夏期講習会を休ませ家で復習するのはアリかナシか
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今津です。
大阪・十三で書いています。
ようやく梅雨が明けたエリアが多くなってきています。
学校も1学期の終業式ですよね。
塾によってはすでに夏期講習会へ突入しているところも多いかと思われます。
毎年この時期になると話題にのぼったり、ご相談があるものの一つに「今通っている塾の夏期講習会を休ませて、家で勉強させようと思うが、どうだろうか」というものがあります。
通わせる、通わせない、は最終的にはそのご家庭の自由です。
また、夏期講習会を休ませて家でじっくりと勉強をさせる、というご家庭も実際にいらっしゃいますし、そのことをブログなんかで書き綴っている方を見かけます。
考え方や捉え方はまちまちで、どなたが正解でどなたが間違っている、というつもりはまったくありません。
あえてワタクシからはプロの受験指導家という立場で、「夏期講習会をお休みになった場合どうなるのか」、また「続けてお通いになった場合どうなのか」についてお話しをしていきたいと思います。
1)夏期講習会って何のためにある?
中学受験以外の、例えば公立中生向けの場合、夏期講習会の位置づけは「1学期の復習」と「2学期の予習」です。
中学受験においての夏期講習会の位置づけは、「今までやったことをもう一度やり直す」ことです。
すなわち、復習ということになります。
一度習ったことを完璧に頭に入れ、いつまでもその状態を保つことができるのならば、復習は必要ありません。
ところが、そんな人はまずいません。
学習して数時間も経つと、通常は半分程度忘れてしまいます。
個人差はありますが、1か月何もせずにほったらかしにすると、ほぼ「無」の状態になります。
一番いいのは、一度習ったことをその後毎日必ず使いこなすことです。
ちょうど、新しい仕事を行うのに、仕事のやり方を習ってから毎日その仕事に従事しているうちに体に仕事のやり方がしみこんでいく状態がそれです。
しかし、毎日毎日、どんどんすべきことをやっていかないと、すべき勉強が間にあいません。
なので、ある一定の内容を終えたあと、学習内容の「棚おろし」をする必要が出てくるのです。これが復習です。
復習をする必要はわかった。
では、それはいつすべきなのか。
そのものさしとして捉えられているのが、夏休みと冬休みです。
学校が休みなので、比較的長時間塾で勉強してもらうことができます。
だから、まとまった内容をしっかりと復習してもらうことができますし、復習をしながら深い内容も同時に行うことができます。
通常、大手塾では年間のカリキュラムが決まっています。
そのカリキュラムにはいつの時期に復習すべきかも入っています。
いつどのように、何を復習させると最も学習効果が高まるか。
その塾において何十年分のノウハウが詰まっているのがカリキュラムです。
そのカリキュラムはたいていの場合、毎年ブラッシュアップしています。
入試の合否結果等から、何が良かったのか、何がいけなかったのかを冷静に分析し、毎年少しずつ改善を続けているわけです。
すごく単純な話をすると、その塾の流れに乗っかりさえすれば、安心して中学受験を迎えることができる、ということです。
ですので、受験指導家としては「夏期講習会は受講してください」となるわけです。
2)塾の授業についていけないので、やっぱり夏期講習会は休ませたい
夏期講習会は休ませて、夏の間は自分の子どものペースで復習をさせたい。
このようなご相談がよくあります。
どのように過ごさせようと自由です。先ほども書きましたように、何が正解で何が間違っているとかはありません。
ただ、ワタクシからは少し違う視点でご忠告差し上げたいと思います。
そもそも夏期講習会を休ませなければならないくらいつらい状態だというのならば、根本的に通常の授業もつらい状態なのではないでしょうか。
なにがなんでもこのクラスで頑張らせるんだ、この塾でやり切るんだ、というお気持ちはよくわかります。
でも、意味もわからず小学校が終わってから2時間ほど塾の教室でじっと座っているわけです。わけもわからない授業を聞くために。
根本的にそこを改善しない限り、次の冬期講習もお休みをしないといけない事態になるのではないでしょうか。
いったい何をしに塾に行っているのでしょう。苦行をしに行っているのでしょうか。
3)ではどうすれば?
ワタクシからは2つ提案します。
1つ目は、塾のクラスの再検討です。
このクラスに入っていないと、●●中は入れない。
このお気持ちはよくわかります。
しかし、準備段階ですでにつらいのでしたら、●●中はおそらく残念な結果になる可能性が高いです。
あくまでそのクラスの指導にガンガンついていき、しっかりと公開模試で結果を残していってこその、●●中合格ではないでしょうか。
ですから、●●中を目指すのならば、いったんここは引き下がってクラスを一つ落とすのはいかがでしょうか。
そうすることで、ただ単に苦行をしているだけの状態から、学びを得ることの楽しみを感じる状態へと変化させることができます。
そこから再びクラスを上げてもらうことをお考えいただいてもいいでしょう。
もう一つは、読解力のアップです。
そもそもインプットが遅かったり、理解スピードが追いついていないために「理解できないこと」がだんだん積み重なってしまうのです。
逆に言うと、インプットや理解のスピードを改善してしまえば、勉強の積み残しがなくなってしまいます。
1トンしか積めないトラックに6トンの荷物を運ぶのはムリなように、あなたのお子さまの処理スピードや能力は限界を超えているのです。
その場合、10トントラックに乗り換えることにより、逆に6トンの荷物が余裕で運べるようになります。
そのことを勉強で行うにはどうすればいいのか。
読解力がカギを握ります。
読解力とは、インプットする力であり、処理する力です。
ここを改善しない限り、あなたのお子さまはいつまで経っても1トントラックのままです。
難関校に合格していくお子さまは、そのほとんどが読解力をきちんと持っているお子さまです。(もちろん例外も存在します)
ということは、あなたのお子さまも、読解力に関しては難関校のお子さまと同じ状態にしてしまえばいいということです。
この夏、夏期講習会を休ませたかったけど通わせているだとか、休ませてしまったという方。
読解力の改善をド真剣にお考えください。
それを改善しない限り、今の泥沼の状態はまず改善しません。断言できます。
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