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目的が欠けている高校の金融経済教育。使い方だけ知っても意味がない。#76

昨日は、日本ファイナンシャルプランナー協会が実施している2級FP技能士検定の試験日で、受験してきました。3級の試験を終えたのが6月末。それからちょこちょこと勉強はしてましたが、何だかんだと時間の確保が難しくて途切れ途切れの勉強に…試験には学科試験と実技試験があって、両方で合格点以上を取る必要があります。ただ、今回どちらかで合格点以上を取っていた場合は、次回はその試験のみ免除となります。一応の自己採点では、学科は合格点以上でした。実技試験の方は配点が未公開となっているため確実ではありませんが、ギリギリのラインにいました。結局、受験という点においては時間との闘いなわけで、事前に過去問をやりこむことができていないかったのが大きく、理解していてもテストでは不正解となります。 #ただの言い訳

まぁ、結果についてはあとは待つしかないので、今日からは宅建試験の勉強とか読書とかやっていきたいと思います。

で、今日の本題は2022年から学習指導要領が改訂され、高校の家庭科の授業で金融経済教育がじっしされることになりました。まずご覧いただきたいのが、金融庁が提供しているこちらの指導教材です。

こちらの公開されている資料の中で、講義の目的と金融リテラシーの定義が触れられています。


金融庁:高校向け 金融経済教育指導教材より
金融庁:高校向け 金融経済教育指導教材より

これらを見ていて「うんうん、大事だよね」とは思うものの、どちらかというとこれを高校生がいきなり聞いて分かるのか?という疑問がわきました。さらには、金融リテラシーに欠けている(誰も教育を受けていない)日本人の誰が教育として教えることができるんだろう...とも。

そんななかで、今年の6月に日本FP協会が教員・指導者向けにアンケートを実施しており、その調査結果が報告されました。(関心のある方はご覧ください)

調査結果の大枠はこんな感じです。

金融経済教育の現状と課題
日本FP協会の調査によると、金融経済教育の必要性を感じている教員は約9割に達していますが、生徒への浸透率は1割強にとどまっていることが明らかになりました。教育現場では、「生徒にとって内容が難しい」「教える側の専門知識が不足している」といった問題が指摘されています。特に、教員の専門知識の不足が大きな課題として浮かび上がっています。

時間的な制約と外部連携の重要性
教員が自身で金融知識を習得するには時間的な制約が大きく、約6割の教員が「時間的余裕がない」と答えています。そのため、約8割の教員が、金融経済教育を進めるためには外部組織との連携が必要であると感じており、特に高度な専門知識を持った外部講師の活用を希望しています。しかし、現時点では連携経験がない教員も半数以上を占めており、今後の取り組みが課題です。

外部講師に求められる資質
外部講師や組織に対しては、専門的な知識だけでなく、公平・中立性や教育現場への理解も求められています。特に、依頼料がかからないことや授業内容の提案能力が重視されています。

ChatGPT 4o

この調査結果からも分かるのは、高校生に分かりずらいというのがアンケート結果のトップになっていますが、実はその次の教える側の専門知識の不足というのがいちばんの課題なのではないでしょうか。

教員の労働環境そのものに課題があることは、ある程度の承知はしているものの、やっぱり学ばない日本人らしい回答になっていますね。学ぶ時間がないが8割の回答ですが、時間がないのではなくて時間を作ろうとしていないだと思います。

日本人の平均学習時間は今は13分。男13分、女12分となっています。(家事は圧倒的に女性が多い)
以下は、「令和3年社会生活基本調査結果」(総務省統計局)からの出店です。

で、教員が教えるだけの知識を持っていないというのは今の現状として、その次の回答があー、終わってるわとなりました。そもそも、これからでもいいから学ぼうとする意欲ってないのでしょうかね…

日本の金融経済教育はスタートすることが決まっている。自分には教えるだけの知識がない(むしろ自分も知りたい的な)。じゃあ、専門的な知識がある人にお願いしちゃおう。それもできれば無料で。そりゃあかんです!

○そもそも誰に依頼するか選べるの?問題

専門家に依頼しちゃおうとなっているわけですが、マネーリテラシーがないのに、どうやって人を選ぶのでしょうか。普段から知識を得ようとしていないと、この人にお願いしたい!とはならないと思います。その結果、こういった団体に依頼をしたりするのかもしれません。

自分が取り組んでいないことの評価は難しいです。肌感もですし、内容や依頼料金なども分からないことだらけです。少しでも学ぶ姿勢を持つことで、今まで自分に無かった情報が入ってきて刺激になると思うのですが、なかなかそうはならないのが現実ですね。趣味とか娯楽の時間はしっかり確保できているのに、学習時間はなし。30分でもいいからその配分を学習に充てることってできないのかなと思う次第です。

○お金の特性をまずは学ぼう

金融経済教育では、お金の使い方とか守り方について触れられています。投資だけじゃなく、色々な使い方があるよねと。それはそれで必要な知識だと私も思いますが、やっぱり何より大事なのって何でその手段を取るか?です。何で銀行預金?何で投資?何でお金が必要?とこんな風に考えたりするわけで…その先に行き着くのは、お金ってそもそも何だっけ?という疑問です。

世の中お金じゃないとよく耳にするのですが、現実にこの世の中はお金で動いています。自分の思想は一旦置いておいて、この現実をリアルタイムで生きていくための手段についてしっかり学んでおく必要はありそうです。

このお金って何?という議論が一番先に来る必要があるなと思っています。
お金が万能な手段であるがゆえに、お金の地位がピラミッドの頂点になりがちな日本です(お金教)が、その特性を知った上で行動につなげていけると良いと思います。

なので、既存の金融経済教育はハサミ✂の説明書だけいきなり渡されたようなもの。こうやって使います。こうしたら手を切ってしまいますといったような感じ。いやいや、そもそも何でハサミが必要なのよ?となるわけで、紙が切りづらいとか時間がかかって仕方がないという課題意識がなければハサミなんてそもそも不要なんです。目的があるから手段が必要で、手段だけいきなり必要になることなんてないと思っています。

金融経済教育もやっぱりお金の特性を知ることから始めた方が良さそうです。

私の肌感でしかありませんが、これほどにお金に卑しさを覚えている日本の中で、お金についてを前面に押し出した取り組みはあまり響かなそう。お金について学べる場があったとして、そこに行きたいと思う気持ちの反面、気になってしまうのが周囲の目。あの人お金に執着してるわーと言われたくないですもんね。

このあたりを頭の隅に置きながら、どうやってお金のことを話題にできる場をつくることができるのか。今の私の課題感でもあります。


ちょっとまとまりなくなってきましたので終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。ゆうちゃんでした。

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