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法廷録音の不許可、高裁の判断は(公判中の録音を許可しなかった一審裁判官の措置は審判の公開規定に違反との主張)
制裁裁判に至った公判の【控訴審】
・ストーカー規制法違反で録音不許可
法廷録音申請が許可されないことから、制裁裁判にまで発展した、中道一政弁護士が弁護するストーカー規制法違反の公判。こちらを有罪とした一審判決に対して、再び中道弁護士が弁護する被告人側が、大阪高等裁判所へ控訴。その控訴趣意(意見)の1つには、法廷録音申請が不許可となった理由も含まれました。そして、控訴に対する判断が令和6年11月13日、大阪高等裁判所201号大法廷にて下されました。弁護士も多数駆け付け傍聴された注目の判決でした
・パソコンテイク導入でメモ取りやすく
ちなみに控訴審の判決期日も、弁論期日と同様、聴覚障害を持つ傍聴人のために、パソコンに文字を打ち込んで画面に表示させ、音声情報をパソコンで文字情報に変換して伝達する「パソコンテイク」が導入されました。そのため、裁判長はパソコンの入力スピードを考慮してゆっくり、文と文との間を置きながら、時には難しい言葉をわかりやすく言い換えながら、判決文を朗読。そのおかげで、一般の傍聴人もメモが取りやすいという恩恵がありました
・法廷録音に関係する控訴趣意
被告人及び弁護人による法廷録音を許可しないまま公判をしたこと
裁判を適切に公開するよう請求する権利が憲法上保障されていること
公開された裁判を適切に記録するよう請求する権利が憲法上保障されていること
録音を許可しないことが審判の公開に関する規定に違反すること
詳しくは、以下中道弁護士のnoteをご参照ください
【判決主文】
本件控訴を棄却する。弁護人の主張は認められず、原審(第一審)判決がそのまま維持される
・控訴理由の要旨
「公判中の録音を許可しなかった原審裁判長の措置は憲法82条1項と37条1項に違反する」との主張
憲法第82条1項、裁判の公開
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ
憲法第37条1項、刑事被告人の諸権利
すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する
・判決の要旨
憲法82条1項の規定の趣旨は「裁判を一般に公開して裁判が公正に行われることを制度として保障し ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しようとすること」にあり 訴訟関係人や国民一般に対し 何らかの具体的権利を保障するものではない
弁護人が主張する「公開された裁判を適切に記録するよう請求する権利」を憲法が保障するものでないから 公判の録音を許可しなかった原審裁判長の措置が 憲法82条1項に違反するものでないのは明らか
憲法37条1項は「刑事被告人の権利」という側面から 裁判の公開原則を重ねて保障したもの であるから 同条項の別異に解する理由はない
弁護人の主張は理由がない
最高裁へ上告へ
以上、中道弁護士の法廷録音申請を許可しない第一審の訴訟指揮に対する審判の公開規定違反主張は、認められませんでした。今後、最高裁判所に上告されるようです