視神経脊髄炎って何?
こんにちは!
少額の資金運用を始めた
個人事業主柔道整復師のやまなしです!
前回は柔道整復師の国家試験について書いていきましたね!
今回はちょっとだけ臨床的なお話しをしようと思います!
皆さんは『視神経脊髄炎』という疾患をご存知でしょうか?
僕は先日視神経脊髄炎を患った方とお会いし、その日から視神経脊髄炎について勉強をしました。
そこで皆さんにも知ってもらいたいので記事にしてみようと思いました。
知らない疾患を学ぶ事はとても楽しい事ですよね!
勉強した事のアウトプットも兼ねて色々書かせていたたきます!
またこの記事は長くなりますので、休み休み読んでみてください!
今日も僕と一緒に勉強していきましょう!
では早速順を追って説明していきます!
1.視神経脊髄炎を調べると…
僕は視神経脊髄炎はなかなか聞かない疾患だなと思い調べました。
調べると上の方に出てくるページが難病情報センターのページでした。
それはなかなか聞かないわけだな、と思いました。
ですが、柔道整復師も医療従事者の一人、知らないから何もしないはとても悲しいと僕は思います。
(知ってるからといって勝手にあれこれやるのも僕は独り善がりだと感じてしまいます…)
知らないより知っている方が良いに決まっています!
なので、この記事が少しでも学ぶきっかけになればいいなと思います!
2.視神経脊髄炎って何?
とりあえず今知っていることは「視神経脊髄炎は難病の一つ」ということだけなので、詳細をお話ししていきたいと思います!
視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica:NMO)は、元々多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)の一つだと考えられていたようです。
有病率は10万人あたり3.42人(0.0000342%)で、日本には4000人強の方が患っているようです。
年齢的には30〜40代が多く、男女比率は1:10と女性の方が多いようです。
確かに僕が出会った人は、50代女性で18年前に発症したと言っていました。
3.原因は?
ではそんな視神経脊髄炎を発症する原因はなんだろうか?
やはり難病と言われるだけあり、解明されていない事はまだ多いようである。
だが、自己免疫疾患だと言われていて、抗AQP4(アクアポリン4)抗体が重要となっている。
ただ、抗AQP4抗体が陰性の場合もあり、逆に抗MOG(ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質)抗体が陽性の場合もある。
また、遺伝はしないと言われているが、発症のしやすい体質は遺伝すると言われている。
その発症しやすい人は、DR2というHLA(ヒト白血球抗原)のタイプを持っている人だと言われている。
4.症状
続いて、視神経脊髄炎の症状ですが、人によって全然違います。
僕の出会った人は日によって症状の重さが全然違うと言っていました。
ではどのような症状があるのかというと、名前にあるように視神経や脊髄が炎症し障害され、恐ろしいことにその他脳にも障害が現れる。
それぞれの障害部別に書き出すと、
大脳
▶︎手足の感覚障害・運動障害、認知機能の低下…
脳幹部
▶︎複視、眼振、顔面神経麻痺、嚥下障害、言語(構音)障害…
小脳
▶︎酩酊歩行、振戦…
視神経
▶︎視力低下、視野障害、霧視、眼や眼の奥の痛み…
脊髄
▶︎帯状のしびれ・神経痛、運動障害による四肢の筋力低下・固く突っ張るような感覚、触覚温痛覚の鈍麻、しびれ、(以下自律神経障害による症状)排便・排尿障害、発汗障害…
その他
▶︎倦怠感、脱力感、吃逆(しゃっくり)、嘔吐、傾眠、ウートフ現象…
ウートフ現象とは
▶︎体温の上昇に伴い、症状が悪化してしまう現象
これらの症状が出てしまうと、やはり日常生活も困難になってしまうことは容易に想像できると思います。
5.検査
では、このような症状があった時に、どのような検査をし視神経脊髄炎だと診断するのだろうか。
色々な症状があるため色々な検査があるが、国際的な診断基準がある。
視神経脊髄炎(NMOSD)Online
どのように診断するのでしょうか?
https://nmosd-online.jp/treatment/diagnosis/
(最終アクセス日:2021年8月14日)
ですが、今回は色々な検査を知ってもらいたいので、全て書き出しますね!
