リアルワールド 桐野夏生
今日やっと、ずっと前から気になっていた桐野夏生先生の「リアルワールド」を読み切りました。
そもそも桐野夏生先生の作品は好きなんだけど、時間なさすぎて短編しか読んでなかったんだよね。久しぶりに長編を読んで感極まり、完全に深夜テンションでこの気持ちを書き殴りました。乱雑乱文です、ご了承ください。
⚠︎ここから先、ネタバレありです
桐野夏生さんのリアルワールド読了したんですけど、なんか刺さることが多くて。テラウチが言ってた本当の「取り返しのつかないこと」がぶっ刺さって抜けない。永久に終わらなくてずっと心の中に滞って、 そのうち心が食べ尽くされてしまう恐ろしいこと、本当の取り返しのつかないこと。
彼女たちが女子高校生として、子供とも大人とも言えない、しかし確実に"女"であり、 また親からしたら同様に"子供"である、そんな足元がぐらぐらで独りでは生きていけない、どんなに汚らしく穢れていて嫌らしい大人であっても屈服しなければならない、そんな状態で深く思想を描き、また自由に生きている姿を自分と投影させてしまった。私もあとちょうど一年で彼女たちと同じ年になるんだよなぁ、、
ホリニンナことトシちゃん。彼女は私の中であまり色がない。まぁ周りの人達が濃すぎるだけなのかもしれないが、その中でも一貫として傍観者の位置に立ち続け、相手の感情を察する能力が高い彼女は、周りとの関係に一つ線を引いている節がある。 いや、誰だってそうなのだ。 どんなに親友や恋人、家族と言ったって、自分は自分だけなのだし他人は他人だ。人の気持ちはわかりっこないし、自分の気持ちも他人に全て知られるなんてたまったもんじゃない。そんな彼女たちの関係性が、今回のミミズの事件によって浮き彫りになったんだろう。今まで有耶無耶にしてきた人との関わり方、自分の本心が作品の後半に進むにつれて色が濃くなり、重くなってくる。初め読んだ時の四人の関係性と最終的な関係性の印象の受け方には圧倒された。騙された気分。
庵野秀明の映画作品 「ラブ&ポップ」では、主人公女子高生たちが、「大人になってもできることのために時間を費やすなんて、 私たちはそこまで馬鹿じゃない」とかなんとか言ってた記憶があるんだけど、それに通じるものがこの作品にもある。
それぞれ一人一人が自分の「リアルワールド」に閉じこもっていて、そこから出ようとすると結局、テラウチは自分自身を消滅させるしかない、という結果に至った。テラウチの哲学的思想には屈服しました。なんだっけ、韜晦癖、だったかな。意味わからなさすぎて頭ん中はてなでいっぱいだった。
そして、キラリン。キラリンの「貴方たちとは私は少し違うのよ」というプライド、否、それのみによってしか得られな自己肯定感、よくわかる。私は平凡などこにでもいるような高校生なんかじゃない、男遊びも真面目な話も、どちらも中途半端なまま浮遊していたいという気持ち。 好奇心やスリルを味わってみたい、という二面性がある自分自身。まるで東電OL殺人事件みたいだなーって。やっぱり女であることには年齢なんて関係ないんだね。
結局、私はホリニンナなんて言っているけど、ホリニンナよりキラリンに共感を得ることが多かった。わかるよ本当にわかるわかる、友達に見せる自分とは違いますよってね、 なんでこんな気持ちわかるの桐野夏生さん、、なんでこんな現役女子高生の気持ちが、2003年の小説であるの。天才かっ(天才です) となっていました(語彙力)。キラリンの章を読み終わってずっと爽快爽快、だなんて言ってました。 グロテスクでも思ったんだけど、女の欲や汚い部分をよくもこんなに言葉巧みに正直に人に魅せられるよなあって感動しました。私の語彙力では説明しようと思っても絶対に伝わらないんだけど、桐野夏生さんが全部代弁してくれてるんだよね。路上のX、やさしい大人でもそうだけど、なんでそんなに見透かされてんの!ってくらいさあー怖いわぁ。私今17だよ、 なんでこんなに刺さるの
ここから自分語り入ります。
正直、本当に今正直な話をしたら、売春とか頭の中にあったんだけど、そんなことを言ったらテラウチから、馬鹿だなぁ取り返しのつかない事して、あーだ、なんて言われるんだろうな。
あーだ、そうだよなぁ。 わかってるわかってる。馬鹿なんだよ一番自分が。
そんなのわかってるし、それ以上考えたらまた自分が屈服して、そんな自分が嫌になるんだよ。 だから馬鹿でいるんだよ。 だって私はまだ生きたいし、キラリンみたいにそっち側になんて行きたくない。 真っ当な道で生きたい。
けど、好奇心だってある。 自傷行為だ、自分自身を大切に。 わかってるわかってる。だけどさぁ、なんだろうね、この、 なんていうか、 身体の中に渦巻く、どろどろとしたものっていうの? 怖いんだよ自分自身がさ。 こんなにも弱いんだって思い知らされてもなお、 光と闇の間で浮遊していたいんだよ。 自分自身の中でのリアルワールド、又は二面性を持たないと死んじゃうよ。人は秘密なしで生きていけないじゃん。正論だけじゃ、 正直だけじゃ息が詰まってしまう。
あーだ、 馬鹿だなぁ私。 なんだろう、このどろどろとした感情をみんなはどう咀嚼して処理してるんだろう。もしかしてわたしだけなんてことはないはず。
別に私は自分自身を特別だなんておもってない。 こんな感情を持っているのはわたしだけだなんて自惚れているわけでもない。自分の周囲の環境も良くて、したいこともできて、勉強だってしたいならどれだけだってやらせてもらえる環境にいるけど、なんだろうね。これが巷でよく聞く、最近の若者、高校生の闇だなんていうのかな。
気持ち悪い。 本当に消えてほしくなるよね。まあ、死にたくなんてないけど。 高校生の闇だなんてさ、 その通りですよ。
私の同じクラスの子なんて、 別に仲良くもないのに話合わせてさぁ、 沈黙起きたら疲れたーなんてさ、 笑わせないでよね。 そんな子にも屈服している自分が本当に羞恥心が芽生えて嫌だ。 第三者的な立場にいる私が、ああはなりたくないなぁなんて言っているそのまんまの、綺麗な鏡に写って立っている、そのまんまの姿になってる。あーだ、嫌だ嫌だ、自分のリアルワールドにずっと引きこもっていたい。
だから、もういっそ汚くなってしまいたい。 私はこんなこともできる度胸のある子なのよ、考えもしなかったでしょう、なんて。ばかみたい。そんなのやったところで冷めた目で見られるだけなのもわかってるけど。いや、違う。その線引きが欲しいのかな、わたし。
自分で線を引くのには勇気がいる。だから 勝手に人に線引きさせようとしてるのかな。ん一爽快爽快、というほどでもないけど、少しはわかったかも。
いや、嘘だ。
ここまで書き殴ってきたけど、結局、自分のことなんて自分が一番理解できない。
自分語り多すぎたので後で編集するかも