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ジャパンウィンターリーグ2024 閉幕!好ゲーム続出のプレーオフ!(12/19)【JWL Game Report:final】

今年で3年目を迎えたジャパンウィンターリーグ(JWL)。最終日となった12月19日にはプレーオフの3試合が行われ、それぞれに見どころのある好ゲームとなった。今回は今季最終戦となった3試合の様子をリポートする。

【Game.1 中国希望之星 vs. Blaze】

1試合目はアドバンスリーグ3位の中国希望之星(RSC)と、トライアウトリーグ3位のBlazeが激突。来年以降のWBC予選やオリンピック出場を見据え、若い選手たちで構成されたRSCが序盤に5点を奪い試合を優位に進めるも、疲れの見えるリリーフ陣をBlazeが捉え、1点差まで追い上げる好ゲームを展開。最後は5対4でRSCが辛くも逃げ切った。

あすの中国野球を背負う若い選手たちと、新たなプレー先を求めて1ヶ月間野球と向き合った選手たちとの意地の張り合いとなったこの試合、JWL公式Youtubeでもう一度見ることができるので、ぜひチェックして見てほしい。

堅実な野球が印象に残った「中国希望之星(Team Rising Star of China)」

【Game.2 Rocks vs. Strings】

続く2試合目はトライアウトリーグの優勝決定戦。1位・Rocksと2位・Stringsの一戦は、この1ヶ月の両チームを象徴するような試合展開となった。

打線がつながり、リーグの前半戦は好調だったStrings。この試合でも、初回から打率4割を超える正捕手・プヨルゲノッサ クリスチャンのタイムリーヒットなどで2点を先制すると、アドバンスリーグを相手に好投を続けてきた先発・伊藤勇真が4回まで被安打2、1失点と流石のピッチングを見せるなど、中盤まではStringsペースで試合が進んだ。

Strings攻守の要として活躍した捕手、プヨルゲノッサ クリスチャン(23/カナダ)

しかし、5回から登板したStrings2人目・齋藤絢(21/鹿沼39)が4四死球3失点の大乱調。Rocksが終盤で4対4の同点に追いつくと、7回1アウト二塁で2年連続のJWL参加となった3番・ウィーラン フィリップ(25/美唄ブラックダイヤモンズ)がライトへサヨナラタイムリーヒット。リーグ戦と同じく後半で巻き返したRocksがトライアウトリーグ優勝を飾り、試合のMVPには、サヨナラ安打のウィーランが選ばれた。

「今年は後半からの参加になりましたが、ここでは毎年すごくいい経験をさせてもらっています。今年は去年以上にレベルが高くなったと感じて、いい経験ができたと思っています。去年負けてしまったプレーオフに、今年は勝つことができたので、去年以上に満足できるシーズンになりました」

試合のMVPに輝いたウィーラン(中央)は、チームメートから手荒い祝福を受けた

【Game.3 Lequios vs. Eisa】

劇的幕切れだった2試合目を終え、グラウンド整備を挟んで直ぐに行われた1位・Lequiosと2位・Eisaによる「アドバンスリーグ優勝決定戦」。今年のJWL最終試合となるこの試合は息詰まる投手戦となった。

Lequios先発は左腕・池村健太郎(23/トヨタ自動車)。リーグ戦4試合に先発し、防御率0.90、32奪三振と安定感抜群のピッチングを見せてきたチームのエースだ。

このJWL期間中はストレートの強化に取り組み、試合を重ねながら手応えを掴んでいた池村だったが、この日はそのストレートの制球に苦しみ、初回から3つのフォアボールを与えて、2アウト満塁のピンチを背負った。

しかし、6番・近藤大雅(19/DeNA)を変化球で空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けると、その裏には1番・林泓弦(19/統一ライオンズ)と2番・仲三河優太(22/西武)の"ライオンズコンビ"が連打でチャンスを作り、3番・タカクス アーロン(27/アメリカ)の先制タイムリーヒットを呼び込んだ。

先制タイムリーヒットを打ったタカクス アーロン(27)
今季は米独立リーグで94試合に出場し、打率.292の成績を残している

初回に先制を許したEisa先発のベリーナ スコット(28/アメリカ)だったが、その後は持ち前の制球力を発揮。コースを丁寧につく投球術で、強力Lequios打線を2回以降は無失点に封じ込めると、池村も変化球でカウントを取りながら、4回までEisa打線をノーヒットに抑えるなど、両先発投手の好投でスコアボードにはゼロが並んでいった。

投手戦の流れは、守備にも伝わっていく。6回表にはLequiosのショート・手塚悠(23/Panasonic)がレフト前に落ちそうな難しい小フライを背走しながら好捕すると、今度はその裏、Eisaのレフト・張皓崴(19/統一ライオンズ)が風の影響で判断が難しいライナーを背走しながらのキャッチ。両チームが見せる好プレーによって、試合は優勝決定戦にふさわしい引き締まったものとなった。

そして1対0で迎えた最終7回、逆転を狙うEisa打線の前に、リーグ戦8試合に登板し、防御率1.13、15奪三振と圧倒的数字を残してきた泰勝利(21/楽天)が立ちはだかる。投じた15球中、実に14球がストレート、最速149キという強気のピッチングで三者連続三振。Lequiosが完封リレーでアドバンスリーグ優勝を決め、6回途中無失点の好投を見せた先発・池村がこの試合のMVPに選ばれた。

アドバンスリーグを制した "Lequios"
NPB、社会人、独立L、外国人選手がワンチームになって優勝を勝ち取った

改めて、3試合の結果は以下の通り。全てが1点差の好ゲームとなった。

【ジャパンウィンターリーグ2024 プレーオフ試合結果】
 Game.1  RSC 5-4 Blaze 
 Game.2  Rocks 5x-4 Strings(Rocksがトライアウトリーグ優勝)
 Game.3  Lequios 1-0 Eisa(Lequiosがアドバンスリーグ優勝)

それぞれの試合結果は、JWL公式Youtubeのアーカイブ映像にリンクを貼り付けさせていただいたので、ぜひリンク先のYoutube映像でも選手たちの奮闘ぶりをチェックして見てほしい。

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試合後に行われた閉会式では、今シーズンのMVPが発表され、トライアウトリーグは、打率4割を超える好成績を残したBlaze・保科圭伸(25/山梨ファイアーウィンズ)、アドバンスリーグは打撃5部門でトップだったEisa・近藤遼一(23/Honda鈴鹿)がそれぞれ受賞した。

NPB球団の参加もあった3年目のシーズンは、こうして全日程が終了した。走り抜けた1ヶ月を鷲崎一誠代表はこう振り返った。

「選手たちの表情を見たら、大成功の1ヶ月だったと思います。参加してくれた選手たちには、自身の成長や新しい契約を取りに行くなど、それぞれに目的があったと思いますが、そういう個人が集まった中で、最後にはチームとなって勝利を目指して行く。チームのために動くことができるというのが野球人なんだなと思いましたし、野球っていいなって改めて思いました。ここで築いた関係性や技術的に吸収したことを、これからの野球人生に生かしてほしいですし、野球界に何かしら寄与してほしいと思っています」

参加した選手たちにとっては、ある意味ではここからが本番となる。仲間ともに沖縄で過ごした1ヶ月を経て、来季それぞれの選手たちが、それぞれの場所でどう輝いていくのか。引き続き注目してほしい。

ジャパンウィンターリーグ2024 閉会式
言語や国籍の垣根を超えて、集まった野球人たちがひとつになった

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【リーグの最新情報は公式ホームページをチェック!】

【過去の試合は公式Youtubeにてアーカイブ配信中!】

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