血液検査
髄液検査
MRI(核磁気共鳴画像法)
視力検査
視野検査
瞳孔反射
CFF(中心フリッカー値)測定検査
OCT(光干渉断層計)検査
眼底検査
指鼻検査
腱反射
BAEP(聴性脳幹誘発電位)
VEP(視覚誘発電位)
SEP(体性感覚誘発電位)
MEP(運動誘発電位)
EDSS(総合障害度評価尺度)
その他問診時の症状の確認
ではこれらの詳細も書いていきます!
血液検査
▶︎血液検査による抗AQP4抗体検査が判断するための検査のひとつです。
だが、検査する方法や時期によって偽陽性にになることがあるため、他の検査法(抗MOG抗体検査等)で再度検査を行うこともあります。
髄液検査
▶︎腰椎穿刺にて脳脊髄液を採取し、液中の細胞数や総タンパク濃度などを調べます。
MRI検査
▶︎脳や脊髄などの断面画像を撮影し、自覚症状がなくても炎症があるのか確認できます。
T2強調画像・フレア画像で白くうつる。急性期病変はガドニウム(造影剤)が漏れ、T1強調画像で白くうつる。また、脱髄病変に不可逆性の軸索変性が生じるとT1強調画像で黒くうつる。
視神経脊髄炎では、●3椎体以上の長い病変、●脊髄中心部の病変、という特徴がみられます。
視力検査
▶︎一般的な視力検査で、0.1以下になることもあります。
視野検査
▶︎視神経脊髄炎では、中心暗点、両耳側半盲、同名性半盲、水平性半盲などがみられます。
瞳孔反射
▶︎反射の消失や弱体がみられます。
CFF測定検査
▶︎光の点滅が判別できる周波数を測定し、35Hz未満で異常と判断します。
視力の低下より先にCFFが低下するので視神経炎の早期診断に有用です。
OCT検査
▶︎網膜の厚さを測定する検査です。
眼底検査
▶︎炎症時には視神経乳頭が赤くふくらむことがあります。視力低下の後遺症が強い場合は視神経乳頭が萎縮します。
BAEP
▶︎音を聞いて、その刺激が脳に伝わるまでの時間を測定します。
VEP
▶︎暗い部屋で点滅する光や白黒が反転するパターン画像などを見つめるなどして測定します。
SEP
▶︎左右の手首、足首に軽い電気刺激を与えて測定します。
MEP
▶︎脳に磁気刺激を与えて、運動神経の機能を観察します。
EDSS
▶︎視神経脊髄炎の症状に合わせた障害度評価尺度がないため、多発性硬化症で使っているEDSSで障害度を測ります。
診断時の障害度判定だけでなく、症状や治療経過を知るのにも役立ちます。
また、難病医療費助成制度の「重症」の判定基準としても使用されています。
EDSSは、0.0から10.0までの0.5ポイント刻みでスコア化したもので、歩行機能を中心とした運動障害度を評価する尺度です。
EDSSと合わせて、機能別障害度(FS)を評価します。
このように検査も色々とあるので、なかなか覚えられないかと思いますが、僕と一緒にこんなのがあるのか程度は覚えておきましょう!
6.治療法
続いて治療法ですが、ポイントとなるのが『急性期の炎症を早く抑え、再発をさせないこと。また、免疫を抑制すること。』だそうです。
治療法も検査同様に多く複雑ですが、また書き出していこうと思います!
急性期(急性憎悪期、発症期、再発期)
○ステロイドパルス療法
○血液浄化療法(血漿交換)
○大量免疫グロブリン静注療法 ……
慢性期(慢性維持期、安定期)
○ステロイド内服
○免疫抑制剤 ……
その他対症療法
では治療法も詳しく書いていきます!
僕なんかは医師でも薬剤師でもないので、まだまだ勉強中なのでこれからどんどん理解していきます!
