大東流の口伝31
この他にもいろいろ口伝はありますが、主なものは紹介(詳解)しました。
これら口伝で大事なことは、原理が分かっていて、応用自在に使えて、教えられるということです。
自分は出来ているけど、なぜ出来ているのかわかっていない、やっていることと説明があっていない、ではダメなのです。
一般に、古武術の形はすべて理論的に説明できると思われます。しかも、法律の逐条解説のごとく、逐(動き)解説が可能です。微分的アプローチとでもいいましょうか、それほど、形はエッセンスによって作り込まれたものであるということでしょう。
口伝は方程式のようなものです。方程式という結論だけを教わって1から10まで悟ることが出来る人(天才)はどれほどいるでしょう。凡人は教えられても、なかなか出来ないし、その前後のことにも気付けないのです。目標(形や術理)を提示され、その原理を理解した上で稽古に臨みたいものです。
特に、「合気」をお題目に掲げている団体は、有名どころからそうでないところまでたくさんあります。闇の中、手探りの稽古では目的地にたどり着けません。いわば“理”のない稽古は非効率的、技を極めたいと思っている方にとっては時間泥棒になりかねません。心すべきでしょう。(完)