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「若き数学者のアメリカ」を読んだ感想。

『数学者のアメリカ紀行』を読み直し、改めて感じたのは、1970年代初頭の日本人が抱えていたアメリカに対する印象や、異文化の中で苦しむ姿に深く共感する部分が多かったことです。

藤原先生が初めてアメリカに渡る過程で経験する孤独感や不安、そしてその中で感じる自己疑念は、現代の私たちにとっても少なからず共鳴するものがあるように思いました。

特に、現代ではインターネットや携帯電話で簡単に情報を得たり、遠く離れた家族と連絡を取ったりできるのに対し、当時の藤原先生が感じていた孤立感や文化的な壁の高さは、まるで別の時代のように感じられました。

特に印象に残ったのは、藤原先生がアメリカでの初めての体験に対して強い不安を抱え、自己肯定感が揺らいでいた描写です。

自分を強く見せなければならないというプレッシャーや、アメリカという異国で日本人としてのアイデンティティを保とうとする姿勢に、当時の日本人の海外への見方が色濃く反映されています。

また、言語や文化の違いに戸惑い、精神的に参ってしまうシーンもあり、現代の私たちが簡単に外国語を学び、コミュニケーションを取れる環境にあることを考えると、当時の人々が感じていたであろう困難や孤立感がより一層鮮明に浮かび上がります。

この本を読みながら、「分かるかもしれない」と感じる部分が多く、特に自分が新しい環境に飛び込んだとき、言葉の壁や文化の違いに悩んだ経験があったからこそ、その気持ちが理解できました。

しかし、それでも今ではネットの普及により、遠くの人とも容易に繋がれる時代となり、時代背景の違いを感じるとともに、現代の便利さに感謝する気持ちも湧いてきました。

今後実践したいこととしては、藤原先生のように異文化での体験を通じて自己成長を遂げることが目標です。

この本を通じて感じたことは、他者とのコミュニケーションや異文化への理解を深める重要性です。異国に身を置いた時の孤独感や不安を乗り越えるためには、自分の心の強さや、周囲との関係を大切にすることが必要だと感じました。

自分が置かれた環境に流されることなく、逆にその環境を活かして成長していくことを意識して、これからも日々の学びを大切にしていきたいと思います。

総じて、この本はただの紀行文ではなく、当時の日本人が抱えていた文化的背景や精神的な葛藤を描いた貴重な記録であり、今の時代に生きる私たちにも多くの気づきを与えてくれる一冊だと感じました。

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