間違えたビザが届いた話【カナダ🇨🇦PGWP】
自分が住んでいるカルガリーでは1週間前は+11℃だったのに、いきなり最高気温が-19℃になって体がついていっていない今日この頃みなさんいかがお過ごしでしょうか。
この記事はTwitterで仲良くさせていただいてる絶対留学するマンさんの企画の留学Advent Calendar 2022で紹介していただくことになりました。
ぱっと見でアメリカ留学の参加者が多い感じだったので、カナダ在住の自分の記事が面白い(?)かどうかは分かりませんが、読んでもらえれば幸いです。
ちょこっと自己紹介をすると、日本の学部時代(2017)にアメリカはウィスコンシン州に1年間交換留学(スポーツ科学)をし、日本の大学を卒業後にカナダのトロントでワーホリを使ってギャップイヤー(2019)をしていました。その後コロナの影響を受けつつも、同国のアルバータ州のカルガリーというところで運動生理学の修士課程を修了(2022)し、現在は現地のクリニックでHealthcare Professionalとして働きながら、パートタイムで大学やスタバでも鬼のように働いています。
そんな自己紹介は置いておいて、今回は海外に留学や仕事をする人たちの誰しもが通る道であるビザの申請に関してです。
*ちなみに長文なので流し読み感覚で読んでみてください
カナダのPGWP
最近はカナダへの留学がどんどん増えていっています(自分調べ)が、その理由のひとつとして労働ビザの取りやすさがあると思います。
カナダで取りやすいビザのひとつとしてPGWP(Post graduate work permit)という、いわゆるポスグラというカナダ(指定)のカレッジや大学を卒業するとどのメジャーでも就業期間に応じて最大で3年間の労働ビザがもらえるという、現地で職務経験を積みたかったり、永住権を取りたい人にとってはとてもありがたい仕組みがあります。
お隣のアメリカと比べて、大学卒業後にほぼ確実に最大3年の労働ビザがもらえるというのはカナダ留学の魅力のひとつだと思います。
そしてこのPGWPをもちろん自分も大学院卒業後に申請しました。
申請自体はシンプルなのですが、自分はヘルスケアの分野で働く予定だったため、メディカルチェックを追加で受けないといけませんでした。このメディカルチェックを提出しないと、ビザが届いても条件の欄に「チャイルドケア、学校、ヘルスケアでは働けません」っていうのが書かれてしまいます。
自分は最初からその条件がないビザを取得するために、$340ほどかけてちゃんとメディカルチェックを受けてから、ビザを申請しました。
申請したのは2022年の5月で、その頃はカナダの移民局には過去のアプリケーションのバックログが270万件あったので、プロセスの推定時間は142日でした。カナダでは、学生ビザからPGWPの申請の場合(一応規定はあり)はビザが届いてなくても承認待ちの期間は合法的に働くことができるので、自分はビザの承認を気長に待ちながら就活して、無事にオファーをくださったクリニックで仕事を始めました。
ついに承認…しかし
気がつけば10月…そして推定時間の142日も過ぎて、まだかなぁと毎朝移民局のプロファイルページをチェックする日々が続きました。そしてついに申請から150日、ビザが承認されて無事に3年分のポスグラが出るよということで安心したのも束の間、数日後にビザが届いたのですが、例のヘルスケアで働けないという条件が"ついている"ビザでした。
一瞬何かの間違えかと思いましたが、そこには明らかに条件が載っていました。この時はこれは自分のミスだったのか移民局側のミスなのか少し動揺してて分からなかったので、とりあえずクリニックのオーナーにまさかの働けなくなったことを伝えて、大学のイミグレのアドバイザーに何をしたらいいか相談してみることに。
イミグレアドバイザー
自分はポスグラ申請前にメディカルチェックのことを大学のイミグレアドバイザー(カナダ公認の移民コンサルタント)に聞いていたので、言われたように申請したけど間違えたビザが届いたよとかくかくしかじかとメールしたら、何個か質問をされてそれは十中八九移民局のミスだろうと…
そして、ビザを修正してもらうための選択肢として
原本と一緒に郵送で修正申請書を送る(最大15週かかる)
アメリカーカナダ国境でビザを直してもらう(いわゆるフラッグポール)
っていうのをお勧めされました。ただ、このメールの時点ではフラッグポールは国境のオフィサーはあんまり好かないし、もしかしたら直してもらえるかも程度の可能性だと思った方がいいと言っていてました。
