〜わけがない・〜わけではない 意味・使い方 【例文付き】 <俺の妹がこんなに可愛いわけがない>
今日は「〜わけがない」「〜わけではない」についてまとめようと思います。
〜わけがない
【形】V・A(普通形)+わけがない
Naな/Nな(orである)+わけがない
【意味】強い否定。類似表現「〜はずがない」と比べて客観的な論理を根拠というより直感的な否定のニュアンスを表す。
【例文】
・何もしてないのに100万円ももらえるわけがない。詐欺に違いない。
・カップラーメンも作れないA君が麻婆豆腐を作れるわけがない。
・1分で漢字を100個も書けるわけがない。
・ボルトとかけっこをして勝てるわけがない。
・先月日本語を勉強し始めたのに、日本語の研究論文なんて読めるわけがない。
・三つ星レストランのシェフが作ったのだから、美味しくないわけがない。
【教えるポイント】
なるべく楽しく授業をするために、「強い否定」を学習者自身が実感できるような例文を考えてみるといいかもしれません。
例1
T:みなさん、カップラーメンを食べたことがありますか?
作るのは簡単ですか?難しいですか?
S:とても簡単です。
T:Aさんは、、、カップラーメンも作ることができません!料理が苦手です。
Sさん(中国出身)、Aさんは麻婆豆腐を作ることができますか?
S:できません(笑)
T:そうですよね、 Aさんはカップラーメンも作ることができません。麻婆豆腐、、、、(強く首を振って)絶対できません。麻婆豆腐を作れるわけがありません。
*学生の出身国によって料理名を変えられます。
例2
T:みなさんは知らない人に「100万円です。どうぞ」と言われたら貰いますか?
S:もらわないです!
T:え、どうして??
S:危ないです。/その人は悪い人かもしれません。
T:そうですね、危ないですね。変ですね。
簡単に100万円ももらえるわけがありません。
〜わけではない
【形】V・A(普通形)+わけではない(わけじゃない)
Naな/Nな(orである)+わけではない(わけじゃない)
【意味】
①部分否定。文の内容全体を否定するのではなく、「どれくらい/どのくらい」といった「程度」「頻度」に関する一部分だけを否定する。「必ずしも/いつも〜」「全く/とても(すごく)」などの副詞と一緒に用いられることが多い。
<イメージ> (日本人のように)
全く話せない 話せる
[_________📍___________[____________]__________📍__________]
全く話せない 日本人みたいに話せる
というわけではない というわけではない
②推論の否定。
「〜からといって」と一緒に用いられることが多く、前件から予想・推測される後件が真実(正しく)ないことを表す。
【例文】
①彼はアニメが大好きだが、全てのアニメを見ているわけではない
①私は料理が得意です。でも毎日料理するわけではない。
①日本人全員が真面目なわけではない。
②お金があるからといって、必ずしも幸せなわけではない。
②関西人だからといって、ノリがいい/お笑いが好きなわけではない
【教えるポイント】
部分否定と全否定の大きな違いは、否定している部分にあると思います。
*「食べられる・食べる」はこの文の述語にあたるのに対して、「毎日」は修飾語(副詞)にあたります。
aのように文の命題に関わる否定は「全否定」であり、基本的な否定文もこちらに分類されます。
一方、bは「Bさんが卵を食べる食べる」という命題自体は否定しない、「部分」的な否定になります。
まず学習者にとって全否定と部分否定の違いを理解するという点が難しいです。そのため、「必ず」「毎日」「全部」といった副詞・板書の色分けも使いつつ、「ない」がどの部分を否定しているのかを確認するといいと思います🌱
まとめ
〜わけがない:全否定かつ強い否定を表す。
〜わけではない:部分否定かつ推論の否定を表す。
a.僕の妹は可愛くない
b.僕の妹が可愛いわけがない
c.僕の妹は可愛いわけではない
aは事実として「可愛くない」と言っているように感じるのに対して、bには話し手の主観(思い込み)が含まれているように感じますね。
c は推測の否定によって、例えば、「(よく告白されたり、恋人がすぐできるけど、顔が)可愛いわけではないんだよね」という文脈ならあり得るのかな?と思いました。(それでも妹に失礼、、、、、、)
以上、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』というタイトルのライトノベルが何年か前にヒットしていたのを思い出して、今回のタイトルにして記事を書いてみました🌱
この記事は以上になります。
最後までお読みくださりありがとうございました🌱
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