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剣道 「打ち切る」


はじめに

最近、全日本剣道連盟の剣道学科審査の問題例と回答例を熱心に読んでいます。この文書は、昇段審査で問われる剣道の基本動作、稽古の姿勢、目的などについて詳しく解説しており、指導者にとって非常に有益な情報源です。その中で特に、「打ち切る」という概念が私の関心を引きました。

打ち切るとは

問:「打ちきる」 について説明しなさい。 
解:相手の行動をよく観察し、判断して、 相手の隙を発見するや否や直ちに勝ち負けの意識を捨てて全力で打突することである。

全日本剣道連盟の剣道学科審査の問題例と回答例

この考え方は、剣道に取り組む姿勢の中で極めて重要なものであり、私はこれを深く理解し、生徒たちにもその精神を伝えたいと考えています。

打ち切れない生徒

しかし、実際には多くの生徒がこの精神をもって技を出すことができていません。自分から積極的に技を仕掛けることが少なく、腰が引けたり、半分逃げながら打ち込んでいるような姿勢が見られます。このような状態では、相手の隙をついて有効な打突をすることは困難であり、また剣道で求められる捨身の姿勢が認められず一本となりません。

打たれる恐怖

生徒たちが「打ち切る」ことができない主な理由は、打たれることや負けることへの恐怖だと思われます。この恐怖心は理解できるものの、それに囚われてしまっては有効な一本を取ることはできません。そのため、勝ち負けの意識を捨て、全力で打突することの大切さをまずは意識させることが重要です。

試合に向かう姿勢

試合における姿勢として最も重要なのは、これまで磨いてきた技や練習の成果を発揮することです。もし、その結果として相手にかわされ、打たれることがあっても、それは自分の練習がまだ足りなかったということに他なりません。重要なのは、勝ち負けではなく、これまでの自分の努力と練習を最大限に発揮することです。

おわりに

私も大学時代まで陸上競技に打ち込んでいたので、試合の勝ち負けにこだわる気持ちはよくわかります。しかし、そうした心境で試合に臨むことが、必ずしも最高のパフォーマンスを引き出すわけではないと考えています。本当に大切なのは、これまでの練習で培ってきたすべてを試合で存分に発揮することです。その一点に集中し、全力を尽くす姿勢こそが重要だと思います。もし結果が期待通りでなかったとしても、「まだ練習が足りない」と受け止め、再び挑戦する勇気を持つことが大事です。このようなポジティブな考え方と姿勢があれば、心は常に前向きに保たれ、「打ち切る」ことができるはずです。

生徒たちには「打ち切る」精神を理解させ、彼らがこの重要な概念を実践できるよう導いていきたいです。




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