その後、州のTemporary Worker Assistant Programというところに連絡して、かくかくしかじかと事情を説明して、どうしたらいいですかと聞くと、フラッグポールは入国拒否の可能性があるからやめた方がいい、大人しく郵送で申請するしかない…とのことでした。でもまぁ、このスタッフたちは州政府の人たちなのでフラッグポールを勧めるわけはないか…と納得。
クリニックのオーナーとも相談して、大人しく郵送で修正申請をすることに。そして、明らかに移民局側のミスでそれのせいでジョブオファーがなくなる可能性があったり、仕事を失う可能性があるという証明があり、それが認められた場合はUrgent Processing扱いにしてもらえる”可能性がある”と移民局のサイトに記載されていたので、その旨を書いたレターをオーナーに書いてもらいました(可能性があるってなんやねんって感じですが)。
後日、提出書類をアドバイザー確認してもらうため大学へ。ずっとメールをしていたアドバイザーとは違うアドバイザーでしたが、先に今までのメールの内容をシェアしてもらっていたので、自分の状況をもう把握していました。そして、会って早々に言われたのが
「え、フラッグポールしたらいいんじゃない?」
その時は書類の最終確認してその後すぐ郵送しようと思ってたのに、は?っていう感情に。いや、前のアドバイザーも修正してもらえる”可能性がある”だけであって、確実に修正はできないから郵送を勧められたのに今になってそれ言う?という心の声を抑えてわけを聞くと、自分はすでに合法でカナダに入国できるビザ(例の条件が載っている以外は普通のビザ)を持っているから、入国拒否されることは限りなくゼロに近いから、試してみて無理だったら郵送してもいいんじゃない?とのことでした。
そして、アルバータ州とモンタナ州の国境は車で5時間くらいかかるし、小さい国境はそういう処理に慣れていない可能性があるので、お隣のバンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州(BC)へ行き、ワシントン州との国境でお願いするといい…とは言っていたものの、いやわざわざ飛行機でBCまで行って、無理だった時は逆に立ち直れないよ!!!とこれまた心の声を抑えて、とりあえずオーナーと相談してみて決めることに。
クリニックのオーナー(いわゆるco-owner)は3人いるのですが、3人ともチャンスがあるならやってみたら?でも最終的な決断は自分次第よ!と後押し。
オーナーの1人は当時BCに住んでいたので車を出すよ!とのことだったので、微かな希望を持って国境へ行くことに。
いざ国境へ
国境に行こうと決断した5分後には3日後のチケットを購入。こんなに大胆な行動ができるようになったなんて昔の自分がみたら驚くかもしれませんが、少しでも可能性があるならそれを信じたいとの一心でした。
バンクーバーに行くのは人生で2回目。最初はカナダに初めて来た2019年。トロントに行く前にバンクーバーに数日滞在してちょっと観光したのを覚えています。当時は海外生活が始まるというキラキラした目で色んな物をみていましたが、3年後の今は観光どころではなく、何が起こるか分からない不安を拭えない状態でバンクーバーに到着。
オーナーに空港でピックアップしてもらい、早速国境へ。アメリカ側の国境ではいろいろと質問されましたが問題なく通過。そしてアメリカ滞在時間3分でカナダ側の国境へ。ビザ治したいんだけどって伝えるとオフィスに行ってと言われる。この時点ではいけるんじゃない?っていう感じの雰囲気でした。
移民局のオフィスはガラガラで自分の前に1組だけ待っていました。そして、5分後くらいに呼ばれたけどめっちゃやる気なさそうなオフィサーと話すことに。かくかくしかじかと事情を説明すると、
オフィ「メディカルチェック本当に先にやったの?」
わい「うん」
オフィ「これオンライン申請?」
わい「うん」
「じゃあオンラインで修正するしかないよ。国境で作られたやつをこちらのミスであれば直すことはできるけどオンラインのを直すのはルールに反するから無理だよ。」
わい「へ」
もうこの時点で自分は諦めモード。この人の言ってることが本当かどうかは分からないけど明らかに直してくれなさそうな雰囲気。
ちなみに、メディカルチェックの結果が移民局には届いてるのか一応確認してみたところ、メディカルはPGWP申請前に届いてるのはわかるけど結果が届いてるかどうかはわからないから、移民局のミスかは分からんなぁってダルそうに言われました。
いや、そのメディカルは結果が届いてるからファイルが届いているんじゃないん???と、これまたこれまた心の声を抑え、これ以上このオフィスにいると自分よりも一緒についてきたオーナーがキレそうだったので諦めて帰ることに。
