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ジャパンウィンターリーグ2024 開幕前日にフィジカルテストを実施! (11/23)

11月23日、コザしんきんスタジアムには、午前8時からリーグロゴのウェアを纏った参加選手たちが集結した。過去2回も、開幕前日に必ず行ってきた選手たちのフィジカルテストを実施するためだ。

テストの内容は以下の通りだ。

  • スプリント(30m)

  • ワットバイク(6秒間)

  • ジャンプ(CMJ:カウンタームーブメントジャンプ)

  • ラプソードによる投球計測(10球)

  • プルダウン

  • 打球速度&スイング速度(ティー打撃:打球速度はラプソード、スイング速度はブラストモーションで計測)

午前中には上記3つの体力テスト。そして午後から投手と野手に分かれて、野球の動きのテストが行われた。

手足の予備動作を極力抑えて垂直に飛ぶ高さを測定する「カウンタームーブメントジャンプ」
6秒間全力でバイクを漕ぐ「ワットバイク」 公益財団法人JKA様 協力のもとで測定
ラプソード&ブラストモーションでの打撃速度測定 選手たちもその数値に興味津々
NPB球団所属選手もフィジカルテストに参加(写真は楽天・西口直人)

メニュー作成を監修したうちの一人が、多方面で活躍されているアナリストの金沢慧氏。今年行われた四国アイランドリーグPlusでの測定会も監修した彼が、フィジカルテストで数値を測定する意義を詳しく説明してくれた。

「鷲崎代表の考え方として、このリーグではフィジカルテストのデータを活用して、野球がうまくなっていく上での指標のひとつにしていこうという考えがベースにあります。そのデータを外部に発信していくことで、初年度から実施しているリモートスカウティングにも繋がっていきます」

テスト内容は、なぜこの6項目になったのか。

「四国アイランドリーグで測定会をやったときに、NPBや他のアナリストの方に、どんなことをやっているかをいろいろ聞いてみて、多くのテストで採用されているものにしました。独自でデータを取っても、結局のところ、比較材料がないと、その選手の評価の指標にならないのでスカウティングに繋がっていかない。他のところと同様の測定を行うことは、そういう意味で重要なことだと思っています」

では、計測した数値はどういう見方をしているのか。今回、スプリント並びにジャンプ(垂直跳び)の測定に協力していただいたのが、育成年代のアスリートたちのフィジカルデータを測定している株式会社S-CADEの鈴木雄大氏。学生時代にスポーツ科学やスポーツコーチングを学ぶなど、トレーニングなどにも精通している人物だ。

「野球のいろんな監督の方と話しをしますが、チームにとって走塁能力の高さは欠かせないものだと話す方が多いので、やはり野球に置いて走ることは重要だという認識でいます。今回、スプリントでは塁間距離に近い30mでのタイムを計測しますが、この距離をどれだけ速く走れるかというのは、盗塁に直結するとかではないですが、基礎能力として持っておくべき能力だと思うので計測しています」

塁間に近い30mのタイムを2回計測、早いほうのタイムを記録する「スプリント」

この数値をとることで、選手の特性も見えてくる部分があるという。

「測定で好タイムが出るが、試合では盗塁できないという選手がいた場合、『この選手は走れるポテンシャルはあるのに、なぜ走れないんだろう?』となります。走れるだけの足の速さがあることはわかっているので、その選手が走るための課題は、フィジカルを強化してもっと足を早くすることではなく、牽制や状況判断能力を養うとか、そういうアプローチに変わっていくので、数値をとることにはそういう意味があるものだと思っています」

測定後、選手たちにデータの見方と走り方の改善点を伝える鈴木雄大氏

午後に測定した数値も同じ考えだ。一般的には助走をつけてネットに向かって投げた球速を測るプルダウンについて、ポーランド代表監督も経験した渡辺龍馬コーディネーターはこういう見方をしている。

「野球では、どのポジションを守っていても"投げる"という行為は発生するので、投げる力を判断するものとしてプルダウンを行っています。前回では助走をつけて投げる形を取りましたが、今回は1、2歩程度と助走に制限をかけるとこで、野手たちの肩の力をより正確に把握したいという狙いがありました」

「プルダウン」は前回の測定方法を変更。野手の肩力をより把握することが目的だ

コーディネーターとしての数値の見方の具体例も話してくれた。

「測定は2回行いますが、その2回の数値が大きく離れている選手がいた場合、1回は高い数値を出せるのだから、そのポテンシャルはあるということになるので、投げる出力をあげる以外の違うアプローチを見つけられるかもしれません。遠くに投げられたり、早い送球ができる肩は持っているので、メンタルの部分で投げられないとか、こういうテストではそういう要因が見つけられるという考え方ですね」

午後のテストの合間には、一般的にはトレーナーの役割にあたるパフォーマンスコーディネーターが、選手たちの骨格チェックも行っている。初年度から参加しているプロアスリートトレーナーの鈴木善雅氏に、その意図を説明してもらった。

「私たちは、この1ヶ月で選手たちが正しく動ける骨格に近づけていくようサポートしていく役割を担っています。1年間戦っていくことは厳しいですし、身体そのものを良くしていかないとなかなか戦っていけないので、まず最初に現状の骨格をチェックして、今後の骨格改善につなげていきます」

骨格骨格チェックを行う鈴木善雅氏(右)は、第1回からジャパンウィンターリーグに参加

約100名のフィジカルテストが全て終了したのが午後3時過ぎ。選手によっては待ち時間もあったが、自然と自主練習が始まるなど、多くの選手は早くもあすの開幕に気持ちを向けていた。

3年目のジャパンウィンターリーグ。きょう測定した数値をどう受け止め、どう自身の成長に生かしていくのか。多くの選手にとって、自身と向き合い、自身が試される1ヶ月がいよいよ始まる。

あすの開幕戦に向けて、自主練習の輪は自然と広がっていった。

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