋でテレビを見ながら話をしたりして楽しんでいた。
その時だった。僕の母親がガチャっとドアを開けてやってきた。顔を見ると口を一文字に険しく、怒った表情を浮かべていた。テレビの前に胡座をかいて両手を後方に回し、もたれ掛かるようにしてくつろいでいた僕を見つけるや否や口を開いた。
母親は子供部屋のドアの前で両手を腰に当てている。
「さっき聞いたわよ。花火でイタズラしたんだってね。」
「...うん。。 でも、、さっき怒られてちゃんと謝ったよ...」
「悪さをしていたんだから当然です!!」
「...ごめんなさい」
「それに嶺良、お説教されているのにその姿勢はなんですか!?」
僕は自分の置かれている状況がようやく理解できたのか、忠告されて慌てて正座した。いきなり始まった母親の説教に、従兄弟たちも自分が叱られているように錯覚した。
「あなたは中学1年生で一番年上です。A君たちの模範となるべき存在なのに、一緒になって危険な行為をしたのよ。一歩間違えれば本当に火事になって取り返しのつかない事態になっていたのかもしれないのよ!」
「...はい。ごめんなさい」
「それに、お母さんに大恥をかかせて...。」
「......」
僕は返す言葉が見つからず、両膝を掴む手に力を入れて俯いているしかなかった。
「...今日はもう遅いから、明日学校から帰ってきたらムチをします。」
「えぇっ、、!?」
「今日、あなたの犯した過ちはとても罪深いことよ。いつもの様な懲らしめだけでは不十分です。従って、明日はお尻100叩きです。しっかりと悔い改めてもらうから覚悟なさい。」
「そっ、、そんな... ちょっと待ってよ...!! 無理だよ、、そんなの...」
突然の非情な100打の懲らしめのムチ宣告に嶺良は取り乱した。
「あなたが何を言おうがムチ100と言えばムチ100です!! 家の柱に縛り付けて心の悪を削ぎ落としてあげますから感謝なさい!」
「あぁ、、ごめんなさい... 反省してるし、、次から絶対にしないから... ムチは許して、、」
僕は従兄弟の前で泣きそうになりながら必死で許して貰えるように懇願したが、聞き入れてくれるはずもなく母親は部屋から出て行った。
「(...ムチ100回なんて無理だよ、、、どうしよう)」
僕は明日に待ち受けるお尻100叩きの罰の事しか考えられなくなっていた。
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