というわけで、国境でビザ直してもらう大作戦は失敗に終わったわけですが、たぶん郵送で時間かかってたらフラッグポールすればよかったって後悔してたかも…とポジティブに捉えることに(250ドルくらいかかったけど)。
せっかくバンクーバーに来たので寿司とラーメンを食べてカルガリーに泣く泣く帰りました。
郵送…そしてMPと連絡
結局カルガリーに帰ってきた次の日にCanada PostでPriority mail($50)で郵送。Priorityという最速でそしてトラッキング機能がついた一番高い郵送方法で送りました。
そして、実は大学のアドバイザーからもうひとつアドバイスをもらっていました。それは
Member of parliament(MP)に移民局に連絡を取ってもらいプロセスを確認したり催促してもらう
Member of parliamentというのはいわゆる国会議員のことで、MPは移民局との個別の番号を持っていて、すぐに連絡が取れるらしいです。自分みたいな一般の人が移民局と連絡を取ろうと思ったら、朝一に電話をかけたらもしかしたら繋がるくらい全く繋がらないので、もしそんなことをやってくれるMPを探し出せたらそれは救世主でしかありません。
アドバイザーからは自分の住んでいる地域のMPを探して連絡してみるといいよ(もちろん返信が返ってくる保証はありませんが)とのことでしたが、なんとなんと…オーナーの1人がMPと知り合いで連絡を取ってあげるというまさかの展開に。
数日後に自分の書類が移民局に到着したと通知が来て、その後にオーナーの知り合いのMPオフィスが指定したフォームに自分の情報を記入した数日後…なんとすでにMPオフィスが移民局と連絡を取って自分のケースを話してくれました。
MPオフィス曰く、これは移民局のミスだからurgent processingのタグ付け(アプリケーションを開いたらurgent扱いしてくれる)をしてもらうことに。そしてこういうミスはよくあるらしい(へ?)。書類は届いてるけど、オタワのオフィスのどこに自分の書類があるかわからないとのこと(へ?)。月末までに何もアップデートがなかったらまた移民局と連絡とるから、連絡してほしいとのこと。
何度連絡を試みても繋がらなかった移民局とすぐに連絡を取ることができる…これがMPのパワーかと感心しつつも、自分の書類がどこにあるか分からないってどいうことやねん!と心の声を…略。
とりあえず、やることはやったし、書類さへ開いてくれればUrgent processingしてくれる(はず)だからこれまた待ちの期間へ。
そしてようやく
前の時と同じように、まだかなぁと毎朝移民局のプロファイルページをチェックする日々がまた続きました。
そして、書類を送ってから約1ヶ月後、自分のビザがアップデートされましたよと通知が。3日後にビザが届き、条件の欄を確認すると例の条件は取り除かれていました…!
これでやっとクリニックなどヘルスケアの分野で働けることに…
今までツイッターとかでビザのミスとかのツイートを見ても正直他人事でしたが、いざ自分にそれが起こるとストレスが半端ないなとしみじみと感じました。
そして、やっぱりいろいろとアドバイスをしてくださったイミグレのアドバイザーや働けなくなってからも助けてくれたオーナー達には本当に感謝ですし、そして何よりMPの力はすごいんだなと思いました…(ちなみMPに連絡を取ってもらうことは合法だし誰でも尋ねることはできるらしいけど、もちろん返信が返ってくるかどうかは分からないとのことでした)
海外ではコネクションが大事だよっていうのは大学院とかの実習や就活で実感していましたが、この時はコネクションは海外で生きていく上で本当に本当に重要なんだなと身に染みて痛感しました。
最後に
こんな拙い長文を最後まで読んでくださってありがとうございます。
ビザ関連に関しては、完璧に申請したとしても100%安心とは言い切れないというのが今回の経験で思いました。
そして何より、留学や海外生活の中でコネクションはとても大事だし、どんなところに将来活きる繋がりがあるか分からないので、これからも常にアンテナを張って生きていこうと思います。
今回の自分の記事が誰かの参考になるかどうかは正直わかりませんが、どの留学先でもビザに絶対はないし、コネクションは大事にしたほうがいいよ!と1人の元留学生そして海外在住者からのアドバイスだと思ってこの記事のtakeawayだと思ってもらえれば幸いです。
#ポスグラ #PGWP #カナダ #アルバータ #カルガリー #大学院 #留学 #海外 #メディカルチェック #海外留学 #健康診断 #ヘルスケア #クリスマス #アドベントカレンダー