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自分たちになにができるのか?

パレスチナ30周年特集記事の最後に


こんにちは、JVCエルサレム事務所の大澤です。

これまで約半年にわたって過去のJVC会報誌「Trial&Error」の記事をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
ご紹介してきた記事を読んでいただくとわかるように、パレスチナの情勢は大変厳しく、暗い話が多くなってしまい、「人間」の存在に嫌気がさすこともありますが、そんな状況の中にある希望はやはり「人」だなとも感じます。

パレスチナの人々は『ただ支援を待っているだけ』の人たちではありません。JVCが活動する中で出会った人たちは、自分たちも占領下の当事者であり、人によっては難民でありながらも、地域の人々のために力を尽くしています。仕事の傍ら自分たちで立ち上げた市民団体でボランティアとして活動している人にもたくさん出会いました。

そんなみなさんからは「自分よりも大変な人たちがいるから」「この地域をもっとよくしたいから」「人の役に立てることがうれしいから」という言葉をよく聞くのが印象的であり、敬意を感じざるを得ません。JVCは今後もそんな人々を支えていける団体でありたいと思います。

なにができるのか?


よくパレスチナの話をした後に「現状はわかりましたが、じゃあ自分たちには何ができますか?」という質問をいただきます。この複雑な政治状況を劇的に変えることは難しいでしょう。しかし、できることはいろいろあります!

国際協力というと「自分が国連やNGOで働くこと」が一番に思い浮かぶ方も多いかもしれません。しかし、支援にはさまざまな形があり、その中で自分の人生設計や生活スタイルなどに合わせて、自分にできることを実践してみるのが良いのではと思います。

◎ 「知る」そしてそれを「広める」

パレスチナの人々はよく「支援ももちろん必要。ありがたい。でも、とにかくパレスチナで起きていることをたくさんの人に知ってもらうことも大事なんだ。パレスチナは世界から見離されている。もう誰も自分たちのことなんて気にしていないように感じる。でも、自分たちのことを忘れないでほしい。だから、外の人たちにこの現状を伝えてほしい。」と言います。

イスラエルによる占領がはじまって約75年。問題が長引くとともに、他の国や地域でもどんどん問題が起こり、パレスチナの人々はもう世界が自分たちを忘れていっていることを危惧しています。「知って広める」ことは、そんなパレスチナの人々の思いに応える活動でもあるのです。

「知る」はじめのソースとして、下の方にWebサイトやYoutubeなどのリンクがありますので、ぜひ最後までご覧ください!

余談ですが、私はJVCで働き始めてから、ジャーナリストや学校の教員の方々が果たす社会に対しての役割の重要性をあらためて認識しました。時々、大学を含めて学校から講義の依頼をいただくことがあるのですが、生徒さんたちが現地の話を聞いて真剣に考えている様子を見ると、地道に伝えていくことで若者の中から何かが変わる日がくるかもしれないな~としみじみ感じることがあり、それが発信活動の原動力ともなっています。

◎ ボランティアやインターン

自分の時間を使って協力できることもあります。例えば、JVCでは寄付していただいた物品の仕分け作業や、発送物の封入などを、ボランティアやインターンの方々に手伝っていただいています。その他インターンには、活動の広報(WebサイトやSNS、イベント)などにも力を貸してもらっており、インターンにとっては、その作業を通じて広報のノウハウや、現地情勢や事業のことなどを学ぶ機会にもなっています。
(インターンは不定期に募集しているので、時々JVCのWebサイトをチェックしてみてください!)

◎ モノやお金での寄付

時々「自分で行くことはできないから寄付しかできなくて・・・」とおっしゃる方がいらっしゃるのですが、JVCのようなNGOなどの活動は、みなさんから託していただいたご寄付などで成り立っています。逆にみなさんからの支援がないと活動を続けることはできません。みなさんからお預かりした支援を、私たちが現地に届けるという役割分担をしていると考えていただけると良いのかなと思います。ぜひ、一緒に現地の人々を支えていただけたらと思います。
(協力しても良いかなと思われた方はぜひ下のWebサイトをご覧ください)

◎ 政治に参加する(選挙の投票に行く)

こんなことを言うと、ずいぶん非現実的なことを言い出したと思われるでしょうか。Twitterとかだと叩く人が出てきそうな発言ですね 笑。選挙で投票しても何も変わらないと思う方も多いかもしれませんが、有権者一人一人が考えて、「この人なら、この政党なら、世界の問題に働きかけてくれそうだな」と思う人を選ぶことで、そういう人が増えることで、何も行動しないよりは物事が前進するのではないかと思うので、ぜひみなさんが選ぶ視点にも加えていただけたらと思います。

ぜひみなさんも、自分が活動に直接参加したいと思うならチャレンジを、それは難しいけど何かしたいなという場合には、いまの生活の中でできることを見つけてみてください!

パレスチナについて知る

JVCはこれからも現地の人々と活動を続けていくと共に、現地の状況や人びとの声などを発信していきます。それが、みなさんがパレスチナのことを知るきっかけや一助になれば幸いです。

note以外にも、下記の媒体などでも現地や活動のことなどを発信しています。また、WebサイトやFacebookにはイベントの情報なども掲載されますので、ぜひフォローなどして追っていただけたらと思います。

JVC Webサイト

JVCパレスチナFacebook

JVC パレスチナ事業30年 特設ページ

HISオンラインスタディーツアー(presented by HIS)

旅行会社のHISさん主催で、年に4回ほどオンラインでのスタディツアーを開催しています。開催時期や詳細については、随時JVCのWebサイトやFacebookで情報をお伝えしています。

★次回開催日は5月7日(20~22時)
(お申し込みや詳細は以下のWebサイトから!ご参加お待ちしています!)


(Youtube)世界の「いま」を現場からお届けする月刊JVC (presented by 8bitNews)(2022)

『ウクライナに思いを馳せつつパレスチナを語る』(2022/03/29)

『パレスチナ ガザ空爆から1年』(2022/05/19)

『激動の30年を生きる~たたかう女性たちのパレスチナ~』(2022/11/24)

(Youtube)【Radio Dialogue】(presented by D4P)(2021-2022)


いとうせいこうさん・吉田美紀さん(UNRWA)・山村順子(JVC)さん「パレスチナ、ガザ空爆の今」Radio Dialogue 009(2021/5/19)

山村順子さん(JVC)「パレスチナーイスラエルの今」 Radio Dialogue 047(2022/2/16)

(Youtube)【NGO 世界を見つめて】(presented by D4P) (2020)

(前編)パレスチナのいまと自分たちにできること JVC × 堀潤 × 鎌倉幸子 × JANIC × D4P (2020/10/22)

(後編)パレスチナのいまと自分たちにできること JVC × 堀潤 × 鎌倉幸子 × JANIC × D4P (2020/10/29)


JVCのパレスチナ事業では、現地に暮らす人びとの意思を応援する形での支援を行なっています。また、パレスチナの問題を日本社会にも伝えることで、一人ひとりが取り組むための橋渡し役を担うことも試みています。 サポートしていただいた分は全額、JVCのパレスチナ事業に寄付いたします。