ステロイドパルス療法
▶︎ステロイドパルス療法とは、500㎎〜1000㎎のソル・メドロールやメチル・プレドニゾロン(ステロイド剤)などを2〜3時間かけて1日1回点滴静注するのを3〜5日間行います。
ステロイドの長期連用には、多くの副作用が出現する危険が増すため、ステロイドパルス療法後に経口ステロイドを投薬する場合でも、2週間を超えないように投与計画されることが多い。
また副作用は、体重増加、顔貌変化、糖尿病、消化管潰瘍、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死、精神症状、易感染性、心不全(稀だが報告あり)、劇症肝炎(稀だが報告あり)などである。
血液浄化療法(血漿交換)
▶︎ステロイドパルス療法の効果があまりない場合などの時、血液浄化療法の中でも血漿交換療法が行われます。
血漿交換は、血液を血漿分離器で血球成分と血漿成分に分離した後に、病因物質を除去するために血漿を同じ量の新鮮凍結血漿と交換します。
また、方法がPE(Plasma Exchange、単純血漿交換療法)、DFPP(Double Filtration Plasmapheresis、二重濾過血漿交換療法)、PA(Plasma Adsorption、血漿吸着療法)などいくつかあるようです。
大量免疫グロブリン静注療法(IVIg:Intravenous Immunoglobulin)
▶︎血液浄化療法とほぼ同等の効果が得られるようです。
免疫グロブリンを大量に投与することで異常な自己抗体を無効化する。
免疫グロブリン0.4㎏/㎏を5日間連続で行うようです。
合併症として、アレルギー、血栓症、髄膜炎などが低頻度で現れるようです。
ステロイド内服
▶︎慢性期に入るとステロイドパルス療法からステロイド内服治療が行われます。
だが、再発のリスクと副作用のリスクを考慮して慎重な減量が必要です。
パルス療法後はプレドニゾロン換算より1㎎/㎏/日の経口投与が推奨されているそうです。
経口ステロイド剤を服用することで症状の安定化や再発予防をはかります。
免疫抑制剤
▶︎ステロイド剤と併用して服用します。
タクロリムス水和物、ミゾリビン、シクロスポリン、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブなどの免疫抑制剤を人によって使い分けるそうです。
その他対症療法
▶︎有痛性・強直性・痙攣にカルバマゼピン
痙縮にバクロフェンなどの抗痙縮剤
排尿障害に抗コリン薬
などの症状に合わせて薬剤を服用します。
このように治療法は多くの薬剤を使ったりと、やはり医師・薬剤師などではないとなかなか難しいですよね。
検査同様、僕と一緒に勉強していきましょう!
7.日常生活
長文となってきましたが、最後に視神経脊髄炎の患者が日常生活に気をつけることを少し書いていきたいと思います。
ポイントはやはり『免疫バランス』です!
視神経脊髄炎は自己免疫疾患だと考えられているので、免疫のバランスを崩さないのが大切になります。
そのひとつに感染症があります。
風邪やインフルエンザなどの感染症に感染し発症すると再発してしまう恐れがあります。
そのため、体調が少しでも悪いと思ったら病院に行き、早期の対応が必要となります。
また、治療中の薬剤によっては予防接種やワクチンを受けることができない可能性があるので相談が必要となります。
続いて間接的に関わる要因として『疲労・ストレス』も関わります。
疲労やストレスは再発に直接は関わりませんが、免疫バランスを崩す恐れがあります。
以上のことを踏まえた上で、大事なことはやはり『バランス良く、健康的な生活を送る』ことになると思います。
食事の制限はないためバランスの良い食事を心がけ、障害による筋力低下や体力低下を抑え改善するためにも適度な運動が必要となります。
以上のことを気をつける必要があるのですが、あまり神経質になってもかえってストレスになってしまうため、気楽に健康的な生活を送りましょう!
また使用している薬剤によって注意点が変わってくるので、主治医に良く確認しましょう。
8.最後に
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
ここまで読んでいただくとわかるように、視神経脊髄炎は難病に指定されているだけあり、まだ解明されていないことが多く僕ら柔道整復師にはできることは少ないと思います。
今回書き出した症状などがあり、視神経脊髄炎が疑わしい場合はすぐに専門医に送ることが大切です。
視神経脊髄炎に気がついていない患者さんの主訴を元に施術をしてしまうと、ウートフ現象が起こり症状が悪化し患者さんからの信頼を失ってしまうかもしれません。
そう考えると、
僕は柔道整復師だからといって業務範囲内の勉強だけでなく、起こりうる可能性があることはなんでも勉強しておく必要があると思います。
僕もまだまだ勉強不足のため、これからももっと様々な勉強をしていきます!
今後もまた勉強したことを記事にしていきますので、
一緒に成長しましょう!
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