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剣道 練習内容


 はじめに

効率的な練習はスポーツ指導における強いチームの特徴の一つです。私が小学校時代に所属していた今宿少年剣道部の経験からも、この点が明らかになります。今宿少年剣道部は全国的にも著名な道場でありながら、その練習は決して長時間ではなく、特別な内容を含むわけでもありませんでした。練習時間は小学生であれば1時間ちょっととです。にもかかわらず高い成果を上げていました。

本質に力を注ぐ

この成果の背景には、私は二つの重要な原則があったと考えています。1つ目は、練習では本質的なことにのみ焦点を当てることです。例えば、素振りや、すり足の練習を序盤に置かないなど、今宿の練習内容は剣道界の一般的な慣習に捉われないアプローチが取られていました。

無駄な動きや時間を省く

2点目は、無駄を省くことです。多くの道場では切り返しとかかり稽古を別々に行いますが、今宿では切り返しの直後にそのままかかり稽古に移るという効率的な方法を採用していました。一度の練習セッションで複数の活動や動作を同時に行うことで、時間を有効に活用します。

これらのアプローチは、剣道指導における常識にとらわれず、子供たちの反応を見ながら柔軟に練習内容を調整する先生の方針によるものです。結果として、これらの努力は効率的な練習方法として現れ、その成果は明らかでした。

私の考えた練習内容

現在、私は中学校で剣道を指導していますが平日は1時間10分ほどしか練習時間がありません。そのため、効率的で効果的な練習内容を日々研究して実践しています。以下が練習の主な流れです。

ウォームアップ(2分ほど)
・体操のみ
※中学生の段階では、入念なストレッチなどは必要ないと考え主要部分の体操を行ったら面つけに移っています。

面つけ後
切り返しかかり稽古(4ローテションで面を打つ場合を2回。竹刀を打つ場合を2回。切り返しに続いてかかり稽古(面、面+体当たり+引き面、面+体当たり+引き小手、面+体当たり+引き胴※小手、面+引き技のバージョンもある)。)(10分ほど)

1分間の連続打ち込み練習。面、小手、胴の3パターンを行う。※打ったら速く動いて、1分間の間に何本も打てるように追い込むような声かけを行う。(10分ほど)

 ・1分間面打ち+その後面の技を4種類打ち込む(飛び込み面、回して面、抱えて面、払って面など)
 ・1分間小手打ち+その後小手の技を2種類打ち込む(面・小手2本、出小手2本)
 ・1分間胴打ち+その後胴の技を2種類打ち込む(抜き胴2本、面返し胴2本)

休憩(5分ほど)

休憩後、AパターンまたはBパターンを選択

Aパターン:技の練習 + 地稽古(20分ほど)
主に仕掛け技の練習を行う。例えば出小手を2ローテーションして練習したらそのまま地稽古を行う。(今練習した技を使うように声かけをする。)
その後、また別の技の練習を2ローテーションしたら地稽古を行う。技の練習→地稽古。技の練習→地稽古。となるように設計する。

Bパターン:試合稽古(20分ほど)

以下は、今宿少年剣道部で採用されていた試合稽古の図式だ。Aコートが最上位のコートでB、C、Dと続く。各コートで総当たり戦を行い1位は昇格、2位は留まり、3位は降格する。この形の良いところは試合のない人は審判をするので何もしない人が出ない点と、試合を繰り返す内に力が同じくらいの人と戦うことになる点だ。

試合稽古の図

おわりに

はじめにも書いたが、結果を出しているチームの練習内容は短く効率のよいものであることが多い。特に、小、中学生は集中力が長く続かないのでより一層そのポイントが重要だと考える。業界の慣習から外れたやり方は時として受け入れられないことが多い。特に、初心者や経験の浅い人ほどその傾向にある。そのため、結果が出るまでは強い信念をもち、子供の反応を見てブラッシュアップを繰り返していく必要がある。

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